【第73回】ディズニー映画「ベイマックス」の色々なシーンから使える英語表現をいくつか掘り下げてみました。
You're gonna get yourself arrested!
字幕には訳されていないですが、「捕まっちゃうよ」と、相手の違法行為などに警告する表現です。
ポイントは、get oneself 過去分詞 〜で、「自分自身を〜(の状態に)する、させる」という意味です。
この “get oneself 過去分詞” は「自分自身の行いのために〜という状態を招いた」というニュアンスがあります。
I got myself hurt.「私は怪我をした」は、自分自身の不注意などで怪我をしてしまったという意味になるのに対して、I got hurt. は単に「私はけがをした」でその原因には触れていません。
ですから “get oneself 過去分詞〜” は次のように自身の理由を述べるとわかりやすくなります。
“I was always late, so I got myself fired.”「いつも遅刻してたので首になった。」
“I took the wrong turn, so I got myself lost.”
「間違った道を曲がってしまい、迷子になった。」
"He wasn’t feeling well, so he got himself checked."「体調が悪かったので、検査を受けた。」
get + 過去分詞はよく見かけますが、この “get oneself 過去分詞 〜” はあまり目にしないと思うので例文とともに覚えたいと思います。
I’m on a roll. 字幕には訳されていませんが、「調子がいい」「のってる」とやってることがうまくいってる時に使う表現です。
on a roll のイメージは、まず on は「接触している」ということから「そこにずっといる」=「その状況を続ける」というイメージがあります。
roll は「回転」なので、その on と組み合わさって「ずっと回転している」というイメージが生まれます。
I’m on a roll ---「私はずっと回転している」というのは、「何かが止まらずに順調に進んでいる」というイメージと結びつきます。
そこから「調子がいい」「のってる」という意味になるのです。ここではヒロがロボット同士を戦わせる“ロボットファイティング”で儲けまくってることを I’m on a roll. と言っているのです。
A: “You won another game!”「また試合に勝ったの!」
B: “Yeah, I’m on a roll today!”「うん、今日調子いいから!」
ポイントは、Where was I going with this? I had a point. ですが、字幕にははっきりと書かれていません。
意味は「えっと、何を言おうとしてたんだっけ?ちゃんと伝えたいことがあったんだけど」です。
Where was I going with this? の直訳は「私はこれでどこに行こうとしてたのか?」ですが、そこから「何を言おうとしてたのかわからなくなる」という意味が出てきます。
また、 I had a point. の point は「話の要点」という意味で、直訳は「私は話の要点は持っていた」です。そこから「ちゃんと言いたいこと(=話の要点)があった」です。
まとめると、「言いたいことはちゃんとあったんだけどわからなくなってしまった」です。これは、感情的になって話している時によく起こりますよね。
話し始めた時には言いたいことがキチンとあったのですが、そのうちわからなくなってしまう…です。
キャスおばさんもあまりにも腹が立って Where was I going with this? I had a point. の前に言った言葉を忘れてしまったのですね。
I had a point. の例文は次のとおりです。
I had a point, but as I spoke, it slipped my mind completely.「言いたいことがあったんだけど、話しているうちにすっかり忘れちゃった。」
この slip one’s mind は「心をスリップして(滑って)言いたいことがどこかに行ってしまう」ということから「ド忘れする」という意味になります。
私はド忘れをよくするので、この表現は常に頭においています。