民族学校から日本の学校への転校の計画は、誰にも言わなかった。 なぜなら、学校の先生にバレたら確実に阻まれるから。 日本学校に転校する事は、朝鮮を棄てる事に等しい。つまり、非国民扱いにされる。そこに、生徒の意思を尊重するという文化は存在せず、ただ弾圧である。転校の意思がバレたら、特別室に呼び出されて、ビンタされげんこつされる事がわかっている。強く阻まれて、弾圧に屈したら、医者になれない。だから、決してバレないようにした。 同じ時期に、サッカー部を退部した。転校の準備をしなけれ
いくら厳しく偏った民族教育を受けていても、中学生にもなると「どうも変だ。」という事に気付く。 私は小学6年生の時に薄々とその変なところに気付き始めた。 「金日成元帥の幼少期」の教科書には、挿絵ばかりで写真が少ない。 なんだか過剰に美化され過ぎていて、小学6年生でも胡散臭さを感じる。 そのうち、「教科書に書かれている事は嘘じゃないか?」と思い始める。 「嘘でしょ、こんな事!」なんて先生に言ったら、皆の前でビンタされた。 小学生にとっては、自宅と学校が全てだから、民族学校に通う
日本に住んでいる日本人が、祖国というものを意識する事はあるのだろうか? 祖国について特別な意識しなくても暮らせている事は、平和である証なのかも知れない。 私は在日韓国人3世。祖父母の出身は韓国の慶尚南道。 私の戸籍も大韓民国である。 中学校までは総連系の民族学校に通っていた。 総連系は北(朝鮮民主主義人民共和国)系、民団系は南(大韓民国)系である。 韓国人なのになぜ総連系の学校に通っていたのかというと、私が幼い頃は民族教育(言葉、文化)を受けられる学校は総連系が多かったか