見出し画像

アメリカの少年野球はチルタイム

少年野球と聞いて、皆さんはどのようなことをイメージしますか?
私はずばり「親のお茶当番」を思い浮かべます。ほかには、埃っぽいユニフォームと汗と、それから土日をフルで使った厳しい練習というイメージがあります。
つまり、子どもから「少年野球に入りたい!」と言われたら「おお!そうか・・・・・・」と少し考えてしまうくらい、後ろ向きになってしまうのが私の中の少年野球像でした。

このため、この秋に息子が「少年野球をやりたい!」と言ったとき、少しだけ身構えてしましました。しかし、息子が入ったアメリカの少年野球は日本とは全然様子が異なりました。

アメリカでは少年野球でも硬球を使用(Pixabayより)

野球の本場、アメリカ。
日本でも少しだけ野球をやっていた息子ですが「きっとチームメイトはめちゃくちゃ野球が上手なはず・・・・・・」と不安に思っていた様子で、ジャパニーズ野球少年の息子はドキドキしながら初めての練習に向かいました。

「英語は話せない」「野球は好きだけど、自信がない」「練習が厳しかったらどうしよう」
野球を再開できることを楽しみにしていたはずなのに、息子の顔がどんどん白くなっているのを見ながら、私も不安に思っていました。

しかし、予想に反して、アメリカの少年野球はゆるゆるしていました!
息子が入ったのは地域の少年野球チーム。日本の少年野球と比較して、見ている私も楽しい野球です。

少年野球で使っていた野球場

練習場所は住宅地のなかにある屋外の野球場。
子どもたちはユニフォームを着て、バットやグローブ持参でやってきますが、保護者たちはアウトドア用のイスを持ってきます。
コーヒー、コーラ、ホットドッグやポテトチップスなど、思い思いのものを食べながら子どもたちの野球を見守る人がほとんど。一緒に来ている弟・妹は野球そっちのけで土いじりをしていることも。親だけではなくおじいちゃん、おばあちゃんが応援に来る場合もあります。

シーズンの後半はずっと試合だったのですが、それぞれのチームの保護者も温かく見守っているような雰囲気でした。いいプレイが出ると拍手や歓声で盛り上がります。
私は毎回野球を見にくる野球好きのおじいちゃんと顔見知りになりました。おじいちゃんの孫はうちの息子のチームメイトなのですが「あんたの息子はいい選手だよ!ぜひ捕手になってほしい。コーチに言っておきなさい」と熱心に話してくれました。その代わり、うちの息子の守備位置がおかしいときは、外野から「○○(息子の名前)、もっと右だ!もっと右!そう、そこが正解だ!」などと指導もしてくれます。

子どもたちは本当に楽しそうにプレイしていました(Pixabayより)

息子が所属したチームでは、チームメイトのお父さんがコーチをやっていました。そのサポートに数人のお父さん・お母さんが加わっています。素人のお父さん・お母さんなのに、指導が上手だなと思いながら毎回見ていました。
チームメイトのなかにはさまざまなレベルの子がいます。守備が上手な子、3振を繰り返す子、集中力が続かない子。うまくいかないときも頭ごなしに怒るのではなくて、いいところを見つけて褒めていました。特にいいプレイが出たときはコーチと必ずグータッチ。チームメイトからも全力で讃えられます。

野球場で見上げた空

スケジュール管理や送迎が大変な息子の少年野球でしたが、子どもたちを応援しながらふと見上げると、広がるのは澄み渡った青い空。風も心地良く、コーヒーを一口飲みながら「これってチルだわ-」と思いました。

息子は少年野球に入ったおかげで、現地の子や英語を怖がらなくなりました。
「言っていることなんとなくわかるし、言葉がわからなくても意地悪じゃないことはわかるし」

アメリカでは子どもの頃に1つのスポーツをひたすら続けるということはあまりないのだそうです。シーズンごとにさまざまなスポーツをやってみて、そのなかで好きなものを見つけていくスタイルのようです。
ちなみに、私が住んでいる場所は寒さが厳しいため冬の間屋外スポーツはできません(スケートは近所の池でできるみたいです)
息子の少年野球は春までお預けです。それまでの間に私も息子も英語をもっと勉強して、チームメイト(とその保護者)とたくさんコミュニケーションを取れるようにしたいと思います。

いいなと思ったら応援しよう!