「どうだった?」の “How’d it go?” と “How was that?” の違いを深掘りしてみました。
アニメ「美女と野獣」の一場面。主人公ベルの家で、ベルに強引なプロポーズをしようとしたガストンが、ドアから放り出されて泥沼に落ちてしまいます。その時のル・フウ(ガストンの子分)とガストンの会話。
① how'd it go?「首尾はどう?」
ガストンのプロポーズがうまくいったかどうかを子分のル・フウがきいた質問。状況からして明らかにプロポーズ失敗と分かってるため、冗談としての質問になっています。
字幕は「首尾はどう?」ですが、首尾とは最初(首)から最後(尾)のことで、「最初から最後までどうだった?」=「結果はどうだった?」という意味で使われます。
でも「首尾はどう?」という日本語、個人的にあまり使わないので、口語表現がよく使われる字幕の日本語として少し違和感を感じてしまいました。これは私だけかもしれませんが・・・
もっと簡潔に言うと「どうだった?」という表現です。it は、対象となる試験などを指しますが、ここでは「ガストンのベルへのプロポーズ」です。
今回この口語表現を取り上げたのはのは、How was it (that)?「どうだった?」との違いを深掘りするためです。
どちらかというと、直訳である “How was it?” の方をより頻繁に使う傾向が個人的にありました。「より頻繁に」というよりほぼ毎回と使っていたかもしれません。
もちろん “How was it? でも問題ないのですが、注目すべきは、
How was it? は be動詞( was )が使われており、How’d it go? は 一般動詞( go ) が使われている
という点です。
be動詞は「状態」を表すのに対し、一般動詞は「動作」を表すのは次の例からもわかると思います。
We are married. (私たちは結婚している)
We got married. ( 私たちは結婚した)
動作というのは、区切り(「結婚した」)を感じさせます。それに対して、We are married. は「結婚している」と区切りはなく、状態が続いています。
そこから一般動詞を使っている “How’d it go?” も「区切り」=「結果」を意識した「どうだった?」なのです。
もっというと、「結果はどうだったの?」=「彼女へのプロポーズの結果はうまくいったの?」とはっきりとたずねる表現です。
それに対して、”How was it?” は状態を表しているので、”How’d it go?” ほど結果にコミットしていません。
ですから結果をズバリ聞きたいときは “How’d it go?” がいいですが、少し柔らかく聞きたい時には “How was it?” がいいのではないかと思います。
② make no mistake about that!「誰がなんと言おうともだ」
直訳は、「それについて間違いをおかさない」ですが、そこから「絶対にそれを成し遂げる」という強い意志を表す英語です。
これを取り上げたのは、make a mistake は「間違いをおかす」で、Don’t be afraid of making mistakes.「間違いをおかすのを恐れるな」と「間違い」や「ミス」に焦点を当てた表現だけ学んできたように思うからです。
「間違いをおかさない」⇨「絶対にやる」といった強い決意にまで結びついていくのが面白いところです。
言われてみれば当たり前なのですが、make a mistake の mistake だけに焦点を当てていると「強い決意」にまで考えが及びません。
英語ってやっぱり面白いですね!
See you soon!