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【第140回】ディズニー映画「Mr. インクレディブル」のシーンから使える英語表現をいくつか掘り下げてみました。

Mr. Incredible: Am I overdressed? 「キマリすぎ?」
Mirage: Actually, you look rather dashing. 「とても魅力的だわ」
< 二人はダイニングテーブルに向かって座る >
Mr. Incredible: I take it our host is... 「雇い主に会えるかと…」
Mirage: Oh, I’m sorry. He won’t be dining with us. He hopes you’ll understand. 「残念ね。気を悪くしないで」
Mr. Incredible: Of course. I do usually make it a point to know who I’m working for. 「どんな人物か知りたかった」

「Mr.インクレディブル」

短い会話の中にたくさん使える英語表現が出てきているので多くのことが学べます。

① Am I overdressed?
Mr.インクレディブルがこのフレーズを言った時の服装は、“スーツに赤のネクタイ”でした。

「“スーツに赤のネクタイ”が overdressed ? 」って一瞬思ってしまいました。何故なら、overdressed はover ( …以上の ) なので「服を着すぎている」という意味だと思っていたからです。

でも、動画の中のMr.インクレディブルは服を着すぎていることはなく、ビシッと決まったスーツ姿だったので、「フォーマル過ぎる服を着ている」という意味であることがわかったのです。

字幕の「キマリすぎ?」もいいですが、「場違いかな?」でもいいかもしれません。

私が勘違いしていた overdressed の意味が動画を通してその本当の意味に気づいたのです。”思い込み“はよくないと再認識すると同時に、動画を使っての英語学習のメリットもまた再認識しました。

overdressed が「キマリすぎ」なので、その反対の underdressed は「ラフすぎ」という意味になります。 over- と under- なのでわかりやすいですね。

正装で参加すべき場所にラフな格好で行ってしまったら、I was underdressed. 「ラフすぎる格好だった」です。

② you look rather dashing.
look dashing はあまり聞かないのではないでしょうか。

dash といえば「ダッシュする」で、”走る運動“を表す単語であるのはよく知られています。

コウビルド英英辞典によると dashing は、

A dashing person or thing is very stylish and attractive.

「コウビルド英英辞典」

と載っており、「スタイリッシュ魅力的な」という意味で使われます。

定義の中に stylish という語が出てきましたが、dashing との違いが気になったので ChatGPT で調べました。

Stylish focuses more on fashion and design, while dashing emphasizes charm, confidence, and a heroic or romantic aura.

「ChatGPT」

Stylish: 主にファッションやデザインに重点を置いた表現。
Dashing: 魅力や自信、そしてヒーロー的でロマンチックな雰囲気を強調する表現。

であるとのことです。

dashing の方が stylish よりも優雅さがあるようです。“ヒーロー的”といえば、Mr.インクレディブルも“スーパーヒーロー”なので dshing はピッタリかもしれません。

ChatGPT には続けてdashing の意味として「華麗な」や「颯爽(さっそう)とした」というのがありました。

ヒーローには「颯爽とした」が似合っています。さらに、“ダッシュする”から“颯爽とした”は結びつきやすいですね。

The dashing man ran off after rescuing the woman. 「その颯爽とした男性は、女性を救った後立ち去った」

でも“走るdash と “魅力的なdashing ー この意味の“交わり”は何でしょうか…また機会があれば考えたいですね。

③  I take it our host is...
it の次には “that” が、is の次には “here” が省略されています。連れてこられた場所にMr.インクレディブルが自分の雇い主がいないことを不思議に思ったシーンです。

ポイントは “I take it ( that ) … の構文です。it は that 以下を指します。

意味は「…だと解釈する」と自分なりにいろいろ考えた結果、結論を導き出した時に使える表現です。

「解釈する」は少し難し目の日本語なので、「…と受け取る」ぐらいでもいいと思います。

I take it ( that ) our host is ( here ). も、「我々の雇い主がここにいるものだと受け取ったのだが」という意味です。

こう考えると、I can’t take it any more. 「もう我慢できない」のtake も「受け取る」と考えると「もうそれを受け取ることができない」となり、「我慢する」 の take が理解しやすくなります。

I take it you don’t agree with our plan. 「我々の計画に反対なんですね」 ( ⇦ あなたが我々の計画に賛成していないと私は受け取っている)

He hopes you’ll understand. 「気を悪くしないで」
これを取り上げたのは、日本語字幕に感心したからです。直訳は「彼はあなたが理解してくれるのを望んでいる」です。

この日本語が言おうとしてるのは、少し言いにくいくいことを言って、それを“彼はあなたになんとか理解してもらおう”ということです。

ですから「気を悪くしないで」は言い得て妙です。意訳中の意訳ですが、立派に意味が成り立っています。

I just want to go out alone… without you. I hope you’ll understand.「僕は一人で出かけたいんだ…君と一緒じゃなくて。気を悪くしないでね

⑤ I do usually make it a point to know who I’m working for.  「どんな人物か知りたかった」

make it a point to … は「必ず…するようにしている」という意味があります。

make it a point to
… のit は to 以下を指します。またpoint は「重要な点」という意味です。ですから「…することを重要な点にする(させる)」というのが直訳です。すなわち、to 以下の内容を“重要視する”のです。

このMr.インクレディブルのセリフでは「誰のために自分が働いているのか知ることを私は重要視する」 = 「必ず…を知るようにしている」という意味になります。

I make it a point to exercise every morning. 「毎朝運動することを心がけています

「…するのを心がける」という日本語でもいいですね。

英語の“深掘り”をメインに書いてるのですが、日本語についてこんなに考えることが多いなんてnote を始めるまで夢にも思っていませんでした…。母語の日本語を深く理解していない自分を痛感します…

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