第2回不思議RTAフェス振り返り#3(企画広報について)
※この記事は複数構成シリーズ記事の第3回になります。本シリーズ記事の概要などは第1回記事をご覧ください。
2/12から2/14の3日間で「第2回不思議のダンジョンRTAフェス」(以下「不思議RTAフェス」)というオンラインRTAマラソンイベントを、TwitchのRTA in Japanチャンネルをお借りして開催しました。
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今回は第2回不思議RTAフェスで行った企画広報について書きました。企画広報のために具体的に行ったこととその成果、考察したことについてまとめています。まずはどうして企画広報をする必要があるか、RTAイベント界隈の現在の状況を踏まえた話から始めます。
なぜ企画広報が大事なのか
近年、開催されるRTAイベントの数は飛躍的に増加しており、週末・長期連休はほぼ何かしらのイベントが企画される状態になっています。ずっと昔からRTAに関わっている方は同じように感じているかもしれませんが、参加したいイベントが複数重なって(個人キャパ的に)取捨選択せざるを得ない飽和状態に陥りつつある人も多いのではないでしょうか。
参加するかどうかの判断以前に、イベントの存在すら認知しきれないほど増えているといってもいいと思います。ただ、イベントの数が増えること自体は企画者の数が増えているということ、企画したいと考えるだけのRTA走者の裾野の広がりが背景にあるからこそだと思うので、個人的に何も問題はないと考えています。
そこで企画者としては企画広報についてしっかり考えていくべき、という話に繋がってきます。氾濫しつつある情報の海の中でも、届いて欲しい人に企画の情報が伝わる可能性を上げる方法、その伝え方について自分なりに考えて実践したことを以降でまとめていきます。
企画広報方針
・前回イベント終了後
次回大会を考える上でさらにイベント規模を拡大するためには、企画広報にもっと力を入れる必要があると感じました。アンケートでも「イベント終了後に存在を知った」という声をちらほら見かけました。そこで課題への対応策として以下の2つを目標にしました。
「イベント自体の周知」
「主催する自分自身の認知度アップ」
前者は当然のこととして、後者については元々私はマイペースで好きな配信をやっていければそれで満足なタイプなので、今まであまり興味を持てなかったことでした。しかし、イベントを成長させるためには取り組んで損になることではありません。企画者としての名前が売れることは、「あの人が開催しているイベントか」という結びつきが生まれることでイベント自体の発信力、信頼感を高める効果は多少なりともあると思います。
自主的に行ったこと
箇条書きでざっくり書いていきます。
・あるらじで紹介してもらう
イベント日時が決まったらとよまなさんにDMでお知らせする、作成できるならCM動画も用意して流してもらうとさらに効果大
・告知配信を行う
第1回と同様に主催の自分のチャンネルで告知配信を行った、告知の際にイベント告知用スライドを作成した
イベント詳細スライド
スライドは他の人がイベントを紹介するときにそのまま使ってもらったり、スライド内の画像をTwitterでの発信で利用したりと準備しておくと色々活用できる
・イベント公式Twitterで定期発信
※Twitter運用については後述
・自分がイベントに出て宣伝する
GunmaRTAOnline、Flashお別れRTA会、レイドRTAに採用してもらったのでそこで宣伝
・他のイベントのボランティアに参加する
2020年に参加したのはNakaさんのGunmaRTAOnlineとRTA in Japan2020、人脈を広げるだけでなく、イベント運営方法を学ぶ意味でもとても有意義
・noteで宣伝する
RTA in Japanボランティアスタッフに参加した記事を書く時についでにイベントの宣伝を行った
上記記事がかなり反響が大きかったことで目に触れる回数も増えたはず
・RTAGamersでイベント紹介記事を公開する
第1回でも行ったイベント紹介記事を作成した
今回は各ゲームの紹介画像もつけて内容を充実させたところ前回よりPV数も増えた
他者に行ってもらったこと
・他の人にイベントに出て宣伝してもらう
RTA in JapanやJapaneseRestreamに参加が決まった人に宣伝してもらう
どちらも自分からお願いしたわけではなく、率先して「宣伝していいですか?」と言ってもらえたのでとてもありがたかった
・支援動画で宣伝してもらう
第2回不思議RTAフェスでは2件そのような問い合わせがあった
1件は自身の実況動画シリーズの最後にイベント宣伝タイムを設けさせてもらいたいというもの
もう1件はイベントの宣伝だけに特化した支援動画の提供
後者はそのままPVとして使用させてもらう許可も頂いてイベント開幕時に流させてもらった
取り組んだ結果と考察
やはり大きなイベントでアピールすることは効果が高いと感じました。実際にRTA in Japanで知ってイベントを見た・ボランティアに参加しようと思ったという声はちらほら聞きました。ボランティアスタッフについては自分自身がスタッフの一員として一緒に働いたことで、同じくボランティアに入っていた方に「そっちも手伝ってみよう」と思ってもらいやすくなったかもしれません。
第2回ということで、第1回のアーカイブを見てTwitchのアカウント登録をしてLiveで見ることにした、興味を持って自分で走ってみて第2回で走者として参加したという人まで現れたのも嬉しかったです。
広報活動は長期的かつ多角的に進めていくことで効果が出てくるものなので、思いついたことは色々試してみることが大事だと思いました。
企画用Twitterについて
企画用Twitter運用は特に気を配って色々と考えていたので最後にまとめます。
Twitter運用方針
イベント告知・応募開始から応募終了まで約2ヶ月と長期間になるため、忘れられないように定期的にツイート発信を行っていくことにしました。ツイートする内容はフォローしている人にとって有用な情報・頻度でないと敬遠される恐れがあるため、応募期間中は週1回1ツイートくらいの頻度に留めています。
