【第107回】ディズニー映画「カールじいさんの空飛ぶ家」のシーンから使える英語表現をいくつか掘り下げてみました。
カールじいさんが拡張機を使って、この作業員のボスらしき男性に罵声を浴びせるシーンです。
① I am not with him!
この表現は、「自分は彼と同じじゃない」すなわち「彼と一緒にしてもらっては困る」と言いたい時に使えます。
面白い表現ですね。なぜなら、「あんたと一緒にせんといてね」はよく聞くインフォーマルな日本語ではないでしょうか。I’m not with you. です。
この作業員は「私は彼とは関係ないですから(私が言わしたのではないです)」と必死で弁明しているのが、この I am not with him! です。
字幕の「彼が言ったんです」も“自分は関係ない”と主張していてユニークですね。
I am not with you! How annoying! 「あんたと一緒にせんといてね!ムカつく!」
② He's out to get your house!
ここでのポイントは “be out to …“です。意味は「必死で…しようとする」で、別の表現で言うと desperately try to …です。
ですから He's out to get your house! は「彼は何がなんでもあなたの家を得ようとしている」で、「 家を必死になってに狙っている」でもいいと思います。
She’s out to make a name for herself.「彼女は自分の名前を売ろうと必死だよ」
They are out to get revenge.「彼らは復讐に燃えている」
この be out to … はいろいろな場面で使えますが、自己中心的でネガティブな意味合いで使われる傾向があります。
これは文脈が必要なので、簡潔に述べておきます。少年ラッセルが、カールの家を訪れて自己紹介をし、要件を言いますがカールに断られてしまいます。でも再び訪問したラッセルは最初と同じ自己紹介から始めたのです。
それを聞いたカールが言ったのが、Skip to the end. です。
直訳は「最後まで (to the end) とばして(skip)」で、直訳でも何となくわかりますが、もっとわかりやすく言うと「( 途中全部飛ばして) 結論を言って」です。
たまに長々としたお話を聞いてると「結論だけ言って欲しい」と思うことがあると思います。それが Skip to the end. です。
あまり馴染みのない表現ではないでしょうか。これに似た表現に Get to the point. と言うのがあります。これは「要点を述べて」です。
Skip to the end. が「結論」に焦点を当てているのに対して、get to the point. は「要点をまとめる」ことに焦点を当てています。
たぶんこの Get to the point. の方は耳にしたことがあるのでないでしょうか。でも、今回の Skip to the end. も使える表現なので、状況によってはこちらを使っていきたいですね。
I'm elderly and infirm.
“infirm” は「体が弱い」という意味です。in (打消し) + firm (丈夫な) = 丈夫でない → 体が弱い、と考えていってください。
ですから、このセリフの意味は「私は年寄りで体が弱い。( だからシギを捕まえられない )」です。
この日本語でも意味は通じますが、字幕を見た時は「確かにコレコレ!」と唸ってしまいました。
4文字のカタカナですがなんだと思いますか。
I am elderly and infirm. 「私は〇〇〇〇だ」
答えは「ヨボヨボ」です。確かにこの擬態語(?) は、「年寄りで体が弱い」ということをズバリ表しています。
でもどうして「ヨボヨボ」というのでしょうか?日本語もじっくりと考えると分からないことだらけです… でも感覚的に意味を把握できる「擬態語(?) バンザイ!」ですね!
① it's awfully crafty.
crafty は「ずる賢い」という意味の語彙です。It はザキという鳥のことで、“その鳥がとてもずる賢い” という意味になります。
この語は craft「技術」からきています。語尾が y で終わると「…の状態」を表すので、crafty は「技術のある」で skillful と同義語です。
「技術のある」というのはニュートラルですが、crafty に関しては、“悪賢く技術を使う” ことに焦点を当てているのでしょう。
「ずる賢い」は、cunning や sly もありますが、この crafty も同義語として使っていきたいですね。
② I think its burrow is two blocks down...「巣は2ブロック先だ」
字幕にもある通り burrow は「巣」ですが、nest の方が一般的だと思います。
「巣」のような具体的な意味の名詞は、私はできるだけ画像でまず調べるように心がけています。
nest と burrow を ChatGPT を使って画像を生成しました。
次の画像は “nest” ですが、思っていた通りの「巣」ですね。
次に “burrow” の画像です。
nest はよく見る枝や葉っぱなどでできた巣で、burrow は地面に掘られている穴が巣になっているのがわかります。burrow は「巣穴」ですね。
AI による画像生成もいいですが、一度に沢山の画像を確認するには Google 検索ですね。上の画像以外も Google で調べましたが、ほぼ同じような画像でした。
調べられる語句は、できるだけ画像検索をすることをおすすめします。英語と動画を合わせて覚えると英語の定着率は上がりますが、英語と画像でも同じことが言えます。