ディズニー映画「インサイドヘッド」のワンシーンから使える表現をいくつか掘り下げてみました。【パート58】
道に迷ったジョイを何としてでもライリーの元へと連れて行こうと決意するビンボン。
We can’t have that.「何としても戻らなきゃ」
この表現は中学校の最初の方で習う単語ばかりですが、意味がピンときにくい表現の一つではないでしょうか。
この that はここでは、手前の「ジョイがいなければ、ライリーは楽しめない」(Without you, Riley won’t ever be happy.) を指しています。
直訳は、「ここにいる私たちは、ライリーが楽しめない状況を持つようなことはことはできない (= 持つようなことをしてはいけない )。」
すなわち、「そんな状況を作ってはいけない」という意味になります。
端的にいうと「それは困るよね」、「それはダメだよね」です。
A: He says he cannot come.「彼来れないって」
B: We can’t have that.「それって困るよね」
もちろん次のように I can’t have that. でもOKです。
A: You can do it tomorrow.「それ明日にしたらいいんじゃない」
B: I can’t have that. I need to finish it today. 「それは無理だよ。今日中に終わらせなければいけないから」
We ( I ) can’t have that. を別の表現で表すと That won’t do. です。
A: Let’s have a meeting after lunch.「昼食後に会議を持とう」
B: That won’t do.「それは無理だよ」
簡単そうに見える英語表現ほど使うのが難しい良い例ではないでしょうか。
① What exactly are you supposed to be?「でもあなた何者?」
直訳は「あなたは正確には何者であるはずなのか?」です。
このセリフが “What exactly…? と What で始まっているのもポイントです。
Who are you?「あなたは誰?」は相手の名前や職業などを尋ねる時に使いますが、 What are you? は相手の素性や役割などを尋ねる場合に使います。「あなたは何者?」に当たる英語です。
A: What are you?「あなたは何者?」
B: Just someone passing through.「ただの通りすがりの者です」
B は自分の素性を言っています。
“What are you supposed to be?” は、相手の見た目や行動が不思議だったり、意図が分からなかったりする場合に使われる表現です。
例えば、仮装している人や奇妙な行動をしている人など対してたずねる場合などに使うことができます。
このシーンでも、カナシミがビンボンの素性がどうしてもわからなかったので「何者か?」を聞くために、What exactly are you supposed to be? と聞いたのです。
変な行動を取ったりしてよくわからない人に「彼ってよくわからない。一体何者なの?」と、日本語でも使うことがありますよね。
② But shape-wise I’m part cat, part elephant, part dolphin.「形としてはパーツ的にネコでゾウでイルカ」
shape-wise「形的には」で、〇〇-wise で「〇〇的には」という意味を表します。日本語でもよく使うと思います。
Money-wise there’s no problem.「金銭的には問題ありません」
この〇〇-wise は、私の過去の記事でいろいろな例文を取り上げていますのでぜひ参照下さい。
記事はここ ⇨ https://note.com/popocky/n/n25abbd0a346e