ディズニー映画「インサイドヘッド」のワンシーンから使える表現をいくつか掘り下げてみました。【パート60】
① 近道 vs 回り道
この短いシーンで、どのような道をいくのかが、3つも出てきてます。
(1) I’m taking the shortcut.「近道は速いな」
(2) Let’s go around. This way.「回り道しよう」
(3) If you want to walk the long way, go for it.「私は遠回りなんてイヤ」
「近道」と「回り道」の表現をまとめてみました。”take the shortcut” は「近道をする」で、その反対が、”go around” や “walk the long way” で、この3つがここでは取り上げられています。
”go around” はここ(パート56)でも取り上げましたので参照下さい。
英語の語彙力や表現力を増強していく方法はいろいろありますが、その一つがよく似た意味の語彙や表現に “たくさん出会っていく” ことです。
そのためには普段から沢山の英語に接していき、「面白いな!」と感じた英語を頭に入れておきます。
そして次にその英語に出会ったら、「前この英語見たな…」となんとなく覚えているだけでも、なぜか嬉しくなってくるものです。
その繰り返しで頭の中に完全に語彙や表現が定着していくと思います。もっと言えば、自然と口から出てくるレベルですね。
この “go around” もスクリプトの中で2回目で嬉しかったですし、これから使える表現になりました。でもこの “go around “ にこれからも出会えるように英語に接していきたいですね。
② Bing Bong knows what he’s doing.「ビンボンについてくわ」
この「ビンボンについてくわ」という字幕は“深い” と感心してしまいました。
なぜなら、「ついていきたくなる人」というのは、いい加減な人より、やっぱり「しっかりしている人」ではないでしょうか。
そしてこの “Bing Bong knows what he’s doing.” こそ「〇〇はしっかりしている」という表現なのです。
これは意訳なのですが、直訳は「ビンボンは自分がやっていることがわかっている」です。
自分が何をしているのかがキチンとわかっているというのは、その人がしっかりしている証なのです。
ですから、「ビンボンについていく」というのは素晴らしい日本語だと思います。(字幕には感動しきりです… )
以前アメリカ人の方が、
「私の国では “ Iknow what I’m doing “「自分がやってることがわかっている」というのはとても大切で、常にそのことを意識して生きていると言っても過言でない」
と言っていたのを思い出します。
日本でもこの考えは大切ですが、“言われたことを考えずになんとなくやっている” という場面も案外あるのではないでしょうか。私もよく(?)ありますね…
やはりアメリカでは「自分の足で考えて行動する」ということに、日本人よりも重きを置いている場合が多いため、この “Iknow what I’m doing” の精神が宿っているのではと思ってしまいました。
③ Well, I guess.「しょうがない」
「仕方がない」は、It can’t be helped. や No choice. などいろいろな言い回しがあります。
でも、このカナシミの “Well, I guess.” のように No choice. などと違って、固定された言い方ではない英語で「仕方ない」を言い表すのは、「面白い!」と飛びついてしまいました。
“guess” は think の同義語ですが、think と違って確信があまりない時に使います。
ですから、「思う」は「思う」でも think とは異なった文脈で使われるので注意が必要です。
このシーンでも、カナシミの反対を押し切って、ジョイはビンボンについて行こうとしますが、そのことに対して強く反対もできないし、かと言ってジョイの意見に賛同もできないので “Well, I guess.” と言ったのでしょう。
“Well, I guess.” ー 短い言い回しですがとても気に入った表現です。
④ How long until the next train?「次の列車は?」
主語と動詞を省略せずに書くと “How long will it be until the next train arrives?” 「次の電車が来るまでどれくらいかかりますか?」になります。
駅に着いたら電車が出た直後だった経験は誰でもあると思いますが、そんな時に使える How long until the next train? です。
この英語も主語と動詞を省略したシンプルな英語ですが、とても使える表現だと思います。train を bus や performance などに変えると、いろいろと応用が効きます。
How long until the next performance?「次の公演までにどれくらい時間がある?」
① I’m practically the mayor.「町長も同然」
“practically”「実質的には」「事実上」という意味です。
実際はそうではないけれども、経験や知識の豊富さなどから、実質的にはそうである、という場合に使います。
でもこの字幕の「町長も同然」を見た時、私なら「町長みたいなものさ」と訳すだろうとふと思いました。
というのも、飼っている犬を誰かに説明する時、よく「家族みたいなものです」と言うのを思い出したからです。
英語にすると My dog is practically a family member. です。
「同然」と「みたいなもの」ー どちらでもいいですが、個人的には後者の方がしっくりきます。
She is practically a leader here.「彼女はここではリーダーみたいなものです」