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アメリカで運転免許を取得した!

アメリカの郊外では車を運転しなければ生活が成り立ちません。
私はずっと日本で発行した国際免許証を持参して車を運転してきましたが、当地では住み始めて90日以内に正式な運転免許を取得する必要があります。しかし、運転免許取得までの道のりは険しく、私は期限ギリギリでの取得となりました。
地域によって必要な手続きやテスト内容は異なりますが、アメリカでの運転免許証取得体験談をまとめたいと思います。

最初の難関は書類を集めること!

運転免許試験を受けるために必要な書類が複数あります。実はそれを集めるのが最初の難関でした。今回私が試験を受けたとき準備したのは次の4種類の書類です。

  • パスポート(これは当然持っているのでOK)

  • VISA(こちらも当然持っているのでOK)

  • ソーシャルセキュリティーカード(到着後早めに取得)

  • 住所を証明する書類(公共料金や携帯電話の支払ビル・住宅の賃貸契約書など)

この中で最も取得が難しかったのが、住所を証明する書類。公共料金や住宅の賃貸契約は夫(駐在員本人)名義にすることが一般的です。なぜならば、駐在当初は夫しか銀行口座を作れないから。
でも、電気・ガス・電話などいずれか1つでも妻名義にしないと住所を証明できず、運転免許証を取得するための書類を準備できなくなってしまいます。

我が家の場合、同じ会社の先輩から「必ず1つは妻名義にしたほうがいい」と言われ、ガスだけは私名義にしてもらっていました。しかし、最初に届いたビルはなぜか名前のスペルにミスが!正しいスペルが記載されたビルの発行を待ったため、運転免許試験受験が約2ヶ月遅れました。

筆記試験は英語!英語がわからなくて泣きそうに

筆記試験では4割が標識に関する問題。必死で覚えました。

私が住んでいる州での運転免許試験は、筆記試験+実技試験の2段階になっています。試験日当日にオンライン予約して席を確保しなければなりません。日本の小児科(もしくは皮膚科)の予約くらい、熾烈な争奪戦がオンライン上で行われておりました。
筆記試験に合格しなければ実技試験に進めないので、まずは筆記試験対策が大事だといわれています。

筆記試験は35問すべてが選択問題。正答率80%、28問正解で合格です。
そして、出題される問題は当たり前のようにすべて英語。英語が堪能ではない私は、問題文も選択肢も意味がまったくわかりません。運転免許試験の1週間前に初めて予想問題を解いたときの正答率は52%で、泣きそうになりました。
辞書で単語を調べながら勉強しましたが、試験会場へ行く直前にやった予想問題でも正答率72%しか取れません。間違えた問題だけを覚え直して、試験会場へ向かいました。

ちなみに、私が受けた試験会場ではコンピューターで筆記試験を実施していました。受験者はパソコンに向き合って座り、そこで試験を受けます。問題に解答していくと、1問ごとに正誤の判定が表示されました。そして、全問正解で進んだ場合、28問終了時点で合格という表示が出てテスト終了です。逆に誤答を繰り返すと、早い段階で不合格という表示が出て終了になることも。

私が受付で待っているとき筆記試験コーナーには10代と思われる若い女性がいて、「やったわ!3回目でやっと合格した!これで実技にいける!!」と金髪の長い髪の毛を振り乱しながら飛び跳ね、叫んでいました。もし不合格になっても、当日中に再試験を受けることもできるそうです。

「今回ダメでも再チャレンジすればいい!」と彼女から勇気をもらったおかげなのか、私は筆記試験1回目でなんとか合格できました。


実技試験は路上で運転!試験官ガチャはあると思う

試験官を助手席に乗せての実技試験

実技試験は車の助手席に試験官を乗せて路上を運転します。試験官は各試験場に複数人いて、受験者に指示を出しながら採点していきます。私は初対面の人を助手席に乗せて運転するのが苦手です。というより、もともと車の運転は得意ではありません。試験官を助手席に乗せて運転するなんて、心臓が飛びでそうなほど緊張してしまいます。

ちなみに、アメリカの運転免許試験では、試験場に教習車はなく自分で車を運転して試験場へ行くのが一般的です。(免許を取りに行くのに自分で運転しているという矛盾。誰かに連れてきてもらったことになっています)普段乗り慣れた車で試験を受けられるのはありがたいですね。

試験当日の流れとしては、筆記試験で合格判定が出たあと受付の方に「車に乗って実技試験受付に来てください」と言われましたところから実技試験のスタートでした。実技試験受付では受験者が全員それぞれの車に乗ったまま行列を2つ作っています。片側の行列の最後尾について、30~40分ほど待ちました。

待っている間に外を眺めていると、前方の車に乗り込む試験官はいかにもアメリカ人風の陽気な方ばかり!「あんな人たちが乗るなら安心だな」と思っていたのですが、私の担当になったのは終始不機嫌そうな推定52歳の小柄な女性でした。

最初に車の状態をチェックするために、試験官は車の前後からランプが点灯するかどうかを確認するのですが、私は意味がわからずブレーキを踏み続けていました。担当試験官は大きなため息をつきながら銀色の長い髪をかき上げます。焦っていると隣の車の運転席に座っていたタトゥーだらけのいかついおじさんが「方向指示器だ!右、次は左だ!」と、ジェスチャー付きで教えてくれたのでなんとかなりました。人は見た目で判断してはいけない、おじさんありがとう!

路上運転の際も、担当試験官は不機嫌そうに見え、彼女のため息にビクビクしていました。路上運転中に進行方向を変えたり停車したりする試験も行い、試験会場に戻ってくると「ここに駐車して」と担当試験官は言います。「中に行くわよ!ついてきて」と言うと、担当試験官はさっさと私の車から降りていきました。私も慌ててエンジンを切って、担当試験官を追いかけます。

「ここで座って」担当試験官に促されてベンチで待っていると、彼女は紙切れを持ってきました。「有効期限はここに書いてあるから」それだけ言って去っていく担当試験官。

呆気にとられて自分の合否がわからないまま受け取った紙切れを見ると「
Driver License」と書かれていました。モノクロ印刷された紙切れは、あとから夫に聞くと仮免許だとのこと。

ご、合格したの!?私!!

このあと、本物の運転免許証は2~3週間で郵送されるそうです。(私の運転免許証は試験から11日後に届きました!)

まとめ

合格祝いのエッグベネディクト!

アメリカに来てからずっと頭の中に引っかかっていた運転免許証の件。受験には30ドル必要ですが、実は落ちても3回は無料で受け直すことができるそうです。それならもっと早くにとりあえず受験しておけば良かったかもと、あとから思いました。

実技試験のあと合格したという実感がわかなかったものの、ほっとしたらお腹が空いてきたのでひとりでお祝いしてきました。筆記試験の勉強や試験当日の手続きは大変でしたが、交通ルールに関する知識は日頃の運転に活かされていると思います!
とにかく、パスポートを持ち歩かなくて済むのが1番嬉しいかもです。



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