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リモート前提の社会で財務状況を改善する14の方法|世界の最新テレワークニュース

テレワークに関する日本であまり知られていない世界中の最新ニュースについて、その要点&考察をお届けする「世界の最新テレワークニュース」。今回は、Forbes(英語版)による「リモート前提の社会で財務状況を改善する14の方法」という記事を紹介します。(元記事は英語サイトですが興味深い内容が満載です。ぜひご覧ください!)

今回の内容は以下の動画でもご覧頂けますので、ぜひ御覧ください。

リモートワークに移行していく上で、どのようなチェックポイントやステップを経る必要があるのか

今回の記事は、様々な財務の専門家の方が「リモートワークに移行していく上で、どういうチェックポイントとかステップを経る必要があるのか」を14のポイントにまとめてくれている記事で、多くの皆様に大変参考になりそうな内容だと思います。

特に今後リモートワークに移行したいと思っている企業の方や移行の検討材料を揃える必要がある担当者の方には大変参考になるのではないかと思います。 

特に今後コロナが終息した後に、「自社がリモート化していくのかいかないのか」という議論はますます起こり得ると思うので、そんな時にとても参考になるのではないかと思います。今回の記事は英語表記ですので、私の方で日本語訳した上で簡単に解説していきます。

リモート前提の状況でも財務状況を良くしてビジネスをより加速するための観点を紹介

記事全体では以下のように14項目もあるので、今回はより重要な部分だけピックアップしてお伝えします。

リモート前提の社会で財務状況を改善する14の方法

■総務系
1. リースの選択肢を検討する(Evaluate Your Leasing Options)
2. フレキシブルな共有ワークスペースの検討(Consider Flexible Shared Workspaces)

■採用系
3. 低コスト地域での雇用の検討(Consider Hiring In Low-Cost Areas)

■情報システム系
4. 遠隔管理技術の活用(Leverage Remote Management Technology)
5. データの保護(Secure Your Data)
6. 機密情報の保護(Protect Confidential Information)

■経営企画系
7. 役割ごとのKPIの設定(Establish KPIs For Each Role)
8. 毎週の指標を把握する(Keep Track Of Weekly Metrics)
9. 成果物の評価(Measure Deliverables)
10. 収益性の把握(Track Profitability )

■人事・マネージメント全般系
11. 必要な情報とサポートの提供(Provide Needed Information And Support)
12. 実現したコストを従業員に投資する(Invest Realized Savings Into Your Workforce)
13. 目に見えるモチベーションと報酬を提供する(Provide Tangible Motivation And Rewards)
14. チームのワークライフバランスを確保する(Ensure A Good Work-Life Balance For Your Team)


全体としてはかなり幅広く検討の観点を提示してくれていて、例えば総務系では、「リースを続けるかどうかの検討」だったりとか、「場所をどうするか」という話。採用系では「地域を少し変えることによって、より良い費用対効果の高い採用ができないか」といった話。経営管理では、「職種ごとのKPI」とか、「毎週のビジネス指標」とか「成果物評価」「収益性評価」。人事もしくはマネージャーとかマネージメント全般としては、必要な情報のサポートや「実現したコスト、浮いたコストを従業員に投資しましょう」という概念であったり、「モチベーション報酬」、「チームのワークライフバランス」という形で、こういった点をしっかり検討していくことによって、リモート前提の状況であっても、財務状況を良くしてビジネスをより加速できるんじゃないかという感じの観点が提示されています。

リモート環境では低コスト地域の雇用を実現できる

私が特に重要だと思った観点を簡単に紹介すると、まず「低コスト地域での雇用の検討」に関して書かれている箇所です。この記事では、アメリカでは州ごとに全然報酬体系が違うという事例が紹介され、「よりコストの低い州で採用ができないか」という点にフォーカスして書かれている箇所があります。

実は、私はかねがねこの点は日本においても全く同じことが言えると思い様々な媒体を通して紹介してきました。私は以前自分の会社を経営してる時に、テレワークやリモートワークによる全国採用に着手していました。というのも、中小企業が東京都や首都圏で知的労働ができる優秀な人を採用しようと思っても、かなり難易度が高いという現状があるんですよね。

首都圏、特に東京には、世界的な大企業もあって、GoogleなどのGAFAの日本法人みたいなところもあって、更にキラキラスタートアップ企業が大勢いて、みたいな現状がありますよね。そして、得てして有能な人材は、普通、皆こういう輝くような素敵な企業に行きたいわけです。そして、エンジニアとか高い能力の人材は価値が高騰して報酬がかなり上がっているんですよね。

