写仏部作品No.20 新薬師寺『薬師如来坐像』
最近誰も写仏していない、note写仏部です。
久しぶりの、新薬師寺の薬師如来坐像。
写仏したのには理由がありました。
恩師が病気になり、手術をすることになったのです。
恩師は日本石仏協会の1人で、ときどき私にも石仏の写真を送ってくれます。
私は写真は撮れないので、絵を描くことにしました。
新薬師寺のご本尊、薬師如来坐像です。
なんという威厳。
お顔もお身体もパンパンで、目も大きい。
ちょっと日本人離れしたご容貌です。
この鼻筋。
お顔もお身体もぱんぱんと言えば、先月までトーハクで開催されていた特別展の主役、神護寺の薬師如来像を連想した方も多いのではないでしょうか。
どちらも同じく平安初期の作品で、密教の影響をうけて、異形の仏像が多く作られた頃です。
恩師に写仏をお送りすると、お世辞だとしても喜んでくれ「新薬師寺の十二神将が大好きです」とおっしゃいました。
日本最古の十二神将として、あまりにも有名。
天平時代に作られました。
ご本尊の薬師如来坐像は平安時代ですが、それより早い作で、廃寺となった岩淵寺に安置されていたと、「新薬師寺縁起」に書いてあります。
日本仏像史黎明期のせいか、動きがそれほど激しくないですね。ウルトラマンにもできそうなポーズ(←すみません、内輪の話です)
こちらの十二神将、ちょっと柔らかい感じがしませんか?
塑像、つまり粘土でできています。
手でこねこねしているので、カービングしたものより、やさしい感じがします。
ふわっとした袖や、赤ちゃんのようなまるっこい指が、粘土らしいでしょ?
こちらは奈良博にいらっしゃる伐折羅、木造です。
やっぱり袖はふわっとしているし、手もまるっこい。
仏像を見分けるのって、難しいなあ。
木目があるからわかるけど。
新薬師寺の十二神将の中で、一番人気は伐折羅大将でしょうか、よくパンフレットなどの表紙を飾ります。
歌舞伎の隈取りにも影響を与えたといわれる怒髪天をつく表情です。
さらに目をアップにすると。
ガラスの吹き玉が入っているのがわかると思います。
慶派が用いた玉眼は裏側から入れるので、作り方が違います。
普通切手にもなりました。
2012年〜2015年販売。
もともとはこんな彩色だったらしいです。
十二躯がこの彩色だったとすると、本堂はかなりきらびやかに荘厳されていたのですね。
薬師如来坐像の話をするはずが、
十二神将の話になっちゃった、って話?
最後までお読み頂きありがとうございました。
<参考資料>