RTA in Japan 2020 技術ボランティアで参加した話
前置き&RTAinJapan2020振り返り
今回も大盛況だったRTAinJapan、まだまだ余韻に浸りつつアーカイブ視聴を楽しんでいる方も多いのではないでしょうか。
まだ見られていない、あるいはRTAinJapanをご存じない方向けに、TwitchとYoutubeのアーカイブ動画はこちらになります。
※Twitchの方がリアルタイムのチャットも楽しめるのでオススメです。
私は12/27から約5日間、寝る間も惜しんで一歩も外出しないままかじりついていました。例年であれば秋葉原の会場で行われるオフラインイベントだったので、毎年現地に行っていた身からすると少し寂しい気持ちはありましたが、いざ始まってしまえばなんのことはなく全力で楽しんでいました。
感想を語ろうと思っても語り尽くせないくらい濃厚で目眩がしそうです。全体を通して振り返ると、今回は「オンラインでもオフラインと遜色ないレベルの配信に近づける」ことに挑戦していたように感じます。
オンラインのRTAinJapanではこれまでなかった「走者Webカメラ映像」を採用したことが一番大きかったと思いますが、各走者によって様々な活用をされていて、中には「オフラインでは不可能だったはずのことをオンラインで実現した」逆転現象まで発生していて自分も含め驚かされた人は多かったのではないでしょうか。
参加された皆さんがこの日のために費やしてきた準備と、発揮したパフォーマンスのおかげで(当社比)史上最高に楽しむことができました。自分はというと、いち視聴者として楽しみつつ、RTAinJapanの技術担当ボランティアに応募していたのでそちらで裏方として働かせてもらいました。その件についてレポートを残したいと思います。
技術ボランティアに応募した経緯
私はRTAinJapan2020に走者として応募しましたが、残念ながら落選していました。
今回は過去最大の当選倍率だったので仕方ないとすぐ割り切ることはできました。応募数増加はもはや止めようのない流れで、次回以降さらに応募が増えていくことは間違いないでしょう。一緒にレース応募してくれた山下モズクさんとは次のチャンスにまた応募しようと同じ気持ちで固まっているので、そのときに向けてさらに腕を磨いて備えたいと思っています。
そして、もし当選していたら練習に集中する、落選していた場合はRTAinJapanの技術担当ボランティアに応募すると決めていました。ちなみに今まで自分が関わってきたRTAイベントの経歴は覚えている限りでこんな感じです。
・RTA in Japan 2:ボランティア(受付業務)
・RTA in Japan Online:ボランティア(チャットモデレータ、Twitter投稿)
・RTA in Japan Online 2:ボランティア(チャットモデレータ、Twitter投稿)
・不思議のダンジョンRTAフェス:主催
・RTA Racing:ミラー配信
・Gunma RTA Online:ボランティア(タイムキーパー)
RTAinJapanに関してはここ数年あまりお手伝い出来ていないことが気になっていて、今年はプライベート的にも余裕がありそうなのでやってみたいと思っていました。特に技術担当は未経験だったので勉強になればという狙いも持ちつつ、イベント成功に少しでも貢献できればと思い応募しました。
RTAinJapanのボランティア業務内容については、アジーンさんが超超超詳細な記事を書かれているので是非こちらをご覧ください。
(1/9 追記)アジーンさんが新たにRTAinJapan2020の記事を公開されましたのでシェアします!
また、同じく夏のOnlineで技術ボランティアをされていたぐにむすさんの記事もとても参考になりますので是非こちらもご覧ください!
