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第2回不思議RTAフェス振り返り#1(告知前準備編)

2/12から2/14の3日間で「第2回不思議のダンジョンRTAフェス」(以下「不思議RTAフェス」)というオンラインRTAマラソンイベントを、TwitchのRTA in Japanチャンネルをお借りして開催しました。

イベントの概要については「RTAプレイヤーによるRTAの情報発信サイト」RTAGamersにて紹介記事を執筆しておりますので、こちらを是非ご覧ください。

第2回の開催ということで、目標としてはもちろん前回以上の規模・盛り上がり・完成度を目指して準備を進めてきて、その目標は十分達成されたと確信しています。

この記事では第2回不思議RTAフェスを開催するにあたり裏で行ってきた準備、起きていたこと、考えていたことを主催の私目線から振り返る内容になります。イベントを見たり、参加して関わった方には新しい気づきがあるかもしれません。また、今後同様のイベントを企画したいと考えている方にも参考になるところがあれば幸いです。

第1回開催後の振り返り記事もありますので、よければこちらもご覧ください。

関連記事

・告知前準備 ※この記事
・作品選考終了まで
・企画広報について(不思議RTAフェスの場合)
・本番前準備期間
・イベント配信の仕組み(不思議RTAフェスの場合)
・イベント本番
・第2回不思議RTAフェスを終えて(アンケ質問返答含む)

前回大会終了後

気の早い話と思われそうですが、前回のイベント終了後には既に次回開催日時をいつにするかの検討を始めていました。元々この企画開催を決断する際に覚悟していたのは、「恒例イベントとして定期的に開催すること」でした。

RTAイベントに限らず多くの大会が歴史を重ねて成長していくように、不思議RTAフェスも単発イベントとして留めず、RTA in Japanのように開催を待ち焦がれられるイベントに育てて価値を高めていきたいという思いがありました。

RTAマラソンイベントの成長度合いを計る上で分かりやすい指標は「イベント視聴者数」「イベント期間」「応募数」の3つだと思います。第2回大会はこれら全てを前回より更新した上で、チャット・Twitter・アンケートなどでも満足度の高い声を増やすことを(主催者の心の中での)内部目標として設定していました。

次回開催日時の検討

近年、RTAイベントの数は大小の規模を問わず数えると怒涛のように増えてきており、特に長期連休となれば10個近くのイベントが重なることも出てきてました。(※以下画像は2020年11月21日のRTAイベントカレンダーより抜粋)

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数ヶ月先の予定が埋まることもざらなので、企画する側としてはいつ開催するかを決めるのも重要事項です。不思議RTAフェスの場合はTwitchのRTA in Japanチャンネルが空いているときという条件も含まれます。また、企画者・関係者の都合がつく時期であることも必須条件になるでしょう。

走者応募を行うRTAイベントでは走者の方が応募しやすい時期であることも同じく重要で、他に優先したいイベントが被ってしまうとそちらを選ぶ可能性が出てくることも配慮する必要があります。

様々な事情と情報を考慮して、適した時期と期間を可能な限り早めに決定することをお勧めします。全ての準備は決定した日時から逆算して進めていくことになります。

第2回不思議RTAフェスの場合は秋頃(10月~11月)に行うことも検討しましたが、最終的に前回と同じく2月に落ち着きました。

休眠期間中の準備

開催日が決まっていなくても進められる準備はあります。その一つはイベント用のロゴ・イラストの準備でした。グラフィック面での強化は必須事項と考えていましたが残念ながら自分自身で創造する能力はなかったので、信頼できる人に依頼して制作・提供頂くことにしました。

その人こそがイベント中にもご紹介したisuZuさんです。具体的にいつ最初の相談を持ちかけたのか振り返ってみたら、3/9 となっていました。第1回大会終了が 3/1 なので、もう本当に直後から動き始めていたのが分かりますね。

イラストの制作依頼をするのも初めての経験だったので、イラスト制作にはどのような情報が必要なのか、費用がいくらになるかも教えて頂きながら打ち合わせを進めていきました。完成までの流れはこんな感じです。

3/9  初回依頼相談、製作期間・費用概算の伺い
4/3  ロゴ・イラストのラフ制作用検討会
5/上旬 ロゴ完成・納品データ提供
7/上旬 イラスト完成・納品データ提供、制作費用支払い

依頼者の自分からの案は非常にふんわりとしたイメージで、完成品に至るまでにはisuZuさんからもこんな感じはどうだろうという提案を受けながら細かく相談しつつ進められたおかげで大満足な絵にして頂きました。

4/3以降にも何度もラフ案を出してもらいながらより良い形に追加・修正を行っていて、何もないところからこんなに素晴らしいものに仕上がっていくんだなと実感できたことが今でも印象深いです。

