ディズニー映画「インサイドヘッド」のワンシーンから使える表現をいくつか掘り下げてみました。【パート61】
① What’s the big idea?「何するんだ?」
空想ランドにある雲でできた家の一部の雲を、ビンボンが引きちぎってしまった時、雲の住人が言った言葉です。
字幕からもわかるように、この表現は相手が理解できない行動をとったりした時に使います。
「私の想像を超えるそのbig idea(大きな考え)とは何なの?」と皮肉っぽく聞いているのです。
字幕の「何するんだ?」以外に、「一体どういうつもりなの?」、「何考えてるの?」という日本語も考えられます。
“You painted the wall red... What’s the big idea?” 「壁、赤に塗ったんだね… どういうつもりなの?」
② Oh, is it all going to be so interactive?「これって何か意味あるわけ?」
空想ランドで一人盛り上がらないカナシミが言った一言。
“interactive learning” という言葉が教育用語として使われることがありますが、これはグループ活動などを通して生徒が授業に積極的に参加する学びのことです。
“interactive” は「双方向の」や「参加型の」という意味があるので、カナシミの言った “Oh, is it all going to be so interactive?” は、「全てが(これからも)参加型なんですか?」です。
すなわち、「これからもずっと参加型の活動なんですか?」と戸惑いを表しています。
ジョイとは対照的に、空想ランドで行う参加型アクティビティに意味を見出せないカナシミが言ったのです。
字幕は超意訳ですが、「これって何か意味あるわけ?」は考え抜かれた訳だと思います。今回も字幕に感動です…
(例) The workshop started with a lot of group activities. Is it all going to be so interactive?” 「ワークショップはたくさんのグループ活動からスタートしましたが、ずっとこんな感じで参加型なんですか?」
“interactive” に焦点を当てましたが、実は “Is it all going to be...?“ もとても使える表現です。こてが意味するのは、
「(これからも)ずっとこんなふうなのか?」
で、「最初の経験がこれからも続いていくのかどうか」を聞いています。
初めて受けた授業が思った以上に難しかったら、”Is it all going to be so difficult?”「これからの授業もずっと難しいのかな?」と言えます。
逆に、とても面白かったら、”Is it all going to be so exciting?”「これからの授業もずっとワクワクするのかな?」といえます。
初めてのバイトで仕事がややこしくて大変だった時は、”Is it all going to be so confusing?”「これからの仕事もずっとこんな風にややこしいのかな?」ですね。
これは使える英語なので、そんな場面を経験したら、ボソボソと ”Is it all going to be so ... ?” と言いましょう。
③ I stashed it in there for safekeeping, and now I’m all set to take Riley to the moon!「隠しておいたんだ。さあライリーと月へ」
ビンボンがライリーを月へ連れていくために、ロケットを隠していたシーン です。
字幕は意訳で短くなっています。直訳すると「それを安全な場所に隠しておいた (stashed) よ、これでライリーを月に連れて行く準備は万端だ ( I’m all set to)!」です。
太字の2箇所、”stashed” と “I’m all set to...” を取り上げたのは、その同義語で言い換えるとわかりやすい文になるためです。
“stash” の同義語は “hide” で「…を隠す」です。
また、”I’m all set to …” の同義語は “I’m ready to …” 「…する準備ができている」です。
言い換えると、 I hid it in there for safekeeping, and now I’m ready to take Riley to the moon! になり、わかりやすくなります。
hide は「隠して見えないようにする」ということに焦点が置かれ、stash はどちらかというと「隠していたものを後で使う」というイメージがあるという違いがありますが、意味がわからなくなる程の違いではないので、置き換えても支障はないと思います。
be all set to と be ready to も類似表現として置き換え可能です。
同義語や似た表現に置き換えて音読をすることによって定着率は上がっていくと思います。
ですから、常に頭の中にアンテナを張って、類義語や反意語などのワードサーチを心掛けていきたいですね。