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「インサイドヘッド」に登場する”ヨロコビ“と”カナシミ“ の人を励ます姿勢の違いから大切なことが見えてきました。

今回は、この映画に登場する“ヨロコビ( 名前はジョイ )と”カナシミ“が、悲しみのどん底にいるビンボン( 想像上の生き物 ) を励まそうと、それぞれがビンボンに近づくのですが、その接し方の違いがクリアに描かれているシーンを取り上げます。

将来ライリーと一緒に月へ行こうと楽しみにしているビンボン。しかし、そのためにしまっておいたロケットを捨てられ、とても落ち込んでいます。そんなビンボンをヨロコビとカナシミが順番に励まそうとするシーンです。

もし皆さんがビンボンを励ますことになったら、ヨロコビかカナシミ、どちらの接し方を選択しますか?

よりわかりやすくするために、英語と日本語字幕を別々に掲載しました。

① 落ち込んだビンボンをジョイがその明るさで慰める。

【英語字幕】

ジョイ: Hey, it’s going to be okay! We can fix this! We just need to get back to Headquarters. Which way to the train station?
ビンボン: I had a whole trip planned for us.
ジョイ: Hey, who’s ticklish, huh? Here comes the tickle monster! Hey, Bing Bong! Look at this! Oh! Here’s a fun game! You point to the train station and we all go there! Won’t that be fun? Come on, let’s go to the train station!

「インサイドヘッド」

【日本語字幕】

ジョイ: 大丈夫よ。ビンボンなんとかなるわ。今は戻らなきゃ。駅はどっち?
ビンボン: 2人の月旅行が台無しだ。
ジョイ: くすぐったがりやさん。(と言ってビンボンをくすぐる) くすぐりモンスターだ。こんなのは? (舌を出して変顔をする) ゲームよ。あなたが駅を指差して3人で行くの。楽しそうでしょ?駅へ行こう。

「インサイドヘッド」


② カナシミが落ち込んでいるビンボンと話す。

【英語字幕】

カナシミ: I’m sorry they took your rocket. They took something that you loved. It’s gone. Forever.
ビンボン: It’s all I had left of Riley.
カナシミ: I bet you and Riley had great adventures.
ビンボン: Oh, they were wonderful. Once we flew back in time. We had breakfast twice that day.
カナシミ: It sounds amazing. I bet Riley liked it.
ビンボン: Oh, she did. We were best friends.
カナシミ: Yeah. It’s sad.

「インサイドヘッド」

【日本語字幕】

カナシミ: ロケットのこと気の毒に。愛するものがうばわれて…二度と戻らない。
ビンボン: 唯一の思い出の品だ。
カナシミ: ライリーと大冒険したわね。
ビンボン: 素晴らしかったよ。時間を遡って朝食を2回食べたり。
カナシミ: ライリーも大喜びしたでしょ。
ビンボン: そうとも。僕ら親友だった。
カナシミ: すごく悲しい…。
ビンボン: もう大丈夫。行こう。列車の駅はあっちだ。

「インサイドヘッド」

ヨロコビは持ち前の“明るさ”で、くすぐったり、変顔をしたりしてビンボンを励まそうとしています。

それに対して、カナシミはヨロコビとは対照的なその持ち前の“暗さ”で淡々と話しかけ、ビンボンの声に耳を傾けます。

ヨロコビは最初、落ち込んでいるビンボンをさらに落ち込ませるカナシミの接し方にイライラ感を募らせます。

でも最後にビンボンはカナシミに抱きつき大粒の涙を流します。そして、「もう大丈夫」と言ってカナシミと一緒に司令室へ帰る電車の駅の方に向かいます。

それを見たヨロコビは、How did you do that?「どうやったの?」( = どうやってビンボンの悲しみを取り除いてあげたの? ) とカナシミに聞きます。

というのも、ヨロコビは、どれだけおどけてビンボンを喜ばせようとしてもうまくいかなかったからです。

これまで「人の幸福はどれだけその人が楽しめてるかにある」と信じてきたヨロコビは、カナシミを邪魔な存在だと思ってきました。

でもその信念に対して少し疑念が生じてきたのです。

それだけに、カナシミがビンボンに“寄り添う自分とは異なった姿勢” に、ヨロコビは新鮮味を感じたに違いありません。

上のヨロコビとカナシミのビンボンとの対話を見て貰えばわかるのですが、ヨロコビは自分がしゃべる長さがビンボンより長いのに対して、カナシミは短い言葉を挟むだけであとは聞き役に回っています

結果的にビンボンの悲しみを取り除けなかったヨロコビと、取り除くことに成功したカナシミ。

相手に共感し、寄り添う” ー 地味で目立たないけれど、相手の気持ちを安らかにさせるカナシミから学べることも多いです。

でも“相手の辛さをスマイルで取り除いてあげよう”とするヨロコビの接し方も時には必要になってくると思います。

要は、相手をみてどう接してあげるのかを考える
ことが大切なのではと思います。皆さんはどう思
われますか?

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