これが4月に行った検討会で使用したドキュメントですが、そもそもロゴに関しては依頼者からは入れる文字について触れてるだけで、どういうイラストにするかの指定すらないですね…

isuZuさんに許可を頂いてドキュメントの下の方にラフイラスト集も掲載しているので、完成版との違いも見てみてください。

このドキュメントの通り、一枚絵に登場させるキャラについては自分の方で指定させてもらっています。不思議のダンジョン・ローグライクジャンルの定番キャラクターを選抜したオールスター集合絵というコンセプトは初期案通りですね。自分のお金で自分の好きな絵を描いてもらうまたとない機会ということで自分の趣味や好みも大いに入れ込んでいます。

・イベント用イラスト制作依頼を通して感じたこと

グラフィック面の強化という実用面で大いに活用させてもらっただけでなく、このイラストを看板負けさせないようにイベントの質をさらに高めていこうとモチベーションが向上したことも大きかったと感じます。

ロゴの重要性も実際に使用し始めて実感したことで、レイアウトへの表示はもちろん、Twitter・Discordサーバー用アイコンとしても流用できる円形デザインにしたことは特に英断だったと思います。ロゴはレイアウト切り替えの際に表示されるトランジションにも使用されています。

一枚絵への反響の大きさも想像以上でした。早くお披露目したくてうずうずしていたんですが、7月の完成品提供から本番当日までちゃんと我慢して良かったと思います。

総合するとisuZuさんにお願いして本当に良かったです。打ち合わせのときも懇切丁寧に説明・提案してもらえて、最初から最後まで何の不安もなく完成品提供まで進められました。依頼側の要望の具体的イメージがなくて苦労させてしまったと思うんですが、ご協力頂いて心から感謝しています。

上記ツイートでも言及されているようにisuZuさんはお絵描きツール CLIP STUDIO PAINT PROの本も出版されているので、こちらも是非チェックしてみてください!私もこの本を購入してイベント用レイアウト画像作成時などに役立たせてもらいました。

イベント開催日時決定後

2021年の2月中旬に第2回大会を開催することを最終決定したのが10月25日でした。この時点で行った準備は以下の通りです。

・配信場所決定(RTA in Japanチャンネル貸し出し申請)
・RTAイベントカレンダーへの登録
・運営陣タスク割り振り
・イベント告知用スライド作成
・イベント応募用サイト(Oengus)作成
・イベント公式Twitter作成 ※第2回なので作成済み
・イベント用Discordサーバー作成 ※第2回なので作成済み

上から順に説明していきます。

配信場所決定

現時点でRTAマラソンイベントを開催する場所の選択肢としては大きく分けて3つあり、それぞれにメリット・デメリットがあります。

1. 自身の管理する配信チャンネル

各々の使用している配信サイトの個人チャンネル上で配信を行います。もちろん、イベント用のアカウントを作成して複数人で運営する選択肢を取ることもできます。他者の許可を得る必要がないので、自由な企画・運用をできることが最大のメリットかと思います。その分チャンネルの知名度としては元々のフォロー数的にも小規模であるケースが多いので、イベント広報・集客に苦労する可能性が高くなります。

2. OME(Online Marathon Eventers)

小・中規模のRTAオンラインマラソンイベントの企画・運営を行う「Online Marathon Eventers」Twitchチャンネル上で原則配信が行われます。2020年の運用開始から3回のRTAイベントを開催されていて、今年も既に3つのイベントが予定されています。

規模的にもRTA in Japanに次ぐチャンネルに成長されており、企画案のみの応募だけで運営を全て一任することも可能になっているなど、筆者の知る限りでは最も手厚いサポートを受けられる場所であるのが特徴です。

以下のポータルサイトから企画応募できるとのことですので、ご興味がある方は是非ご覧ください。

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【宣伝その1】

OMEで3/6~7に開催される Glitch Outbreaking というバグ技が活躍するRTAを取り扱うRTAマラソンイベントに走者として参加します!他にもたくさんのRTAが行われますのでお時間合う方は是非ご覧ください。

【宣伝その2】

同じくOMEで開催される INDIE Speedrun Summit I (略称:ISSI)というインディーゲームをテーマとしたRTAイベントに、運営の一員としてお手伝いしています。応募開始は今月20日からになりますので、ご興味のある方は今から応募したいゲームを検討してみてはいかがでしょうか。

イベント本番は6月になるので練習する時間は十分あります!

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3. RTA in Japanチャンネル貸し出し

TwitchのRTA in Japanのチャンネルをお借りして配信が行われます。RTAイベントとしては最大規模の知名度・フォロー数を誇るため、イベント中の視聴数が多くなることも期待できますし、配信終了後のアーカイブもRTA in Japanの各Twitch・Youtubeチャンネル上に残してもらえるのでそちらで多くの人の目に触れる機会も増えることになります。

簡易的なレイアウトの作成や配信方法に関するサポートも得られます。あくまで借りられるのは配信チャンネルなので、本番の配信及びイベント運営は依頼者自身で行う必要があります。


不思議RTAフェスとしては、可能な限り多くの人に見てもらいたいこと、自由にイベント運営を行えることを重視し、RTA in Japanチャンネル貸し出しを選択しています。また、チャンネルを利用させてもらい新たな層の視聴者を獲得することで、RTA in Japan自体への還元にも貢献したいということも理由の一つです。

