ディズニー映画「インサイドヘッド」のワンシーンから使える表現をいくつか掘り下げてみました。【パート54】
getting called on by the teacher. 「先生の質問だ」
学校で起こりうる最悪のことをビビリがあげるシーンです。
get called on …「(授業などで)あてられる」という表現です。
「私は昨日授業中に先生に当てられた」って案外英語がサッと出てこないのではないかと思います。「当てられる??」ですね。
I got called on by the teacher during class.
でOKです。(ちなみに get は was でもいいですが、get は動作を表します。受け身ですね)
でもなぜ get called に on がつくと「当てられる」と言う意味になるのでしょうか?
私の考えですが、get called だけだと「(名前が)呼ばれる」ですが、接触の on がそこにつくと、生徒の名前が呼ばれて( = get called ) しばらくやり取りをする( = on ) からだと思います。
生徒が当てられて、しばらくは先生とその生徒は「接触状態」にあるので get called on ... ではないでしょうか。
「あてられる」というのは「質問された」なので、 “The teacher asked me some questions.” ( もしくは I was asked some questions by the teacher. ) でもいいです。私もこの表現をよく使ってました。
でも get called on … 「当てられる」という表現もどんどん使っていこうと思います。
ライリーが自己紹介を始めますが、カナシミが “ボール” にタッチしてしまい、急にライリーに悲しみの表情が現れるシーンです。
カナシミはその名の通り、ライリーを悲しませるのがその役割なのです。ですから、ライリーを喜ばせようとするジョイとは性格が全く合いません。
They’re judging us!「悪口を言ってる」
直訳は「彼女たち(ライリーの級友)が私たちを判断している」です。
この “judge” に良い悪いの判断は本来含まれておらず、どちらかわからないのに字幕はなぜ「悪口を言ってる」と決めつけているのでしょうか。
それは、judge そのものにネガティブな(否定的な)意味合いが含まれているからです。
対話型AI の Copilot で調べると
と「批判的または否定的に(意見を形作る)」とありました。
この judge は思っている以上に、実にさまざまな場面で使える語です。
例えば、次のように相手の意見を尊重する時に、
A: I decided not to go there.「そこには行かないよ」
B: OK. I won’t judge.「そう。いいんじゃない」
と言えます。
「私は ( あなたの言葉の良し悪しを ) 判断しない」という意味合にで使えます。”won’t” は “will not” の省略形で、「いいんじゃない」という日本語は、口語表現でよく使いますよね。
話し合いをするときのルールとして「互いの意見を批判しないこと」を加えたいなら、
You shouldn’t judge in this discussion.
と judge を使えば簡単に言えます。そして、
“No judgement.”
と書いた紙をテーブルに貼っておけば意味が伝わります。訳しにくいですが、あえて言えば、「批判し合わないように」です。
また、次の英語はどんな意味になるか想像できますか?
You’ve been judging me like this. I’m a little shocked.
これは、「私をそんなふうに見てたんだね。ちょっとショック…」You’ve been thinking about me like this. でも通じると思いますが、judge も使えます。
ムッとして、”You judge me?” と言えば「私のこと判断してるの?」⇨「勝手に決めつないでね!」と不快感を表せます。「決めつける」の発想を変えて、judge 一語で言えるのは面白いです。
また、”Judging doesn’t help.” と言えば「決めつけは何の役にも立たないよ」と相手を戒める表現です。
judge ー 変幻自在で、ホントに使える単語ですね!
“get out … and turn to 〜”「… を取り出して〜を開く」です。
ポイントは “get out” です。これは「外に出す」なので、机やカバンの中から本を取り出す行為です。
そして turn は turn a pageで「ページをめくる」と言う意味になり、そこに“到達”の to がつくと、「ページをめくって…を開ける」になります。
これを取り上げたのは、日本の英語の授業では “Open the textbook …” という表現を先生はよく使っていたのではと思ったからです。これは、「机の上にすでにある教科書を開ける」ときに指示する表現です。
ですから、もし教科書を机に出していない生徒がいたら “Get out the textbook …” になります。
ちょっとしたことですが、こういった違いが本当に面白いですね。
get out は、 “Get out!”「出ていって!」がよく聞くので「…を取り出す」という意味でサッと使うのは難しい表現ではないでしょうか。でもこの表現を知っていれば、
Get out the pen / the notebook / the car key.
など取り出して欲しいものに何でも使えます。
もう一つ。”Open the textbook to page 15.” 「教科書の15ページを開いて」というのもクラスルームイングリッシュの一つですが、これは、”Open the textbook and turn to page 15.” とも言えます。(映画のセリフに turn to … が使われていたので取り上げたまでです)