ツイートにはできるだけ画像を入れるようにしました。単純に情報量が増えますし、文章では表現しにくいことも入れやすいです。
ツイートする時間は一般的に目に触れやすいとされる19時以降に行っています。さらにRTA in Japanのツイートは21時に投稿されることがほとんどなので、投稿されそうな日は時間をずらすようにしています。
ハッシュタグは前回同様 #不思議RTAフェス にしました。ハッシュタグは長すぎても短すぎてもダメで、他のタグと被らないように注意する必要もあります。直近だとOMEさん主催の「GlitchOutbreaking」と「INDIE Speedrun Summit I」も当初の案から変更を余儀なくされています。
#不思議RTAフェス は被りの心配はないですが手入力すると長いので、もっと良い案があればその方が良かったかもしれません。(第2回終了後となっては変更するのは難しい)
あとは基本的なことですが、誤字脱字や日時情報などの間違いがないように送信前に十分に確認するようにしました。Twitterで一度誤って伝わった情報を再度訂正した内容で伝え直すには想像以上の労力と損失を伴います。そもそも訂正情報が伝わりきらず、誤った認識のままになるリスクとなる可能性の方が高いでしょう。
ほとんどのケースで急ぐ必要がない、じっくり時間をかけて投稿するべき告知ツイートの内容を十分に確認・推敲しないことがそもそもの過失といえます。大げさに感じられるかもしれないですが、受け手の人の中には「そういう大事な情報を誤投稿してしまう人たちなんだな」「(参加する)自分たちが関わる情報の扱いも適当なのかもしれない」などの信用判断に結びつく可能性を生みかねないので何も良いことはありません。
対策としてはツイート送信前に自身で確認するだけでなく、見てもらえる人がいたらチェックしてもらう体制に出来ればなお望ましいのかなと思います。
Twitterの宣伝ツイートについてはぼぶそんさんにより丁寧にまとめられた指南記事が書かれていますので、是非こちらもご覧ください。
ツイート内容例
こちらも箇条書きで書いていきます。
・初回告知
大事な情報を発信していくことを明記してフォローを促す
・応募期間中
イベント要項に関する説明、ここではイベント告知スライドの内容をそのまま利用している
関係者から受けた質問に対する回答、他にも同じ疑問を持つ人が多いと思われるのでTwitterでも発信する
応募状況、Oengusの管理情報がそのまま使えるので活用する
・応募終了~イベント開始
採用作品発表
情報の重要度的にインプレッションも高くなる。当時のOengusの応募一覧画面の視認性は悪かったのでビューアのURLも併記しておいたが、アンケートでもその点を配慮が行き届いていて好印象だったと言ってもらえた。現在は見やすくなっているのでOengusのリンクだけでいいかも。
また、発表後は各走者・解説者が採用決定ツイートをしてくれるので、公式Twitterでも拾ってRT・いいねをした。どういう人がどんな意気込みで参加するのかという認知度を高めるのと、走者、解説者自身にイベントに参加するという実感を高めてもらう目的。
・イベント中
RTA in JapanのようにTwitter担当のボランティアスタッフに時間ごとに分担してツイートをしてもらう。複数人でのツイート投稿はTweetDeckのチーム機能を利用する。ping値さんにはテンプレートを作ってもらった。ツイート内容はRTAGamersに投稿した記事を参考にしてもらったりした。
RTA in Japan貸し出しイベント開始前にはRTA in Japan公式Twitterからも紹介ツイートが行われるが、そこにイベントTwitterのリンクも含めてもらった。
インプレッション推移
Twitter運用考察
フォロワー数は以下の状況のときにとても増加しました。
・初回告知
・JapaneseRestreamでの紹介直後
・外部動画による宣伝直後
・イベント紹介記事投稿直後
・イベント直前RiJ紹介ツイート直後
・イベント中
特にJapanesRestreamは視聴人数が多いだけでなく、色々なゲームに興味を持つ人が多い傾向にあると思うのでそこで紹介できると効果が高いと感じました。チャットにURLを貼ってくれるので自然な流れでイベントTwitterまでアクセスしてくれます。
また、外部動画で宣伝してくれるとRTAとは別の界隈へのアプローチになるので新規層の開拓に繋がりやすそうでした。
最終的にRTA in Japan 公式Twitterでの紹介で爆発的にフォローが増えてくれるので、そこから興味を持ってくれた人をいかにイベント配信で繋ぎ止められるかが重要になると思います。
イベント開始前までのツイート頻度については自分自身が他のツイートを見ていて邪魔に感じない頻度で投稿するように心掛けていました。ツイート文とそれに関係するURLをうまくまとめて1ツイートに収めるのはなかなか難しく、毎回推敲を繰り返していました。
最後に
今回もかなり長くなってしまいましたが、今後同様のイベントを開催しようと考えている方に1つでも参考になることがあれば幸いです。企画広報については昨年の間は頭を悩ませながら試行錯誤してきましたが、いまだに何をすれば正解といえるのかは自分の中ではっきりしていません。
広報の手段は年々増えていきますし、何が適切になるかもそのご時世によって変わるものなので、先にも書いたように様々な方法を長期的かつ多角的に地道に進めていくことが重要なのではないかと思います。
それとは別に、宣伝することに執心しすぎて情報の受け手となる人たちに無用な反感を与えないよう配慮することも同じくらい大事だと個人的には思っています。Web上の過剰な広告は今や現代人共通のストレス原因になっていますし、そんな広告群と同じ部類と見られてしまったらせっかくの宣伝も逆効果になります。
伝えたい情報がまとまっているか、鬱陶しいと感じさせない頻度で送られているか、それが出来ているか自分自身今後も気をつけていきたいところです。
第4回記事はこちら↓