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英語の“奥深さ”を再認識した3つの表現を「リメンバーミー」から取り上げてみました。
今回取り上げたのは、映画「リメンバー・ミー」の一場面で、ヘクターとミゲルが、ミゲルの曾々祖父であるデラクルスのパーティー会場に向かう中で、2人の間で交わされた会話です。
ヘクター: Chamaco, you can't run off on me like that. Stop pestering the celebrities.
( 勝手にうろつくな。セレブの迷惑だ)
ミゲル: You said my great-great-grandpa
would be here! He's halfway across town
throwing some big party. (彼はここじゃない。町の向こうでパーティーを)
ヘクター: That bum. Who doesn't show up
to his own rehearsal? (ぐうたらめ。リハしろって)
セリフの中の3つの太字の表現についてみていきたいと思います。
① run off on ...
run off は「走り去る、逃げる」ですが、「突然」「衝動的に」走り出すというニュアンスがあります。
これは off が「分離」を表すことと関連しているからです。例えば、A button came off.は「ボタンがとれた」という意味で、急にボタンがポロッととれるイメージが湧くように、run off も急に走り出してどこかに行ってしまうのです。
また run off on me の “on me” はわかりにくいですね。でも on が「接触」しているイメージを持っていることを知っていれば、run off したことが「私に接触している」、つまり「私に影響を与えている」と理解できます。
すなわち、run off だけだと単に「急に走り出す」だけですが、run off on me となると、その走り出したことが私に何らかの影響を与える、という意味合いを帯びてくるわけです。
このヘクターが言った “you can't run off on me like that.” は、ミゲルが突然(走り出して)いなくなったことが自分の迷惑になっている、と言いたいわけですね。
off も on も簡単なのに、何故か難しい...
② Stop prstering the celebrities. の pester はあまり聞かない言葉かもしれませんが、irritateと同義語で「悩ませる」という意味です。
irritate と pester の違いは pester は「繰り返し」相手をイライラさせる(悩ませる)時に用いられます。irritate もイライラさせるのですが、繰り返しかどうかは含まれていません。
ですから、Stop pestering me! は、「もうやめて。しつこいわね!」という感じで覚えておけばいいと思います。しつこい行動は嫌われるので pester を相手に使わせないようにしなければいけませんね。
③ halfway はその名のとおり「中間の」です。halfway across (around) the world は「世界を横切って中間(半分)のところ」という直訳から、一周の半分、すなわち「地球の裏側」という意味になります。
この地球の裏側という言葉を聞いて浮かぶイメージは、「とても遠いところ」というイメージではないでしょうか。
このイメージが実は大切で、halfway across ... には「今自分がいるところからかなり遠いところ」という意味が含まれています。
ですから、セリフの He's halfway across town throwing some big party. は、「彼(デラクレス)は、ミゲルが今いるところからかなり遠いところ( 町 )でパーティーにうつつを抜かしている」となり、「一体何をしてるの?」という気持ちが含まれているのです。
ですから、そのミゲルの言葉に対してヘクターも “That bum.” ( ぐうたらめ ) とデラクレスを非難してるのです。リハーサルしなければいけないのに、どこでうつつを抜かしてるんだ、との怒りですね。
もちろん halfway のみでそんなネガティブなな意味があるわけではないのですが、文脈によっては「そんな遠いところで...」となるわけです。
run off on... 、pester、halfway について見てきましたが、英語って奥深いなあと感じてしまいました。でもそこが英語学習の面白いところです。
I hope my article helps you with your English studies.