その中で、そういうキラキラ圏に属していない普通の会社が有能な人材を採用するのがかなり不可能な状況あります。しかし、そんな中「全国採用」に舵を切ると、例えば「配偶者の都合で地方に行かなくちゃいけない」だったりとか、「身内の介護の事情で東京に来れない」であったりということで、高い能力の人が諸事情で地方にいたりします。そしてそういった稀有の人材を好条件で自社に招くことができるのです。

私はかねがね、このように「地域を変えると採用しやすくなってくる」というような話は日本でもアリだと思っていました。そして実際に、少し前ですけど、GMOペパボさんがこの点に着目してエンジニアを全国採用して話題になっていました。

まだ全国採用している会社は残念ながら多くはないと思います。だからこそ、リモートワークができる職種の企業がリモート化を実現して全国採用のトライを会社として進めていくと、採用コストとか人を拡大するときの可能性が広がるという形が大いにあり得、リモートワーク移行の1つの観点になるんじゃないかなと思っています。

私が以前執行役員をしていて現在は顧問をしているメンバーズという会社も、社員が2,000人ぐらいいるんですけれども、雇用をリモートにかなり移行しています。移行した理由の1個はまさに「雇用の可能性を広げていこう」ということで、コロナの前から仙台や北九州にオフィスを作って、その時は在宅のリモートワークではなかったんですけど、拠点を広げて雇用を広げていこうとし始めていました。

「有能な人を増やすためにはそれしかない」というところでかなり力を入れて推進していたのです。この辺りはいろいろな費用においての検討の観点、もしくはリモートに移行する1個のインセンティブとしてすごい強いポイントではないかなと思います。

しっかりとした「収益性の把握」の重要性について

またこの記事では、2つ目の経営管理のところで「収益性の把握」ということが紹介されています。大きな企業になってくると「リモートに移行した結果、どれぐらい収益性が変わっているのか」と、特に「収益性が下がってないのか?」というところが大きな着眼点かと思います。

この辺りはしっかりチェックする仕組みであったり、何かしらの指標を決めて、その指標が悪化しないかということを定量的に見て行かないと「感覚論」で議論してしまうことになります。感覚論ということは、結局1番声の大きな人、発言力が強い人の意見で決まってしまうことになりがちです。そうではなく、きちんと数値化した上で検討、議論していきましょうということが書かれています。

私が経営していたような中小企業の場合は、社長の鶴の一声で「採用で行くぞ」みたいな感じができてしまう訳ですけど、例えばメンバーズなどのある程度大きな企業の場合は「生産性」=稼働率が下がっていないかどうかを重々検討する必要があります。

納品の時間であったりとか、残業時間が増えてないかどうかといった形で収益性を図っていき、それによって問題ないということでリモート化をして行こうという結論になると。このようにしっかり検討して数値化していく必要があるんじゃないかということが記事に書かれています。

テレワークとチームのワークライフバランス

最後に人事マネジメント全般で「チームのワークライフバランス」というところにも触れられています。

テレワークやリモートワークが広がっている職種、業種というのは、IT系やエンジニア、企画職であったりの、いわゆるホワイトカラー、頭を使って仕事をする人がリモートワークがしやすい職種・業種であり、そういう会社・企業が今後ますますリモートワークを拡大していくと。

そういう人にとって「ワークライフバランス」=精神的なメンタル状況であったりとか心身の健康というのはとても重要だと。

もちろん肉体労働の方にも重要なんですけども、知的労働においては、モチベーションとかメンタルとかいったものが整っていないとバリューを出せないという状況になりがちだと思います。それを良くする上でチームがワークライフバランスをしっかりできるのかどうか、社会の人間関係も含めてうまくできるかということが指摘されています。

今後チーム内のリモートコミュニケーションの設計をきちんとやっている企業とやっていない企業で、同じような報酬、同じような仕事内容であっても、今後も上手くリモート環境で継続できる組織とできない組織に分かれる境目になると。

しかもそれが今後組織に所属する上でより重要であると。お金稼ぐだけなら個人でいいけど、人間関係とかコミュニケーションをしっかり持つために組織に所属しているという人が実際には多いと思うので、そこが1個の組織の前提になってくるのではないかということです。

今後リモートを前提としていこうというケースにおいて、是非私のnoteやYouTubeチャンネル全般で伝えているようなリモートコミュニケーションを向上させる手法やスタンスを取り入れていただいて、よりよい企業運営やチーム運営をできるようになって頂けることを願っています。


▼動画はこちら。参考になりそうであれば、ぜひチャンネル登録お願いします


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