【第85回】ディズニー映画「ベイマックス」の色々なシーンから使える英語表現をいくつか掘り下げてみました。
I appreciate the offer, Mr. Krei, but... 字幕には書かれていませんが、意味は「クレイさん、お申し出には感謝しますが、… 」です。
何かを断ったりするときのクッションとして、便利で使える表現です。
I appreciate ... は感謝する時の表現ですが、Thank you for ... や Thanks for ... よりも強くて深い感謝を込めた言い方です。
ですから、友人同士なら Thank you for... でいいですが、知らない人や目上の人には I appreciate ... を使った方が適切な場合もあります。
心配してもらったことに対して感謝を表す時、
I appreciate your concern.「ご心配いただきありがとうございます」
も使える英語ですね。
カスタマーサービスなどで、なかなか電話が繋がらなくて、やっと繋がった時にオペレーターが、
I appreciate your patience. 「お待たせして申し訳ありません」
この英語の直訳は「あなたの我慢(patience) に感謝します」で、日本語では違和感ありありですね。
なぜなら、日本では我慢してもらったら“必ず謝る” からです。もし、お客さんに「待っていただいてありがとうございます」って言ったら、「えっ、なにそれ!?」ってなるのではないでしょうか。言うなら「お待たせして申し訳ありません」ですね。
英語でも I’m sorry to have kept you waiting. や Sorry for the wait. といった表現もありますが、Thank you for waiting. や、この I appreciate your patience. という日本人にとっては少し違和感を感じる英語も普通に使われています。
こういった言い回しにも文化の違いが感じ取れて面白いですね。でも海外の方と話し慣れてくると頭の中の考え方がスムーズにチェンジされて、Thank you for eaiting. などの表現もっスッと出るようになってくるので不思議です。
英語を話す場数を増やすことの大切さを感じます。特に日本で英語を話す場合には。
ヒロと2人きりで話がしたい兄のタダシが、キャシーおばさんと別れる時にかけた言葉です。
We’ll catch up.
一旦別れる時に使うフレーズで、「また後で話そう」です。
会話を急いで終わらせる必要がある時に使われ、後で詳しく話す機会を持つことを約束しながら、丁寧に別れを告げる英語表現です。
急いでいる時や、後でゆっくり話したい時によく使われるカジュアルな口語表現です。
でも、この catch up の説明としてよく目にするのが、「久しぶりに会った時に使うフレーズである」という説明です。
確かにそうだと思うのですが、この洋画のシーンでは、キャシーおばさんはタダシの育ての親であり毎日会っています。このシーンでも2人がしばらく会わなかったということはありません。
ですから、久しぶりでない時でも使えるというのがわかります。この辺りも今後もっと調べていきたいですね。
一旦別れる時のフレーズとして一般的なのは、 “See you ( later).” ですが、これはあいさつ程度で使われ、後でゆっくり話したいといったニュアンスはあまりありません。
catch up の catch は「捕まえる」なので、「後で話そう」というより強いイメージが出てくるのは、推測できるのではないでしょうか。
私も See you later. を使いまくってるので、状況によっては We’ll catch up. も使っていきたいですね。
Your fly was down.
「ズボンの前のチャックが開いてた」という意味です。
fly は名詞で「(ズボンの)チャック」という意味がり、それが down なのでわかりやすいです。
別の表現で “XYZ” というのがあります。Examine Your Zipper のそれぞれの語の頭文字をとった表現です。
この2つの表現は、結果は同じことを言おうとしてますが、XYZは略して簡潔になっていることから、こっそりと相手に気遣いを見せる時に使い、 Your fly was ( is ) down. は相手にストレートに(あっけらかんと) 言う時によく使います。
crack … up「…を大爆笑させる」
インフォーマルな場で使われる表現です。make … laugh a lot と書き換えることができますが、英英辞典のMerriam-Webster には crack … up が次のように定義されてました。
「突然、そして止められないほど笑い出す、または誰かをそうさせること」です。
laugh よりカジュアルな表現で、日常会話でもよく耳にします。よく耳にするといえば「超ウケる」「超オモロイ」です。この crack … up はこの「超ウケる」「超オモロイ」と訳せるかもしれません。
この「超ウケる」も日本語のスラングなのでしょうか。私はこの洋画で学習する記事を書き始めてから“日本語のスラング(俗語)”にも興味が湧いてきました。
これまで英語の口語表現やスラングといったものには興味を持って学習してきましたが、母語である日本語に関してはほとんど意識したことがなかったからです。
でも、特に日本語字幕に数多く含まれる絶妙な表現や語彙の選択に接してから、なおさら日本語の口語表現やスラングに対する意識が高まりました。
でもいまだに日本語のスラングってなんだろう…という疑問がありますが…。