路傍の石

いつだったか、寂しがりの女の子が夢見たのは
ステージの上に立つシンガー

あのキラキラした舞台に立って
自分の気持ちを歌にしたい

「醜い」
「歌が下手」
「鏡を見たことある?」

ナイフのような言葉にたじろいで
彼女は夢を見なくなった。

彼女は言われた言葉の百倍の言葉を
頑張っている人たちにむけた。
自分は顔を隠して。

本当は

わたしもそっちがわだった。
誰にも気づかれない
路傍の石みたいな存在。

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