技術ボランティアとはなんぞやということは先人の皆さんの記事に全て書かれていますので、この記事では私が独自に行ったこと・起きていたことに特筆して書きたいと思います。
担当スケジュール決定
ボランティア担当のスケジュールは本番の約1ヶ月前にほぼ決まっており、自分は以下の時間の担当となりました。
12/27 16:00-18:00 走者配信確認
12/29 18:00-21:00 配信PC/NodeCG操作
12/31 17:00-20:00 走者配信確認
かなりいい時間に入れてもらったな、と思いました。29日の夜はいわゆるユニークゲームゾーンで、スケジュールを見たときからとても楽しみにしていましたが、そこを自分自身で配信担当できると思うと身が引き締まりました。
31日最終日の終わりまで任せてもらえたというのも激アツでしたね。いつもは配信を見てしんみり終わっていくのを眺めていましたが、今回は楽屋裏の様子を肌で感じながらどういう流れで締められていくかを味わえるわけです。
大事な仕事を任せてもらえる責任感と重圧を感じつつも、走者として参加するときとはまた別のワクワク感を覚えながら準備しました。
本番前日までに準備したこと
各作業については運営の方からマニュアルが提供されるので、基本的にはその通りに仕事を行えばいいだけです。もしイレギュラーが発生したらその都度同じ時間帯に入っているボランティアの方や運営の方と相談・指示をもらって解決に努めます。
実作業中に得たノウハウなどは全員で一つのドキュメントに集積するということも行われていたので、スケジュール序盤の担当者ほど手探りな部分が多くて大変だったのではないかと思います。
その他に自主的に行ったこととして、担当時間の作品知識を頭に入れておくと役立つことは多いので、担当する可能性のある作品全部の走者提出動画を見ておきました。さらにスケジュールが前後することも予想して、±1時間の幅に広げてチェックしていました。
ただの視聴者として見ているときにはまっさらな状態で楽しみたいので、できるだけ動画を見ないようにするタイプなのですが、仕事として任されている以上は個人の嗜好を優先して手を抜くわけにはいかないですし、直接やり取りを行う走者さんと解説者さんにも失礼なのでいつも以上によく見ておきました。
本番中の様子
リアルタイムで視聴されていた方はご存知の通り、イベント中は当初のスケジュールから最大で2時間以上の遅延が発生していました。内部では様々なトラブルが起きていて、終了挨拶で主催のもかさんがお話していたOBS.Ninja(配信PCと走者PC間で出力された映像・音声の送受信を行うAPI→WebRTCと言うらしい)が想定通りに動作しない問題、オペレーションミスによる一時的な設定不良などの問題だけでなく、SteamやTwitchなどのプラットフォーム側障害まで起きてその都度対応に追われていました。
RTAinJapanでは本番前に必ず全走者がテスト配信を行っていて、運営の方がこの設定で問題ないと確認した上でイベントを迎えているわけですが、それでもこのようなイレギュラーは発生してしまうものです。オンラインイベントだからこそ走者の数だけ異なる環境を考慮する必要があるという難しさを痛感しました。それでも諦めることなく問題解決に向けてトラブルシューティングを行う、代替策を試す、スケジュール入れ替えを決定するなど、素早く的確な状況判断とその姿勢に凄みを感じました。
・12/27 走者配信確認
初日ということで事前のレクチャーとドキュメントを頼りに手探りな感じのスタートで、ちょうどDQ3の出走直後に引き継ぎました。言い訳になってしまいますが、前走の設定完了が非常に難儀していたタイミングと技術担当の引き継ぎが重なり、DQ3の音声バランス状況を十分に確認できていなかったのは申し訳なかったです。続くロマサガ3の中盤で次の担当者に引き継いで初日ボランティアシフト終了となりました。
・12/29 配信PC/NodeCG操作
EST10分~35分の短い作品が連続する区間ということで大変さは予想できていました。視聴者からすると短めのお手軽に見られるゲームが続いてカジュアルに楽しめるゾーンですが、イベント進行側は配信担当もTwitter担当も非常に慌ただしくハードになります。
今回は配信担当としての出番を迎える前に別の時間帯で控室ボイスチャットにミュートで入らせてもらい、作業の流れを見学させてもらっていたのですが、これもやっておいて良かったです。
