短歌-倉庫9/10
先日、自選短歌1
にて十八首の短歌を紹介しましたが、このノートにはもっと雑に短歌を貼り付けていきます。
では、いきます。
手の汗を気にせず繋ぐ君を見て季節が変わる蝉はまだ鳴く
引き止めたほんのちょっとの雨の夜滑り台の下初めてのキス
苺は最後に食べる派なのと告げるあなたは処女だった
片思い二年 付き合い七年半 別れの通話は二十四分
おふくろのものとは違う君の味君を造った味噌汁の味
一晩中君の寝顔を見てたから昼夜逆転爽やかな朝
ちびっ子も僕も刺青おじさんもみんな裸で平らな銭湯
今日もほら雨がざあざあ降っている私の涙を隠してくれる
旅立った写真の嫌いな君の顔記憶の中で完全無欠
「替えが効く」「落ちたら絶対音がする」「争いを生む」お金も恋も
つい癖でペロっとやって一、二、三、使えなくなるコバルト試験紙
「ご飯まだー?」可愛い息子の声がして引き出しに仕舞う第二ボタン
決まらない髪型五分ごとに鳴る目覚まし時計はいつもの朝だ
アクセルを踏みっぱなしで進んでけ人生片側一方通行
昼と夜覗く角度が違うだけ青空の裏、満天の星
本当に嬉しい時に笑えない哀しい日にも笑っていたから
夕焼けの空に消えてく竹とんぼみたいに廻る私の身体
腹減った飯でも食いに行こうかと思った矢先隕石が……
ベッドからブルーライトの海を越え電波となってあなたのもとへ
僕らは平行線交わりはしないけど寄り添って永遠に
パスコード癖で打ち込む誕生日別れてすぐに変えたの忘れて