見出し画像

ディズニー映画「インサイドヘッド」のワンシーンから使える表現をいくつか掘り下げてみました。【パート51】

ビビリ: Oh, I’m so jumpy. My nerves are shot. 「緊張してガチガチ」

「インサイドヘッド」

I’m so jumpy.
jumpy は「緊張する」です。 「緊張する」は nervous が一般的ですが、この jumpy も同義語として使えます。でも使われ方に少し違いがあります。

nervous は「不安や心配で落ち着かない」状態ですが、jumpy は jump (飛び上がる)から、「突然の音や動きに敏感で反応しやすい」状態を表します。「ビクビクした」がピッタリですね。

先日テレビでドッキリの番組を見てる時に、ちょっとした物音でも飛び上がってビックリしていた芸能人がいたのですが、まさしく He is jumpy. や How jumpy he is! と言えます。


ムカムカ: The smell alone is enough to make her gag.「悪臭もひどい」

「インサイドヘッド」

ムカムカがライリーの新居の悪口を言っています。

「吐く」に関連する語彙はこの gagvomit がありますが、gag は「吐き気を催す」で、vomit は「(実際に)吐く」という違いがあります。

ですから、gag = feel like vomiting (吐きたいような感じがする)と表せます。

ムカムカの言った “The smell alone is enough to make her gag.”は「臭いだけで彼女に吐き気を催させるだけ十分な状況である」が直訳です。

言いたいのは「臭っただけで彼女は吐き気を催す」ということです。

ちなみに gag は joke と同じように人を笑わす「ギャグ」という意味もありますが、バナナを床に置いてわざと滑ったりする「アクション」を伴ったり、モノを使って笑わせるのがgag です。

それに対して、話の中でオチを言って笑わしたリする「言葉」で笑わすのが joke です。

“The comedian’s gag with the fake spider had everyone laughing.”「偽のクモを使ったコメディアンのギャグは、みんなを笑わせた」

でも一つ疑問があります。それは、gag が意味する「吐く」と「ギャグ(ジョーク)」にどんなつながりがあるのかということです。“吐くほど面白いギャグ” ー そんなわけないですね…。


ジョイ: Look, I get it. You guys have concerns. But we’ve been through worse! Tell you what, let’s make a list of all the things Riley should be happy about. 「心配はわかるけどもっと悪い時もあった。もっと喜ぶべき点をリストしてみよう」

「インサイドヘッド」

But we’ve been through worse! 「悪い時もあった」
直訳は「でも私たちはもっと悪いことを通り抜けてきた」ですが、この日本語でもその意味が通じると思います。

「でもこれまでもっと大変なこともあったじゃないの (だから今回の困難も乗り換えられるよ)」という意味で、

過去の大変さを例に、今直面している困難も乗り越えることができる

と相手を励ます表現です。

簡潔ですがとても個人的に気に入っている英語の一つです。


ジョイ: Oh, come on. It could be worse.「そんなのマシよ」

「インサイドヘッド」

It could be worse. 「(これから)もっと悪くなる可能性があるだろう」 ⇨ 「(今の困難は)それほどひどくないよ」で、もっと言えば、「状況は良くないけど最悪ではないので、もっと悪くなる前に改善できる」という前向きな意味の英語です。

すなわち、上の we’ve been through worse! と同じことを言っています

これも字幕の「そんなのマシよ」は口語表現でよく使われる素晴らしい日本語だと思います。


ジョイ: Now hold on! Look, we all have our off days.「待って。誰だってツイてない日はあるわ」

「インサイドヘッド」

ツキのないライリーをジョイがかばいます。

Look, we all have our off days.「誰だってツイてない日はあるわ」

この表現を見た時ちょっとややこしく感じました。というのは、off の位置が馴染めなかったからです。

off days なので、off は形容詞で days にかかります。そのまま訳すと「私たちは皆 off な日があるのよ」です。

off の意味がポイントですが、off には「(切り)離された」というイメージがあります。

ですから「普段とは切り離された日」、そこから「調子が悪い日」という意味になります。

最初に「ややこしい」と言いましたが、それは off の位置を変えて “have days off” とすると「休暇を取る」という意味になるからです。

多分こちらの方が馴染みがあるのではないでしょうか。off が形容詞で使われるのは、あまりお目にかからないので覚えておくと便利かもしれません。

いいなと思ったら応援しよう!