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音楽と出会う番外 「うっせぇわ」の聖域とかつてそこにいたヒーロー

というわけで、もう昔だったら「うっせえわ」絶対共感してた!
と思う34です。

前回のデザイン学校に行ってた時の過去話に、いいねくださった方々、
ありがとうございます。励みになります。
今後も何か絵を描けるよう、がんばりたいです。


ときに、みなさまは「うっせぇわ」という曲をご存知でしょうか。

概要は以下

「うっせぇわ」は、2020年10月23日にYouTubeに投稿された。
歌い手は、同日が「17歳最後の日」だという2002年生まれの
現役高校生Ado。
それ以外の情報はほとんど公表されていない。
「うっせぇわ」は投稿後すぐに注目され、
2020年末時点で2000万回再生を突破していた。

出典元:現代ビジネス「うっせぇわ」を聞いた30代以上が犯している、致命的な「勘違い」

私は出典元の記事を読んで、始めて聞きました。
大変キャッチーなリズムの曲ですね。素敵な絵です。
そしてyoutubeのコメントを見ていて

「パンダヒーロー」を思い出す。

のというような文字を見つけて、それがすごく腑に落ちたので、
色々な方向から考えた「うっせぇわ」を記事にしてみました。

どちらかというと「かつてうっせぇわ」と思っていた人向け
記事かもしれません。

どうぞ、お好きなページからご覧ください。



1.「うっせぇわ」の元「うるさい」の意味

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まずは、この歌のメイン

「うっせぇわ」こと「うるさい」がそもそもどんな意味なのか、

から調べて見ることにしましょう。


うるさいは、古い日本語では「うるさし」
「うる」とは元々「うら悲しい」「うら恋しい」など
の心を意味した「うら」が変形したものであり、
そこに「狭い」を意味する「さし」をくっつけた言葉が
「うるさし」となる。
出典および参考元:由来・語源辞典

じゃあ、単なる心が狭いやつのことか。
というとそうでもなく、

「うるさし」とはいきとどいて完全である様をさし。
接していると緊張して心に圧迫を感じて狭く(細く)なるような厳しい人物を評するのに用いた
参考および参考元:日本語を味わう時点(笑える国語辞典)

という解釈があるようです。

サザエさんでいうところの波平さん的なイメージでしょうか。

確かにそういう人物がいう言葉は、
わずらわしかったり、声が大きく感じることがあるような気がしますね。


また「うるさい」はマイナスなイメージではなく、
「味にうるさい」などポジティブなイメージの言葉もあります。

これは同じ由来から来たわけではないと考えられていますが、
「うるさし」がいきとどいた完璧さを表すこと考えると
「うるさい」にポジティブなイメージが加わるのもわかる
気がします。

相手の完璧さを認めてはいるが、嫌気がさして心をとざす。

というのが、「うるさい」の本来の意味に近いのかなと思いました。

「言ってることはわかるけど、他にも何かあるんじゃない?」とか
「このがんこもんが!」みたいな感じかな。


「うるさい」の本来の意味から「うっせぇわ」と気軽に言えることは、
こういった潜在意識めいた気持ちの発散ができる。

という部分もあるのかもしれませんね。



2.「うっせぇわ」が作る聖域

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前の章では、「うっせぇわ」もとい「うるさい」の
言葉の意味に触れてきましたが、

正直「うっせぇわ」と言う時そんなに考えて使わないよね。

という気持ちもありませんか。


正しさとは 愚かさとは それが何か見せつけてやる
出典元:うっせぇわ Ado

という歌詞が、果たして「うっせぇわ」という側の言葉なのか、
言われる側の言葉なのか、はてまたダブルミーニングなのか。


そんなのどうでもよくない。(うっせぇわ。)


という気もしませんでしょうか。

何が言いたいかというと、

この曲をみんながさすところの大人が多く歌い始めたら
流行らなくなるんじゃないかな。

と思っているのです。



ときに、みなさまはニコニコ動画というコンテンツをご存知でしょうか。

今は動画投稿サイトと言えば、youtubeが主流ですが、
かつては動画投稿の聖地と言えばニコニコ動画でした。

数々のバカと天才を紙一重にしたような動画、MAD、
この人はすごい人になるんじゃないかと思うような
歌ってみた、弾いてみた、ボーカロイドなど
主に若者発信のコンテンツであふれていました。

これを見てどう思われますか。


いや、いいや。と一瞬で閉じたくなりませんか。



見たとしても、このシリーズをいくつも見たいと思う「大人」は
今は少ないのではないかと思います。
(懐かしくなる人もいると思いますし
なぜボカロの動画を紹介しないのか。という人もいるでしょう。)

しかし、こういったものをかつては大人に白い目で見られながら
多くの人が楽しんでいたものです。
私の親もニコ動にハマる我が子を「なにが面白いのか」
と呆れた目で見ていました。

