飲食店のメニュー価格設定のコツ:利益を最大化するための戦略

こんにちは!滋賀の情報誌「poplead」編集部のワダです。滋賀の飲食店関係の皆様へ向けて情報を発信するためにnote を更新しています。

飲食店のメニュー価格設定のコツ:利益を最大化するための戦略

飲食店の運営において、メニューの価格設定は利益に大きな影響を与えます。適切な価格設定を行うことで、コストを抑えつつ売上を最大化し、持続的な利益を生み出すことが可能です。しかし、価格設定は単にコストに利益を上乗せするだけではなく、顧客の価値観や心理も考慮しながら行う必要があります。今回は、利益を最大化するためのメニュー価格設定のコツについて詳しく解説します。


1. 原価を把握して適切な価格を決める

食材原価を正確に計算する

価格設定の第一歩は、各メニューにかかる食材原価を正確に把握することです。食材の価格は変動するため、仕入れのたびに原価率を確認し、メニューごとの食材コストを算出します。一般的には、飲食店の理想的な食材原価率は売上の25~35%が目安とされていますが、店舗の方針や地域によって異なる場合もあります。

各メニューの食材原価が把握できれば、コストに基づいた基本的な価格設定ができます。原価率が高すぎると利益が出にくくなるため、原価率を抑えた価格設定を心がけましょう。

人件費や間接費も考慮する


価格設定では、食材原価だけでなく、人件費や光熱費、家賃などの間接費も考慮することが重要です。特に、手間がかかるメニューや、調理に多くの時間がかかるメニューは、スタッフの稼働時間や労力がコストに影響するため、価格を高めに設定する必要があります。

また、飲食店の運営には固定費が大きく関わってきます。売上の中でこれらのコストもカバーできるように、原価に加えて人件費やその他の経費を加味した価格設定を行うことが大切です。


2. 価格帯のバランスを取る

利益率の高いメニューを導入する

飲食店では、すべてのメニューを均等な利益率で設定する必要はありません。利益率が高いメニューと、そうでないメニューを組み合わせることで、全体として収益を高めることが可能です。たとえば、食材原価が低く、手間のかからないメニューは、利益率を高めに設定することで店舗全体の収益性を上げることができます。

一般的に、お酒やデザートなどは利益率が高いため、メニューに組み込んで販売促進するのも一つの戦略です。こうした利益率の高い商品をうまく取り入れることで、顧客単価を上げることができます。

プライシングゾーンの設定

メニュー全体の価格帯を考え、プライシングゾーン(価格帯の範囲)を設定することも大切です。すべてのメニューが高価格帯に集中していると、顧客に「この店は高い」と感じさせてしまい、来店頻度が減ってしまうことがあります。一方で、安価なメニューばかりだと利益が出にくくなります。

適切なプライシングゾーンを設定し、手頃な価格のメニューと高価格帯のメニューをバランスよく組み合わせることで、さまざまな予算の顧客層に対応し、利益を確保しやすくなります。


3. 心理学を活用した価格設定

端数価格(99や95)を活用する

価格設定において、顧客心理を意識することも重要です。たとえば、999円や1,980円といった「端数価格」を設定することで、お客様に「安く感じさせる」効果を持たせることができます。1,000円ではなく999円にすることで、お客様は無意識のうちに安く感じる傾向があります。

また、カジュアルな雰囲気の店舗や若い顧客層が多い店舗では、端数価格が特に効果的です。端数価格をうまく活用することで、少しでも安い印象を与え、来店や注文を促すことができます。

お得感を出すセットメニューの価格設定

セットメニューは、単品の合計価格よりも若干安くすることで、お得感を感じさせる効果があります。例えば、メインディッシュにドリンクやサイドメニューを組み合わせたセットメニューを提供し、単品で頼むよりも少し安い価格で提供することで、顧客に「お得感」を感じてもらえます。

