黒いオマエと気だるい夏
この夏、1番飲んだのは勿論アイス珈琲。今も携帯とタバコ両手に口でアイス珈琲飲んで夏の怠さと水気を飛ばしている。
アイス珈琲が赤黒く光を反射させるのが好きだ。中の氷がテラテラと煌めき、容器が結露で新たな水分を創り出し、足元に滴る。
私の暑すぎる夏を生き延びるための常備薬。種類によって多少の誤差はあれど、総じて好きだ。夏にしか飲まないが、通年好きでいる自信がある。
オマエと私の始まりはなんだったかな。たしか我々は「格好がつくから」という理由だけで繋がり始めた気がする。
「じゃ、アイス珈琲で」が格好良くて、大人みたいで、特に好きでもないのにオマエを呼んでた気がする。
今となっては、アイス珈琲以外有り得ないでしょ!と胸張って言えるぐらいには好きになれた。大人になれたと同義なのかな。
大人のちょっとしょっぱい恋も夜もオマエと乗り越えたし、友だちが何かわからなくなった昼下がりも右手にはオマエが寄り添っててくれて、結構感謝してる。
私の苦い思いを、それ以上の苦さで包み込んでくれてありがとう。鬱屈としたジメジメした気持ちを、そのサッパリとした冷たさで追い払ってくれてありがとう。
これからの長い人生(多分)も、オマエがこの限られた暑い時期に現れてくれることで絶対、とてつもなく、超絶楽しくなれるよ。
愛してる。