実はその時から10年ぐらいたってから、なんと、
よその子どもにランランルーを見せつけられる機会がありました。
あの時は楽しんでいたはずなのに、
なんとなくランランルーをしている子を見て、

「なんだこいつ」


と思ったことを覚えています。


このことから、

私たちが考える大人が無視する領域、踏み込まない領域」というのは、
ある意味「聖域」と呼べるのではないか。

と私は思います。
ここでいう大人は前章の「いきとどいた完璧な人」
が当たりそうですね。

もっとざっくりいうと、
入る人が限定された秘密基地を作るのは特別感があって楽しい。
という話です。

「うっせえわ」は大人や社会を痛烈批判した部分を楽しんでいる。
人というよりは、
端的に大人が入らない(と思う)特別な空間にいることを楽しんでいる
人も多くいるのではないか。

と考えています。


でも別にこれは若者のくくりだけでなく、
〇〇の業種の人だけが集まる会とか、同じ趣味を持つ仲間の会、
会員制のバーのように、誰でも普通に楽しんでいることです。

ただ、その秘密が世の中にバーっと広がったり、
関係がなかった人がたくさん入ってきたり、
当たり前とか、普通と言われると
なんとなく居心地が悪くなったり、反発したくなるのは
不思議ですね。



3.かつて「米津玄師」が作り出した「聖域」を越えた大人たちと「うっせぇわ」

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私が「うっせぇわ」を聞いて、
なんというか立ち位置が近いなと感じたのは、
「米津玄師」こと「ハチ」さんです。

「米津玄師」は知っているけれど、「ハチ」って誰?

という方も多いでしょう。


「ハチ」とは
「米津玄師」さんがかつてニコニコ動画で投稿を行っていた時の
アーティスト名です。

これが、冒頭で取り上げていたパンダヒーローです。
これを一人で作りあげたのだから、
米津さんの才能の恐ろしさがよくわかります。


「うっせえわ」じゃないですが、
「ぱっぱっぱ〜」が頭に残ることもあり、動画内で大ヒットしました。
他にもヒットソングはたくさんありますね。


これは私の印象なのですが、「ハチ」というのは
「なんか暗い歌作っているすごい人」でした。

でも、「米津玄師」になってから、特に最近は、
「明るい曲とか希望をメインに元気が出せるような曲を作る人」
になった気がします。

「米津玄師」に明るい曲が多くなったのは、
一人で孤独に楽曲を作って戦っていたところから、
認められて、居場所ができたというところが大きいと感じます。
もちろん米津さん自身の手で掴み取ったものでしょう。


暗い歌というのは、本来あまり好まれないものですが、
境遇に辛さを感じている人には救いを感じる

部分があったりするので、

「うっせえわ」は自分の居場所を探している最中の人に合う曲

なんじゃないかなと思います。


かつて、パンダヒーロー、あるいはギザギザハートの子守唄だとか、
尾崎とかに救いを求めた人たちからしたら、

乗り越えたことをわざわざ振り返る、過去に立ち戻るというのは
胸がざわざわする気持ちがあるのかもしれません。

黒歴史とか、中二病なんて感じたりして。


かつては誰もが「うっせぇわ」と思いながらも、
自分の居場所を得るために行動を起こしていたと思います。
それはちょっとした戦争に近いかもしれません。
なんたって、個人は最小単位の少数派ですから。

その中で認められる、他者と話し合うなどして
自分の居場所を選び、掴んでいった経験があるからこそ
「うっせぇわ」で切り捨てずに、
「まぁ、聞いてみるか。」「そういう意見もあるかもな。」
と受け入れことができる
のですから、

なんとなく「うっせえわ」だけで切り捨てている気がする歌を聞いたり
その価値で群れている人を見るのは
抵抗があったり、知見が狭いと感じたりするのかも
しれませんね。

と、いわれたところで、まだまだ戦争の渦中にある人にとっては、
自分の居場所を確保した人たちは「いきとどいた完璧な人」
であるように思えるのですから、

うっせぇわ

と感じている人たちもいるでしょうが

それは、それでよいと思います。
最初から聞き分けがよい。なんて不自然ですしね。



4.おわりに


というわけで、「うっせぇわ」について考えてみました。

みなさんの「うっせぇわ」に対する印象はいかがでしょうか。

私自身記事を書きながら
まだ、「うっせぇわ」の中にいるような気がしたり、
少しは成長できたかなと思ったりしました。


最後に「米津玄師」さんの初期の
好きなマイナー曲を紹介しようと思います。
ちょっと詩は暗い曲ですが、明るい曲調、キラキラしたイルミネーションのような音がとっても好きです。

本人のPVはなかったので、有志の方のボーカロイドカバーを。
「遊園地市街」