【人気ドラマ登場で話題】ロングセラー絵本『ルラルさんのにわ』
社会現象となったドラマ『silent』のチーム制作による、家族の物語を描く話題の月9「海のはじまり 特別編」が、先日(8月26日)放送されました。
劇中の読み聞かせシーンで登場したのは、いとうひろしさんのロングセラー絵本『ルラルさんのにわ』。
1990年の初版刊行以来、多くの読者に愛され続けています。
軽やかで楽しいけれど、読む前と読んだ後では、自分のなかで何かがちょっと変わっている。言葉では表せない何かを、心のなかにそっと置いてくれるような作品です。
まだこの絵本を読んだことのない人にも、その素晴らしさを知ってもらいたく、この機会にぜひご紹介させてください。
【『ルラルさんのにわ』のあらすじ】
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青フチのメガネをかけた主人公「ルラルさん」は、ちょっとへんくつで、小難しそうだけど、実はやさしいおじさんです。
広い庭のある一軒家にひとりで住んでいて、毎日庭の芝生のお手入れを欠かしません。
庭に誰か入ってこようものなら、得意のパチンコで追い払います。
ある日、ワニが芝生の上で寝そべっていました。
びっくりしたルラルさんに、ワニは手招きしてこう言いました。
「ここに ねそべってみなよ。きもちいいぜ。」
その様子を見たルラルさんは……。
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一見すると、こだわり派で、ちょっと気難しそうな雰囲気のあるおじさん、ルラルさん。
広くて大きなにわのなかにポツンと建つ一軒家に住んでいます。
けれども、ルラルさんは寂しくひとりで毎日を過ごしているわけではありません。
ルラルさんの大きなにわには、たくさんの動物たちが訪れます。
ゆかいな動物のなかまたちとルラルさんの間で交わされるやりとりは、日常的なようでいて、普段とはちょっと違う、ワクワクするようなものばかり。
芝生に寝っ転がると、こんなに気持ちいいなんて!
日々の暮らしのなかに、ゆかいで、楽しいことが散りばめられているんだということを、ルラルさんの絵本は教えてくれます。
ルラルさんご自慢のにわのように、心がのびのびと広がっていくような気持ち良さは、子どもにとっても、年を重ねた大人にとっても、同じ目線で分かち合うことができる感覚なのだと思います。
だからこそ、刊行から30年経った現在でも読み継がれる作品となっているのではないでしょうか。
【ルラルさんシリーズ全作紹介】
いとうひろしさんの描く「ルラルさん」は、これまでに全部で10冊の絵本が出ており、累計部数は20万部を超える大人気シリーズです。
ルラルさんの「バイオリン」「ごちそう」「じてんしゃ」などなど、どれも魅力的なタイトルばかり。
さあ、ルラルさんのにわに、おなじみの、ゆかいななかまたちがやってきましたよ! いったいどんな面白い出来事が待っているのでしょうか?
昨年刊行された記念すべき10作目『ルラルさんのたきび』によせて、作者のいとうさんからいただいたコメントと共に、シリーズ全作をご紹介します。
『ルラルさんのたきび』
ルラルさんが焚き火をはじめると、煙がもくもくでてきて、あたりは一面真っ白に……。
『ルラルさんのバイオリン』
ルラルさんは、ねこにせがまれて、バイオリンをひいてみました。すると……。
『ルラルさんのごちそう』
土曜日には、おいしいごちそうを作るルラルさん。だれかにごちそうしたくなって……。
『ルラルさんのじてんしゃ』
ルラルさんは、毎日自転車でおでかけします。ある日、ねずみに乗せてといわれて……。
『ルラルさんのほんだな』
ルラルさんが本を読んでいると、にわのみんなに読んでほしいとせがまれて……。
『ルラルさんのたんじょうび』
きょうは、ルラルさんのたんじょうび。なかまとケーキをわけますが、だいじなことをわすれていました!
『ルラルさんのぼうえんきょう』
ルラルさんがぼうえんきょうをのぞくと、こわい顔がのぞいています。その正体は……!?
『ルラルさんのだいくしごと』
ルラルさんは、とくいのだいくしごとをおえて、やねからおりようとしますが……。
★青少年読書感想文全国コンクール・小学校低学年の部 課題図書(2018)
『ルラルさんのつりざお』
なくなったおじいさんのたいせつなつりざおで、ルラルさんは、はじめてつりをすることに……。
★ご紹介した『ルラルさんのにわ』はこちら
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インタビューでは『ルラルさんのにわ』誕生の秘密にも触れられています。