【第94回】ディズニー映画「ベイマックス」のシーンから使える英語表現をいくつか掘り下げてみました。
①We can’t go against that guy!
go against ... は「…に逆らって行く」が直訳ですが、そこから「…に立ち向かう」や「…に反対する」という意味になります。
ですから、We can't go against that guy! は「我々ではあの男に立ち向かうことなんてできない!」です。
別の言葉で言い換えると、We can’t confront that guy! や We can’t oppose that guy! などですが、そんなビッグワードを使わなくても go against で言い表すことができるのでどんどん使っていきたいですね。
Many local people go against the construction of the new highway.「たくさんの地元民は新たな高速道路の建設に反対している」
② You can be way more.「持ってる力を活かせばいい」
この You can be way more. はそのまま覚えておくと便利な英語です。
意味は「もっとできるよ」「もっとやれるよ」で、相手の可能性や能力を引き出してあげる時に使えます。
この場面を見ていただければわかるのですが、ヒロが仲間たちに「君たちは絶対もっと強くなれる!」と心を込めてゆっくりとこのセリフを言っているのがとても印象的です。
セリフと共にこのヒロの姿が頭から離れません…
激励する時、You can do it! がよく使われますが、このYou can be way more! も使っていきたいですね。
③ We're in.「やるわ」
We’re in. は「よーし、やるぞ」という意味で使われます。言い換えると We are ready to join it. 「それに参加する準備はできている」です。
簡単な言い回しですが、案外わかりにくいのではないでしょうか。We are ready to … ときちんと言った方が、我々のような英語を母語としない人にとっては理解しやすいですが、洋画などでは We’re in. などの口語表現もよく出てきます。
簡単なフレーズほど理解しにくいー 英語ではよくあります。
Are you in?「君もやる?」とか I’m not in.「僕はやらないよ」などいろいろと言えます。使える口語表現ですね。
Arms up. 字幕にはないですが「両手をあげて」です。Raise your arms. を短く言った表現です。
「手をあげる」と言えば、Raise your hand. が一般的です。
arm と hand の違いは、arm が肩から手の先までで腕と呼ばれている箇所です。hand は手首から先の箇所です。
手首から先の手を上に挙げる raise your hand. は授業中などに生徒が手を挙げる時に使われ、その目的は、誰かの注意を引く時に使われます。( 授業中だと先生の注意を引くために手を挙げます)
それに対して Arms up. は運動やリハビリなどで腕をあげる場合に使われます。(ラジオ体操の動きも Raise your arms. ですね)
arm と hand で手をあげる意図が違うのは面白いです。
どうして hand を使うと“相手の注意を引く表現“ になるかというと、hand は手首から先の部分なので、その一点に相手の視線を向けさすことになるからだと思います。
それに対して、arms を使うと、肩から手まで全てをあげるので hand のように相手の視線を一点に集めさせることがないからでしょう。
持論ですが、こんなことをいろいろと自分なりに考えるのも面白いですね。
Anybody else's suit riding up on them?
“〇〇 ride(s) up on …” で「〇〇がずれ上がる」という意味になります。
「ずれ上がる」というのは、着ているシャツなどが小さすぎて、座ったりした時に上に“ずれ上がる“ことです。
正直、ride up on… がそんな意味を持つなんて知りませんでした。 ride = 「乗る」なのでそこから固定観念が離れなかったためです。
でも「乗る」を「乗って動く」と考えると、「上に動く( ride up )」で「ずれ上がる」というイメージと合いそうな気もします。(私の勝手なイメージですが…)
This shirt always rides upon me when I sit down.「このシャツは座るといつもずれ上がってくる」
日本語字幕の「ズボンに食い込む」というのがいまいち「ずれ上がる」のイメージとマッチしないのは私だけでしょうか…。
以前、モデルの英文を”借りて“自分で英作をする“英借文”について触れたことがありますが、この Enough flying for today. も“英借文”にはもってこいの文です。
Enough …ing で「もう…は十分だ」「…はもう終わろう」という意味です。
言い方によって、「もう十分だ!」というイライラした気持ちを表すこともあれば、普通に「もう終わろう」と、やってることを終わらせる意味で使われることもあります。
次のように、“英借文”としていろいろ考えられます。
Enough studying for today! 「今日の勉強は終了!」
Enough waiting around. 「( 待ち疲れた時 ) もう待つのやめよう」
“wait around” は“ボーッと待つ”イメージです。
Enough talking about it. 「もうそれについて話すのやめよう」
どんどん“英借文”で表現力を上げていきましょう!