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コロナ後は全員オフィス出社に戻すべき?アフターコロナの「職場復帰」における4つの誤解|世界の最新テレワークニュース
テレワークに関する日本であまり知られていない世界中の最新ニュースについて、その要点&考察をお届けする「世界の最新テレワークニュース」。今回は、THE ENTERPRISERS PROJECTというサイトのリリースである「アフターコロナの職場復帰における4つの誤解(=先入観)」という記事について、その要点と今すぐできる対策を解説します。(元記事は英文表記ですが、とても興味深い内容の記事です。ぜひご覧ください)
※今回の内容は以下の動画でもご覧頂けますので、ぜひご覧ください!
●アフターコロナのテレワークからのオフィス回帰を考える上で4つの誤解や先入観が持たれている
今回の記事はDeloitteという世界に約30万人の社員がいる会社のアメリカにおけるチームウエルビーイングオフィサー(=従業員の幸せを考える責任者)の方が書いたものです。
アフターコロナのテレワークからのオフィス回帰を考える上で、4つの誤解や先入観があるという趣旨になります。 順に内容を共有したいと思います。
●誤解1:誰もが同じように働く必要がある
まず誤解されている1点目は「誰もが同じように働く必要がある」というものです。
コロナ禍の前、全世界の企業の大半はオフィス出社が前提でした。そして全員が同じような勤務時間などの条件で働いていました。記事の筆者は、コロナ収束後は以前と同じ様なオフィスへ出社する形態に戻さなくてはいけないという誤解や先入観があると指摘します。その上で、多くの人がリモートワークを経験した今、職場に柔軟性を求めるという期待値はもう変わらないだろうと述べています。 要するにコロナ以前は、オフィスへの出社や同じ勤務時間での労働が当然のようになっていて、そこに柔軟性はそもそも無いと認識されていたと。皆がそういう期待値だったので問題になることはなかったものの、コロナによってオフィスへの出社を免除されたり、止められたりしたことによって、リモートワークを体験し柔軟性を体感してしまっているので、ワーカー側の期待値が変わってしまっていると。それにも関わらず、全員を同じように戻すというのは無理があると主張しています。
そして、そういった誤解に対する対応として、筆者は「チーム単位で権限を与えて自由度が高い、その代わり責任も伴うような働き方や在り方を検討すべきである」と述べています。私はこの意見に全く賛成です。
私も、いろいろな働き方の可能性がある中で、全員一律に同じ環境を求めるのは難しいと思います。例えば、「出社したい人」と「在宅勤務したい人」の両方がいる訳です。これまではその双方をグチャっと混ぜて同一化していた訳ですが、双方の可能性があるということが分かった今、もうそれを全部混ぜているような時代ではないのではないでしょうか。いわゆる「ハイブリッド」な、出社とリモートのどちらでも仕事が選べるような状況にしていくことが現実的で重要なのではないかと思います。
●誤解2:イノベーション起こすには、直接対面では話をしなければならない
昨日紹介した記事にもありましたが、「イノベーション起こすには、リモートではなく直接対面で話をしなければならない」というファクトは無いと、この記事でも書かれています。
イノベーションをしていく上では、人と人の繋がりは大事だが、それは必ずしも物理的な距離が重要ではないと。重要なのは距離や場所ではなく「信頼」「共感」「幸福」「心理的安全性」という4つの要素からなる「文化」である。この文化面をよく重視して見直すべきだということが書いてあります。私はこの意見に関しても全く賛成です。
確かに人と人の繋がりを作る上では、リモートは難しさがあります。しかし難しいだけであって、不可能ではありません。実際、私が経営していた会社もフルリモートでしたが、今でも当時の多くの社員メンバーととても良好な関係を持続しています。一緒に起業したり、コミュニケーションをとっている人も少なからずいます。これも、場所が重要なファクターではなく、社内文化やリモートコミュニケーションを大切にしてきたことに因ると思い、良好なチームコミュニケーションは対面でなければできないということは全く無いと考えています。
●誤解3:誰もがテクノロジーに疲れている
確かに昨今は「Zoom疲れ」という言葉も聞かれ、テクノロジー疲れの類を感じることもあるかも知れません。記事の筆者はこういった事に理解を示しつつ、「オフィス出社に回帰した後に、Zoomなどの便利なテクノロジーを使わないようにするのは違う」と主張しています。なぜなら、「仮にオフィス出社したとしても、対外的なミーティングや遠距離の打ち合わせはこういうツールが必要である」と。確かにそうですよね。 もうZoomなどの便利なツールがあると分かっているのに、無理に全員が集まったり、飛行機などで交通費をかけて集合する必要はありませんよね。
筆者は論点として、「テクノロジーをどう使っていくのか、どう付き合って有効活用していくのかを考えるべきであって、テクノロジーに疲れているからテクノロジー無しという選択をするのは、もはや難しい」と述べています。
●誤解4:従業員が辞めてしまう
こういった懸念は日本でも同様にあると思います。社内で「リモートワークを終了してオフィス出社へ形態を戻します」という意思表示をした時に、リモートワークの良さを知った社員が、「他の会社はリモートワークを活用しているのに、我が社は止めてしまうのか」「もう違う会社に行こうかな」と、退職してしまうのではないかと。 この様に退職検討者の増加が想定されるということです。
記事の筆者は、「個々人がどういう風に思うのか、どういうニーズが満たされなくなる懸念があるのかということを率直に議論して対策を立てるような取り組みをすることが、この懸念を回避する方法である」と述べています。恐らく筆者が所属するDeloitte社の中でも同じような議論をしているのだと思いますが、確かにこういった考え方や取り組みはとても大切だと思います。
●これからはハイブリット型に対応する「リモートコミュニケーション力」が大切
私が今回の記事の中で特に重要だと思うのは、1つ目の内容です。恐らく今後多くの会社が全員リモートもしくは全員出社という形にはならないのではないでしょうか。そんな時に「ハイブリッド型」で、「ある部分は出社しましょう」「ある部分はリモートにしましょう」それら両面を使い分けながら全体がチームとして動いていくという状況に多くの企業が移行するのではないかと思っています。
そして、そういった場面で重要なのは、片やオフィス勤務、片や在宅ワークの人たちの双方に不平等が起こらない、リモートコミュニケーションの力、スキルを身に付けておくということです。
今後は出社を前提とする「対面」のコミュニケーション能力だけではなく、リモート状況で離れた状況であってもしっかり意思疎通したり、良い関係性が構築できるようなスキルや能力を身につけておくことが絶対的に重要になるのは間違いありません。ぜひ私のnote記事やYouTubeチャンネルで紹介するノウハウを活用して、これからの時代の波を乗りこなすリモートコミュニケーション力を発揮して頂ければ幸いです。
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