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アレルギー性鼻炎を克服した話

※病気の話なので症状や治療法の効果には個人差があります、それを承知の上でお読みください。

現代病としてもはやお馴染みの存在になった花粉症、毎年悩まされている人は多いんじゃないでしょうか。自分もその例に漏れず中学生頃からずっと苦しめられてきました。大人になればいつか治るかなと思っていたのに当然そんな都合の良い未来は待っていませんでした。

症状的にどれくらい酷いかというと、花粉シーズンは点鼻・点眼薬とアレルギー症状を抑えるための内服薬がないとまともに生活を送れず、忘れたときには鼻水もくしゃみもノンストップです。やばいときには薬を飲んでも止まりません。

鼻水も風邪のときのような粘性のある感じではなくほぼ水っぽいサラサラ鼻水になるので、ティッシュで止めておかないとひたすら垂れ流されることになります。マスクをしてないととても人前には出られないし、唐突なくしゃみと鼻水でマスクの中は大惨事になっていることも多いです。

発症するのが一年中毎日ではないにしても、一定期間常にこれらの症状を気にしなければならないストレスは相当なもので、これもアレルギー持ちの人には共感してもらえると思うんですが、アレルギー症状のない人にはこの苦しさを全然理解してもらえないのもさらに理不尽に感じられるところです。

苦しいながらも薬を飲めばしのげるならそれでいいかと長年ごまかしてきたんですが、数年前のあることがきっかけで「これは完治させないと自分だけの問題ではなくなるな…」と思うようになったので本格的に完治を目指すための治療を始めることにしました。

アレルギー症状検査

アレルギーの自覚症状がある人でまだ全検査を受けたことがない人はとりあずやってみると良いと思います。敵を知るにはまず己の中のことを知らないとアレルギーとの戦いには勝てません。アレルギー全検査は内科とかアレルギー科に行けばやってもらえる血液検査で、自分のときはどれくらいかかったか忘れましたが調べてみたら3割負担で5000円程かかるようです。これが自分が受けたときの検査結果です。

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スギ・ヒノキシーズンでの症状やほこりっぽい場所に行くと反応が出てたことから、以前からの体感通りの結果が出たなと思いました。食物やイヌネコなどのアレルギーが一切なかったのは不幸中の幸いでした。

この検査結果を踏まえていろいろある治療法を検討していきました。

薬物療法

アレルギーの治療法としては一番お手軽なのが薬物療法で、市販のものや病院で処方されるもので一時的にしのぐ治療法です。あくまで対症療法なので完治は望めず、薬を使うタイミング・手間・コスト・副作用(眠気や喉の乾きなど)を考える必要があります。

ただ、症状が軽い人でこれだけで我慢できそうなレベルであればコスパ的にもそれで十分なのかなと思います。

手術療法

自分が受けたのは炭酸ガスレーザー治療で、これは鼻の粘膜をレーザーで焼いて過剰なアレルギー反応を抑えるというものです。自分の場合は両方の鼻で合わせて1万円弱(3割負担)かかりました。これは確かに鼻のアレルギー反応を抑える効果は感じたんですが、いろいろ問題点がありました。

・レーザー治療中の焦げ臭さが辛い

レーザーで鼻の中を焼くことになるのでとにかく焦げ臭かったです。もちろん部分麻酔はしてるので痛いわけじゃないですが、やっぱり辛いものは辛いです。

・手術後に鼻の粘膜のかさぶたが 生成→はがれる が繰り返される

焼かれた粘膜は当然傷つくのでかさぶたが作られます。それが剥がれて、またかさぶたが出来てとループするわけですが、この違和感もやっぱり気になりました。早ければ数週間で収まるらしいですが自分の場合1ヶ月以上続いたので、さすがに長く感じました。回復までそれだけ時間を要してしまうので、粘膜へのダメージも相当ありそうです。

・目のアレルギー反応には無力

これがこの治療法で一番微妙に感じたところでした。結局点眼薬は必要になるのでアレルギーに対する完全な治療とはいえず、しかもレーザー治療の効果はおよそ1年ということなので毎年受ける必要があります。

他2つの理由も含めて考えると毎年この手術をする気にはどうしてもなれず、最後の手段を試すことにしました。

免疫療法

正確にはアレルゲン免疫療法と呼ばれるもので、これが現時点で唯一のアレルギー完治を目指せる治療法と言われています。自分が受けたのはスギ花粉の舌下免疫療法です。読んで字のごとく、舌の下にアレルゲンエキスが入った錠剤を取り込んで徐々に体を慣らしていくという治療法です。写真で示すとこんな薬です。

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この薬を1日1回、適当な時間に飲むことを続けるだけです。一応薬を摂取したらしばらく飲食はしないことという注意事項があるので、自分の場合は夜寝る前に飲むようにしています。(忘れたら翌朝すぐに飲む)

飲み始めのうちはシダキュア2000(数字はアレルゲン量を示している)でも少し舌の中でピリッとするような感じはありましたがすぐ慣れて、5000になっても何も感じず2年以上続けられています。

治療効果は絶大で、治療を開始した翌シーズンにはあれだけ悩んでいた花粉症状を何も感じなくなりました。しかも、花粉時期には関係ないハウスダストで起きる症状も出なくなってそこまで改善するものなのかと感動しました。もちろん鼻に関する症状だけでなく、目の症状も何も発生しません。もう眼球だけ取り出して洗いたくなるような気持ちになることもありません。

費用的には毎月の診察・処方コストが約2500円弱かかり、薬を処方してもらうためだけに病院に行く手間が一番面倒くさく、ほぼ完治レベルまで治療効果を高めるには最低でも3年続ける必要があるなどの気になる点はありますが、個人的にはアレルギー症状をほぼ全く感じなくなった開放感だけでお釣りが来るくらいメリットがあったと感じています。その他のアレルギー治療薬を買う必要もなくなったので、その分のコストが抑えられるという利点もあります。ティッシュの使用量も格段に減りました。

花粉シーズン中には治療を始められないんですが、夏場からなら間に合うはずなので気になった方はお近くの病院で相談してみるといいんじゃないかと思います。

まとめ

アレルギーの症状は人それぞれなので、その人に合う治療法も様々なのであくまで参考程度に読んでもらえるといいかなと思います。個人的なケースのまとめとしては、完治を目指して免疫療法を試してみて本当に良かったと心から思っています。

アレルギー症状は辛いときには風邪を引いているくらいの状態になるので、やりたいことがあっても手につかない、自分のことで精一杯になり周りを気にする余裕もなくなる、鼻水やくしゃみでグズグズになり周りの目が気になるなど、まともな生活が出来ないレベルまでQOLが下がります。

苦しさや恥ずかしさを感じる状況になる度に「無症状だったらどれだけよかっただろう」と嘆いていたのがもはや懐かしく感じるくらい、アレルギー症状とは無縁になりました。これが無症状者の人の感覚と考えると、元々症状を持っていた自分でさえも何も感じないことが当然になって忘れてしまいそうになるので、そりゃ他人事になるよな…と理解出来てしまいました。

今でも同じように苦しんでいる人はいるはずなので、もし治してみたいと思った方はまずはアレルギー治療を行える専門科で相談・検査から始めてみたら新しい世界が開けるかもしれません。

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