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ディズニー映画「インサイドヘッド」のワンシーンから使える表現をいくつか掘り下げてみました。【パート43】

今回もディズニー映画「インサイドヘッド」のワンシーンです。

ジョイ: Anyway, these are Riley’s memories and they’re mostly happy, you’ll notice. Not to brag.「これはライリーの思い出。楽しいものばかりよ」

「インサイドヘッド」

Not to brag. (字幕には訳はありません)
brag は「自慢する」という意味です。

Not to brag.「自慢じゃないけど」で、よく Not to brag, but ... で使われますが、「自慢ちゃうけど」という日本語はよく耳にしたり、話したりすると思います。

「高校時代、数学一番やったんやで。自慢ちゃうけど」(関西弁ですみません…) などと使いますよね。

また、「自慢ちゃうけど、高校時代、数学一番やったんやで。」と最初に持ってきてもいいです。

日本語同様、not to brag も文頭でも文末でもどちらでも使えます。

ライリーの頭の中にいるジョイの役割は、ライリーをともかく毎日楽しい気分にさせることです。

ですから、ジョイのセリフ “they’re mostly happy, you’ll notice. Not to brag.”「これはライリーの思い出。楽しいものばかりよ。自慢じゃないけど」は、ライリーが楽しめているのは自分(ジョイ)のおかげだと暗に言っているようなものなので、最後に 自慢を少し和らげるためにNot to brag. と言ったのです。

I’ve earned 2 million yen in a month before. Not to brag.「 自慢じゃないけど1ヶ月に200万円稼いだことがある」

Not to brag, but I scored the highest on the exam.”「自慢するつもりはないけど、試験で最高得点を取った」

この表現、いろいろと使えそうですね。

この not to brag を見た時、No offense. という言い回しを思い出しました。offense は「攻撃」なので、「攻撃してるわけじゃない」が直訳で、そこから

「怒らないで聞いてね」
「気を悪くしないでね」

という意味になります。

個人的にこの No offense. はよく使います。海外の方と話す時に一番多い話題は “異文化” や”文化の違い “ についてです。

ですから、よくネガティブなことを言う前に “No offense, I’ve heard that American people often ...” 「気を悪くせんといてね。アメリカ人ってよく…だと聞いたことあるんだけど…」などと言ってから話を進めるようにしています。

Not to bragNo offense. ー 意味は違いますが、自分の発言で相手が不快に思ったりしないようにクッションの働きをするという点では同じです。


ジョイ: But the really important ones are over here. I don’t want to get too technical, but these are called Core Memories.「でも重要なのはこっち。細かい話は省くけど、これは“特別な思い出”」

「インサイドヘッド」

I don’t want to get too technical, but ...「細かい話は省くけど」という意味です。

technical
は「専門的な」という意味で、technical term は「専門用語」です。セリフの直訳は「あまり専門的になりすぎたくないですが」です。

「専門的になる」というのは、聞き手がわかりづらくなる可能性があるので「できるだけ簡潔にわかりやすく述べます」というのがこの表現を使う話し手の意図です。

これも字幕の「細かい話は省くけど」というのは「専門的な用語は使いませんが」などというより、日本語としてスッと入ってきます。素晴らしい!

I don’t want to get too technical, but we need to update the software.「細かい話は省くけど、ソフトウェアを更新する必要がある」

この例文も「あまり専門的にはなりたくないけど」と訳すよりずっとわかりやすいですね。

これまでも、字幕の凄さをよく強調してきましたが、これもそのうちの一つです。素晴らしい字幕は、日本語の口語表現も再度勉強しようと思わせてくれます。

なお、類似表現としては、”Without going into too much detail,”「詳細は省きますが」があります。

また、technical の副詞は technically で、「専門的に」と言う意味ですが、もっと頻繁に使われるのは「厳密に言って」と言う意味です。

Technically, it’s still summer, but the weather feels like fall.”「厳密にはまだ夏だけど、天気は秋みたい」

ですから、technical や technically は「専門的な(専門的に)」と覚えるだけでなく、専門的 ⇨ 厳密な、細かい、と発想を広げて覚えておいた方が理解がしやすいです。

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