この時点で約2時間ほどの遅延となっていましたが、自分が引き継いだマイメロの準備でさらに時間を要してしまいました。DS上下2画面を切れ目なく繋げる特殊レイアウトということは先に確認していたんですが、思ったより調整に時間がかかり焦りも生まれました。今このとき3万人以上の人を待たせていると考えるとどうしてもプレッシャーはかかるんですが、あまりそういうことは意識しないようにして一つ一つ確実にレイアウトを整えることに集中しました。(結局出走後に下画面のクロップが不完全ということに気づいたのは無念…)
その後の時間も色々起きつつも、周りの方に助けてもらいつつなんとか21時過ぎまで役割を全うして突然!マッチョマンの前で引き継ぎとなりました。
後から担当した部分を振り返ってみると、トランジションの際の音声切り替えはスムーズに出来ていたことは良かったかなと思います。タイマーストップ箇所については前もって確認していたので、そこまで大きくズレずに止められていました。視聴者的にも走者的にも、せっかく綺麗に走り終わったのに止まらないタイマーを見るとモヤモヤしてしまうと思うので、そこは自分がやるからにはしっかりやりたいと考えていました。
正直言って、走者として参加したときよりも疲れました!でも本当に貴重な経験をさせてもらって、担当した時間に走った皆さんが素晴らしい走りを見せてくれたことにホッとしましたし嬉しかったですね。
また、このとき走者配信確認担当としてすないぬさんにサポートして頂いていたんですが、担当時間中にとても助けてもらい安心して作業できました。引き継いで早々に大幅なロスを生んでしまい気分の落ち込みを隠せなかったところを、力強く励ましてもらえたのも本当にありがたかったです。
すないぬさんはボランティアとして尽力されていただけでなく、31日の「朧村正」で巧みなトーク力と盛りだくさんなネタ、熱い解説で大いに場を盛り上げていました。
めっちゃ楽しいので是非アーカイブをご覧ください!Twitchチャットの勢いも凄かったです!
超絶解説の裏側にはとてつもない準備が秘められていました。
そして引き継ぎの際には、次の担当者のおさかなテレビジョンさんに簡単な説明をして交代させてもらったんですが、そのときに以前自分が書いたRTAinJapanに解説参加した記事を読みましたと伺ってめちゃくちゃ驚いてしまいました。
ほぼ自分のための備忘録程度と思って書いたものだったので、まさか記事を読んでそんな風に言ってくれる人がいらっしゃるとは思わなかったので嬉しかったですね。
そんなおさかなテレビジョンさんも31日の「深世海 Into The Depths」にて素晴らしい解説を披露されています!
解説のために作成された台本のクオリティも凄い……
深世海は初見で見させてもらったんですが、ゲーム自体すごく面白そうだったし、魅力を感じさせる語りに惹かれて即買いしちゃいました。しばらくはイベント準備で慌ただしくなるので、色々落ち着いたらやってみたいと思います。
ボランティアの話から逸れてしまいますが、このお二人だけでなく解説(実況)される方の質のインフレっぷりに圧倒されることが多かったですね。真似しようと思っても簡単に出来ることではないですが、自分なりに喋る技術をもっと向上させていきたいと改めて感じさせられました。
この後は遅めの晩ごはんを食べた後、RTAinJapanの一般ボイスチャットに混ざらせてもらって「ファイナルソード」鑑賞会を満喫しました。やっぱりリアルタイムで味わえるお祭りは最高でした。
・12/31 走者配信確認
この日は自分が走者配信確認、アジーンさんが配信PC/NodeCG操作で同じ時間帯を担当しました。よく見知った人がいてくれるという安心感もありましたし、最終日ということでゴールも見えていて、運営のHoishinさんが主なセットアップ操作をされていたこともありほぼ落ち着いた感じでした。
準備で大変だったのはマリオランドトリロジーリレーのときで、その他のときもそうでしたがやはり複数走者のセットアップは一筋縄でいかないことが多かったように思います。