セットメニューの価格設定は、顧客単価の向上にも効果的です。顧客が自発的にセットメニューを選ぶことで、客単価を上げることができます。また、セットメニューが充実していると、迷わずに注文できるため、顧客満足度の向上にも繋がります。


4. メニューの見せ方で価値を高める

人気メニューを目立たせる

メニュー表では、売りたいメニューや利益率が高いメニューを目立たせる工夫をしましょう。たとえば、メニューの一番上や中央に配置する、写真を大きく使う、アイコンやおすすめマークを付けるなど、視覚的にアピールすることで、お客様の注文を誘導できます。

また、「シェフのおすすめ」や「当店人気No.1」などの文言を添えることで、顧客に対して「頼んでみたい」と思わせる効果があります。目立つ場所に配置されたメニューは、無意識に目に留まりやすく、自然と注文される確率が高まります。

高価格メニューを入れてアンカリング効果を利用する

アンカリング効果とは、最初に見た価格が基準となり、その後の価格が安く感じられる心理現象です。メニューに高価格帯の商品を入れておくことで、その次に見る商品が安く感じられるため、顧客が中価格帯の商品を選びやすくなります。

たとえば、メニューの最初に高価格なコースやステーキを掲載することで、それ以外のメニューが手頃に感じられるようになります。これにより、顧客が中価格帯の商品を選ぶよう誘導し、客単価の向上を目指します。


5. 季節メニューや限定メニューで価値を付加する

季節感を取り入れたメニューで顧客に新鮮さを提供

季節限定メニューを取り入れることで、来店のたびに新しい体験を提供し、リピートを促すことができます。季節の食材を使用した限定メニューは、仕入れ価格を抑えやすく、さらに顧客にとって「今しか味わえない」特別感を感じてもらえます。

季節限定メニューは価格設定を高めに設定しても抵抗感が少ないため、利益率を上げやすいです。また、限定感を強調することで、顧客に注文してもらいやすくなります。

数量限定で希少価値を高める

数量限定のメニューを設定することで、希少性を打ち出し、顧客に特別感を感じさせることができます。例えば、「本日のおすすめ」「数量限定プレート」など、限られた数だけ提供することで、お客様に「早めに注文しないと売り切れてしまう」という心理を働かせ、注文を促進します。

数量限定メニューは、希少価値を付加することで高価格でも販売しやすく、売上アップに貢献します。特に、少人数のスタッフで効率的に提供できるメニューを数量限定にすることで、効率よく利益を上げることが可能です。


6. 価格設定を定期的に見直す

原価の変動に合わせた価格調整

食材の価格は、季節や仕入れ先の都合により変動することが多いため、価格設定は一度決めたら終わりではなく、定期的に見直すことが大切です。特に、食材コストが上昇している場合、価格を据え置いたままでは利益率が下がり、店舗経営に負担がかかります。

定期的に原価をチェックし、必要に応じて価格を調整することで、安定した利益を確保しましょう。

顧客の反応を見ながら価格を最適化

価格設定が適切かどうかは、顧客の反応にも現れます。例えば、特定のメニューの売上が思ったよりも低い場合、価格が高すぎる可能性があります。逆に、あるメニューが非常に人気であれば、価格を少し引き上げても注文が減らないこともあります。

顧客の反応や売上データを参考に、メニュー価格を調整し、利益を最大化できるようにしましょう。小さな価格調整を繰り返すことで、最適な価格帯を見つけることが可能です。


まとめ

飲食店のメニュー価格設定は、利益を最大化するために非常に重要な要素です。食材原価や人件費、間接費を考慮しつつ、顧客心理を意識した価格設定やメニューの見せ方、限定メニューの導入など、さまざまな戦略を駆使して最適な価格を設定することで、店舗の収益を向上させることができます。

価格設定は一度決めたら終わりではなく、顧客の反応やコストの変動に合わせて見直すことが重要です。これからの飲食店経営において、戦略的な価格設定を実践し、利益を最大化させるための工夫を取り入れていきましょう。

ありがとうございました。

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