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「…に値する」を意味する “deserve” が使いにくい理由とアニメ版「美女と野獣」で “deserve” が使われていたシーンを取り上げて説明しました。

deserve には「…の価値がある」「…にふさわしい」の意味がありますが、文の中で使われると、いまいちピンとこないものも多いのではないかと思い、この deserve を深掘りして見ました。

He deserves the prize.「彼はその賞(を受賞するの)に値する」

は分かりやすいですが、次の文はどうでしょうか。

You didn’t study hard so you failed in the exam.  You deserve it. 「君は一生懸命勉強しなかったから試験に落ちた。〇〇〇〇だよ。」

「君はそれに値する」ー 〇〇〇〇には四字熟語が入ります。

答えは、「自業自得」です。

deserves it の it は「試験に落ちたこと」を指し、「君は試験に落ちたことに値する」ー 自業自得という意味が出てきます。

「自業自得」は他に You asked for it. という言い方もあります。ask for ...「…を求める」なので「あなた(自身)がそれ(悪い結果)を求めた」が直訳で、そこから「自業自得」の意味が出てきます。

でも自業自得の You deserve it ってちょっと違和感があるのではないでしょうか。なぜなら、「〜に値する」「〜にふさわしい」というのは日本語ではプラスの意味を表すことが多いからです。

「彼は試験の不合格にふさわしい」とはあまりいいませんよね。

ですから deserve は良い意味でも悪い意味でも使えるということを覚えておく必要があります。

この deserve がアニメ版「美女と野獣」で使われているシーンが2箇所ありましたので紹介します。

一つ目は、町一番のハンサム男のガストンが主人公の女性ベルにプロポーズを決意するシーンです。

ガストン: She’s the one! The lucky girl I’m going to marry. (オレはあの娘にプロポーズする)

ル・フウ: But she’s--

ガストン: The most beautiful girl in town. (町一番の美人だ)

ル・フウ: I know--

ガストン: And that makes her the best. And don’t I deserve the best? (オレでは彼女に不足なのか?)

アニメ版「美女と野獣」

And don’t I deserve the best?” ー 直訳は「オレはその最高の女性に値しないのか?」で、そこから

「オレがあの可愛い子にふさわしくないとでもいうのか?」

との意味になります。字幕の「〇〇に不足」も良いですね。


二つ目のシーンは、ガストンがベルに“結婚を迫る”シーンです。

ガストン: Say you'll marry me. (なんて言ったら結婚すると)

ベル: I'm very sorry, Gaston, but I just don't deserve you. (ごめんなさい。でも…とても無理よ)

Gaston: Whoa!

アニメ版「美女と野獣」

ガストンの “Say you’ll marry me.”「オレと結婚すると言ってくれ」の発言は思い上がりもいいところです。ガストンは何でも手に入ると思い上がってるのです。

I just don't deserve you. ー 「私はあなたにふさわしくないだけよ」が

とても無理よ

と字幕で表されているのは素晴らしいですね。

でも、I just don't deserve you. は自分のことをへりくだっているので、相手をふる時の言い訳としても使えます。

今回は、deserve に絞って説明しましたが、案外よく使われる語なのでぜひ頭の中に入れておいて下さい。

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