ディズニー映画「インサイドヘッド」のワンシーンから使える表現をいくつか掘り下げてみました。【パート66】
① Mom and Dad got us into this mess. 「全てママたちのせいだ」
「A get … into 〜」の直訳は「Aが…を〜の中に入れる」です。そこから「A のおかげで…が〜になる」や「Aのせいで…が〜になる」という意味になります。
この表現は応用が無限で、良い意味でも悪い意味としてでも、ともかく“使える表現”です。
このセリフ “Mom and Dad got us into this mess.” の直訳は、「ママとパパが私たちをこの混乱の中に入れた」ですが、そこから「ママとパパのせいで俺たちはこんな困ったことになったんだ」という意味になります。( mess は「困った状況、混乱」です )
このような意味になる理由は、into が“変化”を表すからです。into が変化を表す例文は、 We turned water into ice.「水を氷に変えた」で、水が氷に“変化”したのです。
すなわち、私たちには問題がなかったのに、パパとママのせいで困った状況に“変化”してしまった、という考え方です。
この“変化”するという考え方で、次のようにさまざまな表現が可能です。
1) He got me into a fight.「彼のせいで喧嘩に巻き込まれた」
2) He got me into debt.「彼のせいで私は借金をすることになった」
3) He got me into a bad mood.「彼のせいで気分が悪くなった」
4) They got me into a bad crowd.「あいつらが俺を悪い仲間に引き入れたんだ」
5) That magician got me into magic performance.「そのマジシャンのおかげで私はマジックにハマった」
「…にハマる」という日本語が get ... into で表せるのは面白いですね。
“変化”は into を基本に考えておくとわかりやすいのではないでしょうか。まだまだいろいろと into を使った表現を考えることができるので、ぜひ使っていきたいですね。
② Nice work.「お手柄よ」
「よくやった」ですが、一番使われているのが “Good job.”だと思います。これ一択という人もいるかもしれません。でもこの “Nice work.” も使えます。
「ネイティブが使った表現はそのまま使っていく」ー 絶対にネイティブの英語に間違いがないとは言えないですが、ネイティブが言ったことで「面白いな」と思った英語は ( あれこれ考えずに ) そのまま口に出していくということも大切だと思います。
③ Atta girl! Now you’re getting it!「驚いた、その調子よ」
前向きな言葉を言ったカナシミをジョイが褒める場面です。
カナシミが I love that one too. 「私も好き」とポジティブなことを言ったのでジョイは褒めます。
“Atta girl!” = That’s a girl!「(女の子に) よくやった!」の省略形です。( “Atta boy!” もあります) 発音は [ ǽtə ] です。
これも、上の “Nice work.” と同義語として覚えておくといいかもしれません。
「よくやった!」は Good job! だけでなく、 Well-done! / Nice work! / Atraboy / Attagirl といろいろあって面白いですね。
また、you’re getting it! の get は “understand” と同義語で “Did you get it?”「わかった?」の言い回しはよく使われます。
ですから “you’re getting it.” は「だいぶわかってきたね」です。字幕の「その調子」もいいですね。
get ( give も ) を使った口語表現は実に様々なところで使われています。簡単な語句ばかりを使用していても、意味は分かりにくいものも多くあるので注意して get に“対処”する必要がありますね。