これも自主的にやっていたことですが、待機時間が長くなっていて自分の出来る仕事がないとき、あるいは担当シフトではないときには、必要だと感じたらTwitchチャットで状況報告をするようにはしていました。いつまでも進捗が見えないままチャットで時間を潰している状態が続くと不満を感じるのは当然だと思いますし、「まだもう少し時間がかかりそうです」「○○の問題で準備が長引いています」というだけでも視聴者の方の心象は変わるはずです。(実際に待機時間中でも早い流れの中で報告メッセージをしっかり見つけて反応してくれた方はたくさんいました。ありがとうございます)
無事に最後のBotWまで最高潮の盛り上がりのまま全作品が終了したので、控室ボイスチャットでそのまま締め方の打ち合わせに混ざってしまっていたのですが、レイドどうするかとかこんな風に話し合ってるんだな~と知れて楽しかったです。(小並感)
イベント終了後はボイスチャットに運営・ボランティアメンバーが続々と入室してきて自然とRTA雑談会になってそれも楽しかったです。オンラインでは例年一人でしんみりしつつ終わりを惜しむのが常だったので、多くの人達と喋っていたらそんな感傷に浸ることもなくて後味が良かったですね。
そんなこんなで怒涛の5日間が幕を閉じました。
終わりに
まとめると技術ボランティアとして参加させてもらって最高に楽しかったです!走者として参加しているときよりもイベントの根幹に関われている感じがして、終了したときの満足感・達成感をさらに高めてもらえたように思います。
自分以外にも多くのボランティアの方たちが精力的に働いていて、運営の皆さんは昼夜問わずフォローに動いています。ボイスチャットで接した走者・解説者の皆さんは緊張しつつも唯一無二の貴重な時間で最高のパフォーマンスを見せるために真剣に臨んでいることが感じられて、改めてRTAinJapanというイベントは関わっている全ての人たちの全力が結集しているからこそ、見ている人たちに感動を与えられるエンタメが作り上げられてるんだなと実感しました。
また次回のRTAinJapanでも、走者応募での可否に関わらずボランティア応募させてもらうと思います。この(長い)記事を読んで頂いた方の中で、同じくボランティアをやってみたいと思う方がいてくれたら幸いです。
でも次のRTAinJapanは早くて夏なんでしょうねー。8月ってだいぶ先ですよね。どこかにお手軽にボランティアの仕事を体験できるイベントないかな~?
それがあるんです!
ファイナル宣伝
・不思議のダンジョンRTAフェス
第2回不思議のダンジョンRTAフェスが2/12-14に開催されます!
不思議のダンジョンRTAフェス(略称:不思議RTAフェス)は、「不思議のダンジョンシリーズ」及び「その他のローグライクゲーム」をテーマにしたRTAマラソンイベントです。
不思議RTAフェスでは走者応募とともに、ボランティアスタッフとして協力頂ける方を募集しています。実は本日時点(1/5)で10名の方に集まって頂いています。
特に応募上限は設けていないので、ご興味ある方は是非気軽にご応募ください。多くの方に集まってもらえるほどに、より低負荷のシフトを組んで作業分担させてもらおうと思っています。
・RTA Racing
RTA Racingとはレースやトーナメント等、並走形式のRTAを専門に取り扱う配信チャンネルです。海外では2015年頃から同じ趣旨でSpeedGamingという大規模な配信チャンネルがあり、最大で何と6つの配信チャンネルが同時稼動しています。RTA Racingはこの日本版SpeedGamingを目標に、普段はスーパーマリオブラザーズのRTAをメインに活動し、RTA in Japanではアンキモトーナメントや内藤九段トーナメントを主催した、核(@kaku52)さんによって立ち上げられました。
■ 関連リンク
【Twitch】ここで配信しているので、フォローよろしく!
【Twitter】レース情報の告知だ、こちらもぜひフォローしてくれ!
【Discordサーバー】走者はまずここに参加してくれ、視聴者も大歓迎だ!
【スケジュール】稼働日と受付済のレースがカレンダー形式で見られるぞ!
私は昨年途中から裏方として協力させてもらっているのですが、この度さらなる規模拡大のため、新たにミラー協力者を募集中とのことです。
こちらで得た知見は自分で開催するイベントや、RTAイベントでのボランティア参加にもとても役立てられています。興味のある方は核さんにご相談ください!レース応募も絶賛募集中です!
本当に長くなりましたがこれで締めたいと思います。読んで頂きありがとうございました!
次回 去年の目標達成状況確認と今年の目標 予定