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洋画で見つけた “I don’t take people places.” を深掘りしてみました。
今回は、”I don’t take people places.” というあまり見慣れない決まり文句について見ていきたいと思います。
その表現が使われていたのは、「アナと雪の女王」の一場面です。
店主に悪態をついたクリストフは、店から放り出されてしまい、納屋で彼の相棒トナカイのスベンと一緒に寝転んでいるところにアナが入ってきます。
アナ: Nice duet. (ステキな歌)
クリストフ: Oh, it's just you. What do you want? (君か。何の用だ?)
アナ: I want you to take me up the North Mountain. (北の山まで案内して)
< クリストフは横たわり、帽子を目にかぶせる >
クリストフ: I don't take people places. (人の案内はしない)
アナ: Let me rephrase that... (言い直すわ)
クリストフ: Ooph!
アナ: Take me up the North Mountain. Please. (北の山へ連れてって。お願い)
I don’t take peolpe places.「人の案内はしない」
これは決まり文句なのですが、この英文を見て何かおかしなことに気づきませんか?
take は後ろに人が来たら一般的に「(人)を(場所に)連れて行く」という意味になります。
すなわち、”I’ll take you to the park.”「君を公園に連れて行こう」のように使います。
でもクリストフが言った “I don't take people places.” は、places の前に “to” がありません。
pkaces は「場所」という名詞なので本来は、
“I’ll take people to places.”
とならなければいけません。”take A to B”「A をBに連れて行く」ですね。
"I’ll take you home.”「君を家に連れていく」のように home の場合は “to” 入りません。なぜなら home は副詞だからです。
ですから「???」と思ったのですが、次の表現があることを思い出しました。
“go places”「いろんな場所に行く」
でもよく考えると place が副詞として使われるのは違和感を感じてしまいます。
クリストフが “I don’t take peolpe places.” を使ったのは、アナがクリストフに「北の山まで連れてって」と言ったことに対して、クリストフは「使いっ走りはごめんだ」という気持ちだったのでしょう。
実はそこに秘められたクリストフの気持ちは、”I don’t take people to (the) places. と文法的に正しい “to” を伴った文とは違うのです。
なぜなら “to” は目的を伴った方向を表すので、”to (the) places” は、「ある決まった場所」への案内はしないと言った意味になるからです。
それに対して、”to” のない “I don’t take peolpe places.” は、どことかに関わらずともかく俺は案内係じゃないというニュアンスになります。
ですからアナが「北の山まで連れてって」と言ったのに対し、クリストフは、アナがいう場所はどこであっても案内はお断りの意思表明であると捉えることができます。
少し古くてもしかしたらもう死語になってるかもしれませんが、
「アッシーはお断り!」
とも訳せると思います。
I don’t take people places.. ー あまりお目にかかりませんが、とてもインフォーマルで会話調の表現なので覚えておきたい表現です。
Thanks for reading my article.l