ディズニー映画「インサイドヘッド」のワンシーンから使える表現をいくつか掘り下げてみました。【パート50】
ここでは “crooked” について学びましょう。
crooked は「曲がった」と言う意味があり、 “a crooked spoon”「曲がったスプーン」のように使います。
カナシミのセリフの字幕はかなりの意訳なので、そのまま訳すと、「一つ(ボールが) 歪んでるように見えた。だから開けると落ちちゃったんだ」です。
一つ注意しなければいけないのは、スプーンのようなものが曲がっている場合だけでなく、「何かが斜めになっている」時でも使えます。
The picture on the wall was crooked, so I fixed ( straightened ) it.「壁の絵が斜めになっていたので、直した(真っ直ぐにした)」
先日、家の壁に絵を取り付けて、少し離れたところから見たら少し”斜めに“なっていたので直しました。
そんな時に使える英語ですが、「斜めになる」というのは案外英語にサッと直しにくいと思ったので取り上げてみました。
なお、crooked をもう少し容易な表現で書くと、The picture on the wall was not level, so I fixed ( straightened) it. と not level が使えます。
level は「水平な」です。野球のバットを地面と平行にスイングするのを“レベルスイング”というのでわかりやすいのではないでしょうか。(野球に興味ある方だけですが… )
いつも人を悲しませるカナシミをジョイが励ましているシーンです。
There’s always a way to turn things around,
字幕ではこの英語は訳されていませんが、「物事を好転させる方法は必ずある」という意味のフレーズです。
ポイントは turn things around です。turn … around は「…を(180度くるりと)回転させる」なので「事態(状況)を回転させる」が直訳です。
180度回転させるので、「悪い状況が良い状況に変わる」すなわち、「事態が好転する」という意味で用いられます。
悪いことがあって落ち込んでいる人などを励ますのに使えます。
でもこの英語に一つ疑問が生まれました。それは、things は善悪関係のない「事態」なので、どうして「悪い状況が良い状況に変わる」だけなのかということです。
「良い事態が悪い事態に変わる」でも良いのではという疑問です。もちろんこの表現は決まり文句なのでそういうもの、と言ってしまえばそうなのですが。
またその部分も深掘りしたいですね。(ちなみに「事態を悪化させる」は make things worse です)
カナシミが雨を超悲観的に捉えている場面です。
More like when the rain runs down our back and makes our shoes soggy.
ここで取り上げたいのは “soggy” です。意味は「ずぶぬれの」、「びしょぬれの」で、とても濡れている状態を指します。
セリフの makes our shoes soggy は「靴をびしょぬれにさせる」ですが、字幕の「ズブズブ」もいいですね。
靴の中まで水が入ってくるほど濡れている雰囲気が伝わってきます。
「濡れた」 = wet ですが、wet shoes だと濡れてはいますが、ずぶぬれではないのでこのセリフの soggy をwet に置き換えると不自然になってしまいます。
「ずぶぬれ」と言えば“雨”を思い浮かべますが、この soggy は食べ物にも使うことが出来ます。
I like fries, but I hate soggy ones.「フライドポテトは好きだけど、ベチャベチャのものは嫌いだ」
「ベチャベチャ」というのは、水分を多く含んでしまって「ふやけてしまっている」フライドポテトのことです。soggy fries って本当にまずいですよね。
soggy cereal は、ミルクにつけた状態で放っておいた「ふやけたコーンフレーク」のことです。
他にも、soggyを noodle、soggy bread, soggy pizza などいろいろあります。
水分を多く含んでベタッ(ベチャ)としているものは soggy で表せます。
基本、soggy food は美味しくないですが、ぬれ煎餅( soggy senbei or soggy rice cracker ) は例外しょうか。私は大好きです…。
でも以前、アメリカ人の方が濡れ煎餅食べて「少し気持ち悪い」と言ってたのを思い出しますが…。