これからイベントを企画される方には様々な選択肢があることを把握した上で、自身の企画方針に適した方法を選んでもらえたらよいかと思います。

RTAイベントカレンダーへの登録

先述したRTAイベントカレンダーに登録を依頼します。登録方法はページの下部に書かれている通り、とよまなさんにイベント名と日時の連絡をするだけです。開催日時の検討の際にも参考になりますし、他の企画検討されている人への周知の意味でも日時が決定次第早めに登録することをお勧めします。

運営陣タスク割り振り

各運営メンバーのタスク分担も早めに決めて周知します。不思議RTAフェスの場合は告知から開催まで長期期間になることもあり、準備期間中の大体のタスクは主催の自分が担当していました。他のメンバーには専門的な業務(NodeCGなどのイベント用ツール作成)やドキュメント作成、本番当日の業務分担などを割り振っています。

イベント告知用スライド作成

イベント告知配信で使用するスライドを作成します。使用したのはGoogleスライドです。

告知用スライド

イベント応募用サイト(Oengus)作成

イベント応募用サイトの手段は現在は大まかに分けて Googleフォームか、Oengusの二択になると思います。どちらも利用経験がある自分の感触としては、1日で終了する小規模イベントならば Googleフォームでも十分だと思いますが、それ以上の複数日規模になると Oengus のスケジュール調整機能がなければかなり苦労します。

分かりやすく示すと、第2回不思議RTAフェスでの実際のスケジュール調整画面はこちらになります。このスクショ画面では見えない上部に全走者が入力した参加可能スケジュール情報が映っており、画像右のスケジュール画面のGUIで直感的に入れ替えて調整することが出来ます。(参加不可能な時間帯に入れると時間の項目がオレンジ色になります)

画像2

大規模になればなるほど走者の数は増えて、それに比例して参加可能時間という考慮事項も増えます。本来とても大変なはずのスケジュール調整も、この機能のおかげで毎回スムーズに完了出来ています。

さらに言えば作品選考の際にも実際に仮スケジュールを組んで全体の流れを見ることが出来るのも利点の一つです。選考中はこの機能で各作品を入れ替えつつ、ありとあらゆるパターンを確認して選考材料としました。

不思議RTAフェスでは第1回も第2回も、初めに作成した仮スケジュールのまま変更が発生することなく正式確定しています。

イベント公式Twitter作成

全てのイベントで公式Twitterアカウントを用意する必要はないと思いますが、長期的に開催していく意向があるならば作成して運用していくことはやはり効果的だと思います。Twitterの運用方法については企画広報編で詳しく書く予定です。

イベント用Discordサーバー作成

Discordサーバー作成は絶対必須といえるでしょう。Discordを普段使い慣れている方でもイベント用にどういう構成で作ればよいかは悩む方も多いのではないでしょうか。

イベント本番中もスムーズな進行のためには各機能を使いこなすことが肝要なので、まだ自分でサーバー作成したことがない場合はテスト用サーバーを立てて色々試してみるとよいかと思います。その際は他のRTAイベントのサーバー構成を見るのも非常に参考になります。

不思議RTAフェスでのサーバー構成は別記事で説明したいと思います。

イベント告知配信

これらの準備を進めながら、イベント公式Twitterから第一報の開催告知を行いました。

開催告知配信は主催の自分の個人チャンネルで行いました。

告知配信の内容としては先述したスライドを映しながら告知情報を紹介していくというシンプルなものですが、その他に工夫したのは2点です。

1つは、スライドを映しながら説明する担当と、配信チャット上に関連URLを貼る担当で役割分担するということです。スムーズに進行させるために有用なことで、このときはアジーンさんにチャット役をお願いしていました。この時以外にもイベント本番の開会・閉会挨拶中などでも運営陣で連携をとっています。

もう1つはOengusの公開は告知配信中に行うということです。Oengusは非公開状態のまま各種情報を詰められますが、非公開から公開に設定変更すると自動的にOengusのTwitterで情報公開されます。順番的には告知配信で初出としたい情報がOengusのページに含まれている場合があるので、そのような対応を取っています。告知配信中に応募可能な状態にするというのも狙ってやっていることです。

また、配信を見られなかった人のためにTwitterでも告知スライドのURLや告知した情報を発信しておくことも大事だと思います。動画で説明してあるから動画を見てください、とするのは楽ではありますが、誰もが(手間も見る時間もかかる動画を)見てくれると期待するのは甘いので、特に告知したい情報は複数の手段で発信するのが確実です。

情報発信の内容や広報のタイミングは今回かなり考えて実践してきたことなので、これに関しても別記事で詳しく書く予定です。

ここまでが11月のイベント告知までで準備してきたことになります。だいぶ長くなりましたが、これでも準備作業全体としてはまだほんの一部です。次の記事では選考が終了する1月までの流れを書きたいと思います。

↓第2回記事はこちら


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