【独自調査】ここ最近話題の「なんとなく出社」の5つの要因と対策を解説します!!|世界の最新テレワークニュース
テレワークに関する世界中の最新ニュースについて要点&考察をお届けする「世界の最新テレワークニュース」。今回は、Yahoo!ニュースのリリースである「『なんとなく出社』する管理職に苦言 テレワークめぐり経済団体トップ」という記事を受けて、要点と私独自で行ったリサーチ結果を踏まえた今すぐできる対策を解説します。(ニュース記事もとても興味深い内容の記事です。ぜひご覧ください)
※今回の内容は以下の動画でもご覧頂けますので、ぜひご覧ください!
●話題の『なんとなく出社』に関して、私独自の調査を実施
数日前から話題になっている『なんとなく出社』。これは特別な理由がないままに、なんとなくリモートワークを行わずオフィスへの出社を続けているという状態を指したものです。
今回は私独自の取り組みとして、この「なんとなく出社」に対して、テレワークをしている会社員の方75名を対象に、調査対象を、「メンバーレイヤー」と「マネージャー・管理職レイヤー」分けて調査を行いましたので、その結果を解説したいと思います。
●レイヤー別のなんとなく出社の有無
まずは調査対象を「メンバー」と「マネージャー・管理職」というレイヤーで分け、なんとなく出社の有無を「よくある」「たまにある」「ない」という選択肢で質問しました。
まず面白かったのは、マネージャーや管理職の方は、強い理由が無いのに「なんとなく出社」している状況が約55%見られました。
そして、これに半ば引きずられるような形でメンバーレベルも、約40%が「何となく出社」してしまっている状況でした。
特に「よくある」という回答は、マネージャーが4割に対し、メンバーは2割を切るぐらいという結果でした。やはりマネージャーや管理職レベルの方々の方が、より「なんとなく出社」している傾向があることが見て取れました。
●なんとなく出社の5つの要因
次に「なんとなく出社をしている理由」について質問しました。こちらはフリーワードにて回答して頂いたのですが、マネージャーとメンバーで大きな差異が見られなかったので、まとめて表記しています。今回の回答は5つの要因に分かれました。
●要因1:「在宅ネガ」
「なんとなく出社」の要因の1つ目は「在宅ネガ」つまり家にいたくないという状況があるというものでした。「家にいたくない」「電気代が気になる」といった意見が上がりました。
●要因2:「集中環境」
要因の2つ目は「集中環境」の有無です。「家にいるとやる気が出ない」とか、「会社の方が集中できる」「家の環境がめちゃくちゃ悪い」「家に机がない」という回答がありました。
●要因3:「同調圧力」
要因の3つ目は「同調圧力」を感じるということです。こちらはYahoo!ニュースの中でも特に警鐘されていた点ですが、「他の人が出社していると、自分が在宅ワークをしている際に気が引ける」という意見です。無言の同調圧力を感じるという声が多数ありました。
●要因4:「アピール」
この意見は特に「メンバー」層から上がりました。「在宅ではサボっているように思われてしまう」「出社しているとしなくてよい報告を在宅だとしなくてはいけない」と。こういった背景を受けて、出社することが「アピールになる」から出社しているという声がありました。
●要因5:「習慣・気分転換」
要因の5つ目は「習慣で出社している」です。まさに「なんとなく出社」の典型ですが、「特に理由はなく習慣で出社している」という類の回答でした。類似回答に「出社する方が気分転換になる」という回答もありました。
●なんとなく出社の対策【個人レベル】
次に、「なんとなく出社」の要因に対する対策についての回答をまとめた結果を紹介します。まずは「個人レベル」の対策について、続いて「管理者・会社レベル」の対策についてお伝えします。
●個人レベルの対策1:「在宅ネガ」に対して
1点目の「在宅ネガ」への対策は、「家族との期待値調整」です。 家にいると、家族と「家にいるなら家事をして欲しい」「仕事があるからできない」といった押し問答になることもよくあります。ずっと至近距離にいることにより、仲が悪くなってしまうこともあります。
そうならないように、事前に「期待値調整」をすることが大切です。お互いに「これはできる」「これはできない」ということをきちんとルール化したり、言語化した上で相互の期待値を調整しておく必要があります。
在宅ワークをしなかったとしても、この取り組みはとても重要だと思います。在宅ワーク化をきっかけに、しっかりと期待値調整をしていくことは大切だと思います。
●個人レベルの対策2:「集中環境」に対して
「集中環境」への対策は、「在宅環境への投資」です。今後ますます在宅で働くケースが増えていくことが予想されます。家であってもオフィスに近いようなパフォーマンスが出せる環境を作るということが重要です。ツールや回線などに少々初期のコストがかかってしまうので、抵抗がある方もいると思いますが、確実に自身への投資になります。力を入れて取り組む価値があると言えます。
