映画を観ようと思う。「CONTAGION」
観たいと思った映画を観たい時に観ていく映画鑑賞メモです。
3月、Amazonプライムで「CONTAGION」を観たので、感想など。ネタバレ…あるかもしれません。
私の映画鑑賞方法について
基本は「洋画を字幕版で映画館で観る」。邦画はほぼ観ません。吹き替え版も観ません。映画に求めるのが「非日常感」、「エンターテインメント」と「ダイナミックさ」だからかな。観るときはポップコーン大盛り+炭酸飲料必携(むしろポップコーンを食べに行っている感も否めません)。
でもどうしても公開中に映画館で観られない作品も、もう一度観たい!フガフガ‼ってなる作品も沢山あるので、その場合はWOWOW、WOWOWオンデマンド、Amazonプライムなどで観ます。ポップコーンも極力携行で。
1月、体調を崩していました。
元旦に「JOKER」を観て、「さて次は何を観ようかな~(^^♪」と劇場へ観に行く作品をピックアップし始めた矢先、突如体調を崩し人生で初めて3週間ほど仕事をお休みしました。
『今思えばあれは新型コロナウィルスに感染していたのでは⁇…』
などということはなくw、全く別の病気でした。
ちょうどこの1月半ばといえば、中国で肺炎を伴う未知の感染症が広がって、WHOが連日対応・情報発信をし始めていた頃。自分が体調を崩していることもあり、よりこのニュースが気になっていた記憶があります。
そんな中ふと頭をよぎったのが過去観たパンデミック系映画の中にあって特に印象的だった「CONTAGION」です。
その後COVID-19の感染拡大に伴って、かなり話題になったので初めて観た方、観直した方もだいぶ増えたのではないでしょうか。
預言書的?!
2011年公開。作られたのは2010年頃、今から約10年前で世界の感染症流行としてはSARS後・MERS前、というタイミングになります。
監督・スティーブン・ソダーバーグで出演・マット・デイモン、グィネス・パルトロウ、マリオン・コティヤール、ケイト・ウィンスレット、ジュード・ロウ、ローレンス・フィッシュバーン etc...
パッと見、ごっついハリウッド超大作!みたいなラインナップですが、ソダーバーグ作品は意外に社会派な作品が多いせいか、当時日本での公開はひっそりとしたものでした。私の住む地方の劇場では観られなかったので、後日レンタルDVDで観てあまりのリアルさに強烈に記憶に残りました。
パンデミック映画は割と「うへぇ~こんなになったら大変だけど…まぁ映画だな」って終わることが多いのですが、この作品は「…これマズいな…実際起こりそうだしすぐ身の回りに来そう…」って素直にビビりました。
フィクションではありますが、ノンフィクション味の強いフィクション。
この作品の中でも「未知のウィルスが原因の肺炎を伴う感染症」が爆発的な感染拡大していく様子が時系列に沿って描かれていますが、DAY2=2日目からスタートしているのがミソです。「この感染症のはじまりはどこからだったのか?」を突き止めようと奮闘する人間とそれをよそにどんどん広まっていくウィルスとの対比が「焦燥感」を駆り立てます。エンディングで描かれるDAY1=感染のはじまりは、むしろ陳腐な光景。でもだからこそ「あー…これあるなぁ…こわ」と思わせるエピローグ。
感染後の劇症化ぶりや街のパニックぶりは映画っぽいのでさておき、リアルな情報や描写に『明日にでも、世界のどこかでこういう感染症が広がり始めてもおかしくないな』と思わせられます。
そして実際に今、COVID-19が世界中で感染拡大していることによってこの映画が「預言書みたい」だと脚光を浴びているとのことで、非常に納得。
教科書的に観るのもあり。
「ドアノブ、PC、乗り物の手すり等々が接触感染のHUBになる」
「人は無意識下で1日に2000~3000回顔を触る」
「R=0(ウィルスの再生産数:1人から感染する人数)を把握する」
「ワクチン・治療薬がない時点で最も有効なのは、手洗いと人との距離を保つこと(ソーシャル・ディスタンシング)」
「フェイクニュースの怖さ」
などなど。
もう日本でもすっかりなじみのあるこうした情報が、10年前のこの作品にすでに登場しています。今回観直した時はさらに「ノンフィクション感」がマシマシ。
情報伝達スピード・量ともに10年前とは比べものにならないくらい増えている現実世界の混乱ぶりも、感染に関わる本筋と並行して進む「フェイクニュースで大儲けする輩」(ジュード・ロウ)のエピソードとしてきっちり啓示?されています。
そして3月初旬全国一斉休校になった頃だったか、この作品を
「地上波で放送したほうがいい」
「金曜ロードショーあたりでやってくれないかな」なんてコメントも見かけたりしました。
うん。ありだったかもしれません。
感染が拡大し始めた頃、日本での報道や政府からの情報提供はとかく偏りがちだったり、まとまりがなかったり、分かりにくい・伝わりづらいものだった(今もそうかも。)し、なんとなく周囲ではみんな「え?で、我々どうすればいいの?」ってキョロキョロしながら日々過ごしていた感じがしました。
現実とは違うフィクションの世界だけれど、「未知のウィルスと闘うってこういうことだよ」って分かり易く伝えるために、教科書みたいな感じでこの映画を観るという使い方、出来たと思います。特に初期段階で。
地上波の電波に乗せてしまうのはさすがに難しいので、個人が観てみることで少しは頭の中を整理するのに役立ったかもしれません。
まとめ
そんなこんなでWeb媒体で本作を紹介しているのをよく見かけるのですが、つい先日とある記事(割とメジャーな女性向けファッションサイト上)で、監督を「スピルバーグ、スピルバーグ」と連呼していたのがなかなかの衝撃で、記事の内容が頭に入って来ませんでした…
未だ「映画監督のスティーブン」=スピルバーグ。…そうなのか…
本作の監督スティーブン・ソダーバーグの作品は、社会で起きた(または起きようとしている)問題を取り扱いつつ、映画としてもしっかりワクワク出来たりする小気味のいい作品が多いと思います。
「エリン・ブロコビッチ」なんてその最たるもの。
一方、完全な娯楽作品「オーシャンズ」シリーズもソダーバーグ監督です。
何が言いたいかと言うと、「スティーブンにはソダーバーグもいるよ!」
おまけ:パンデミック?映画で「World War Z」もおすすめです。
ゾンビ化する感染症のお話なのでキワモノ扱いですが、意外に現実の感染症対策に即して作られてます。あとブラピも出てますw