特に私がおすすめしてるのは「デュアルモニター」です。ノートパソコンの画面だと凄く生産性低いので、外部モニターを用意してデュアルモニターとして活用するとデスクワークの効率が格段に向上します。
●個人レベルの対策3&4:「同調圧力」「アピール」に対して
「同調圧力」「アピール」に対する対策は、まさに私がかねがねnoteやYouTubeチャンネルで発信してきた「リモートコミュニケーション力をUPする」というものです。
リモート環境で同調圧力に上手く対応できる手法や、効果的なアピールな仕方などのノウハウやスキルは、私のnote記事やYouTubeチャンネルで詳しく紹介しています。今後のビジネスシーンで必須と言えるものだと思いますので、ぜひ身につけて対応して頂ければ幸いです。
●個人レベルの対策5:「習慣・気分転換」に対して
「習慣・気分転換」に対する対策は、リモートワークを行う際には「外出習慣」を意識的につけるべきというものです。 私が経営していた会社も数十人の社員がいましたし、その後加入したメンバーズ社には社員が2,000人ぐらいいてリモートワークをしています。新人も多いので、残念ながらリモートワークを進める上でメンタルを病んでしまうケースも見られます。
精神科医の著書などには、「外出習慣」の重要性が度々説かれています。散歩したり日光を浴びるということは、メンタルに相当良い影響を及ぼすと紹介されています。
会社通勤をすると、必ず外出することになり日光も浴びて運動にもなります。リモートワークでは、意識的に外出を採り入れることが大切になります。例えば朝食を食べにどこかのカフェに行く。コンビニに買い物に行く。子供の幼稚園や習い事への送迎を必ず等、習慣化することで大いに気分転換ができます。
私もリモートワークを2015年から行っている上で、子供の送迎をここまで6年間毎日自分で行っています。これがある意味自動的に散歩や日光浴になっていて、自分のメンタル面にすごくポジティブな影響を与えていたと思います。
●なんとなく出社の対策【管理者・会社レベル】
次に管理者・会社レベルの対策についてお伝えしたいと思います。
●管理者・会社レベルの対策1:「在宅ネガ」に対して
まずは「要因の把握」が大切です。「家族の関係」なのか、「物理的な影響」なのか、要因が何かによって対策は変わります。まずはきちんと「ネガ要因」を把握して、「なぜ出社してしまうのか」ということをしっかり調べるのが重要です。
●管理者・会社レベルの対策2:「集中環境」に対して
会社として集中環境を作るサポートができれば望ましいと思います。
例えば、私が経営していた会社では2つ目のディスプレイは会社から貸与という形を採っていましたし、ネット環境を設ける時は初期費用をサポートしていました。
リモート移行すると、会社にとっては通勤や出張等の交通費のコストが大幅に減ります。実際にメンバーズ社では億単位でのコストカットにつながっています。そこを一部リモート社員に還元していくというのは非常に有益だと思います。
●管理者・会社レベルの対策3:「同調圧力」に対して
「同調圧力」の問題の対策はなんといっても「ルール化」です。 なぜ同調圧力が成立してしまうかというと、結局「明文化」や「ルール化」されていないからです。それ故に皆が忖度したり、雰囲気を深読みして出社しなくてはいけなくなっているのです。
「出社しても、しなくても良い」と言われても、実際には「出社する人が多いので、出社した方がいいよね」という感じになっているのです。
きちんとルールで「今月はリモートワークで、出社しないでください」と明文化してルール化できていれば、無駄な忖度や考えをする必要はありません。個々の裁量に任せているから、なんとなく出社してしまわなければいけなくなっているのです。きちんとルール化してくというのは、会社として行うべきことだと思います。
●管理者・会社レベルの対策4:「アピール」に対して
これは評価者である管理者や会社側が配慮すべきことです。出社と在宅ワークでルールや手続きに区別をつけないことです。現場は「出社だったらごちゃごちゃと言われないのに、在宅ワークだと面倒な質問されたり手続きが多いから、いっそのこと出社しよう」という感じになっている訳です。
出社と在宅ワークで、コミュニケーションルールや、共有ルール、報告ルートなどを統一しておくことが非常に重要です。
●リモートワークを一時的なものにせず、大いに活用していこう!
今回の調査結果を受けて全体を通して見えてくることは、「なんとなく出社」がまだまだ行われてしまっているのは、個々人も会社もリモートワークをコロナ禍の対処療法として捉えてしまっていることに因るのではないかということです。「今だけ耐えればいいよね」っということになりがちかと。
実際には、テレワークやリモートワークは、コロナ禍を経て当前かつ不可欠の存在になっています。その事をきちんと認識して対応していけば、個人レベルでも管理者・会社レベルでも、リモートワークの優れたメリットを存分に享受することができるのです。
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