スマブラ日記20 初心者はどうして引きステップしてしまうのか
こんにちは。ぽんとです。
今回のテーマは、「悪い引きステップ」です。初心者の悪癖として代表的なものの1つです。自覚症状のある人は直すだけで戦績が改善できるので今すぐやりましょう。引きステップを正しく使えるようになるために、悪い引きステップの何が良くないのか、どうして引きステップを無意識に多用してしまうのかを解説していきます。
正直なところ、私はスマブラをプレーし始めてから半年以上経つというのに引きステップの悪癖が抜けておらず、不必要にラインを下げ、有利展開をふいにしてしまったり、自分からラインのない不利展開を作り出すことがありました。一定のリーチのある剣キャラ、ルキナを使っていたことで、引きステップ→置きの横強やマベという択が存在していることも影響していると思います。
〇引きステップとは
相手が前にいる時に相手から遠ざかる方向にステップすることです。近づく方向にステップすると前ステップとなります。
〇引きステップの長所、短所
長所としては
・相手が前に出ながら攻撃してくる場合に避けてから反撃する差し返しができる
・相手との距離を離すことができる
・基本的にローリスク行動
短所としては
・引いた分ラインを失い、自分が崖端に追い詰められる展開になったりする
・自分が相手を崖端に追い詰めていた状況においては、有利な状況を自ら手放してしまう
こんなところでしょうか。引きステップそのものが悪い行動というわけではなく、これが正解になる状況もありますが、初心者はリスクリターンが釣り合っていない「悪い引きステップ」をしてしまいがちです。
〇初心者が悪い引きステップをする理由
理由⓵:逆VIP帯最下層での成功体験
逆VIP帯最下層からプレーを始めるわけですが、戦闘力200万くらいまではもうみんな猪突猛進です。フェイントや垂直ジャンプ様子見なんてものはごくわずか。とにかく前に出て自分の差し込み技を当てることしか考えていないプレーヤーが多く、「相手が前に出てくる読み」が通りやすい環境にあります。そこで「引きステップから反撃」が通る成功体験をして、癖として沁みついてしまうのではないでしょうか。
理由⓶:「ライン」の概念を理解していない
スマブラにおいて重要な概念の1つに「ライン」があります。自分と相手の中間地点に縦に線を引き、そこから崖端までの距離をラインといいます。ラインについては良い解説動画がたくさんあるので、私のオススメの動画を1つ紹介するに留めます。
1:00:50からをご覧ください。あなたもこれで「牧羊犬」が通じるようになりましたね🐬
引きステップはラインを失う行動であり、デメリットを伴う行動です。相手を崖端に詰めた状況から引きステップすると有利状況を自分から手放すことになるし、ステージ中央で見合っている状態から引きステップすると自分から崖端に追い詰められる位置取りをしてしまうことになります。このラインを失うデメリットの理解が薄いから引きステップをしてしまう、というのが2つ目の理由です。
理由③:相手との距離が近い状況がストレスで、そこから脱したい心理が働く
これが一番大きい理由だと思っています。相手との距離が近くて、自分の攻撃が当たるか、相手の攻撃が当たるかがわからず、相手からの差し込みが見えない距離感って、気まずくて、怖くて、ストレスなんですよ。そこからとにかく早く脱したい!という心理ゆえに、半ば手癖で、明確な理由なく引きステップしてしまう、というものです。心当たりないですか?特にルキナは近接インファイターと比較すると密着が弱く、得意な間合いが遠めなので、「あ、密着になっちゃった!離れなきゃ!」となりがちです。しかしこれは明確な理由のない、消極的な手癖の引きステップであり、良くありません。本当に良くありません。引きステップを使うなら、明確な理由があり、リスクリターンの釣り合った引きステップにしなければなりません。また、この姿勢だと密着状態を捌く力がいつまでたっても育ちません。ギリギリの戦いで勝ちをもぎ取るためには密着状態をうまく捌く能力がカギを握ります。
〇引きステップを正しく認識する
相手の行動次第で正解にも不正解にもなるので、相手の行動それぞれに引きステップがどの程度刺さるのか、期待値を持てるのかを確認しましょう。
前に出て差し込み:引きステップ〇、避けられるし差し返しできる
ステステ等で様子見:引きステップ×、ラインを失う
技置きで様子見:引きステップ×、ラインを失う
ダッシュガード:引きステップ×、ラインを失う
引きステップ:引きステップ△、良くも悪くもなし、お互い崖端に寄った状態になる
引きステップは相手が前に攻撃をしに来たときのみ刺さる行動で、それ以外にはラインを失ってしまう行動だということがわかります。逆VIP帯最下層ならこれで良いんです。相手が前に出てくる可能性が非常に高いので。ただ、戦闘力300万を超えたあたりから、ただ差し込み技を雑に振るだけの攻めが通らなくなってくる感覚があると思います。ルキナでいうなら雑な滑り横強やダッシュマベ、下り空前がガードされて反確を貰うようになります。こうなると自分の攻めを通すために、様子見行動、ただラインを詰めるだけのダッシュガード、攻めると見せかけて攻めないフェイントの動きを混ぜなくてはいけなくなり、単純に前に出る差し込みの動きが減り、他の動きの割合が増えていきます。
ここで期待値の逆転が起こっています。前に出る差し込み行動が多い相手なら依然として刺さり続けますが、どこかの戦闘力帯(私の感覚では300万超)でそうではなくなってくるので、引きステップのデメリットが目立つようになり、ラインを失って不利展開に陥ることが増えてきます。引きステップの後に前ステップを入れ込む行動もよく見られますが、これも動きの癖として見抜かれやすいので、引きステップ→前ステップ読みの技置きをされてしまったりします。ここまで来たら、引きステップとの付き合い方を見つめ直さなければなりません。
引きステップそのものが悪いと言っているわけではありません。期待値の薄い行動は多用すべきでない、という話をしています。試合の中で相手の動きに法則性を見つけ、ここは前に来る可能性が高いな、と読みを張って引きステップするのは十分OKです。積極的な読みの引きステップはOK。消極的な手癖の引きステップがNGです。
この時点で図星すぎて心がズタズタになっている方がいるかもしれません。私もこれを書いていて自傷ダメージを受けています。しかし安心してください。治療法をセットでお伝えします。
まずは以下の正しい知識を身につけましょう。
・引きステップは相手が前に出て攻撃をして来る時にのみ刺さる行動で、それ以外の行動の時はラインを失う。相手が前に出て来るばかりではなくなってくる戦闘力帯から、期待値の薄い行動となる。
・引きステップ→前ステップの動きは見抜かれて狩られがち。
・どんなキャラでも密着で戦える方法を複数持っているので、密着から引きステップで逃げず、その場に留まる選択肢で戦い、密着状況を捌く能力を磨く心構えを持つ。
○引きステップの代替行動
では、引きステップをやめるとして、代わりにどういった行動に置き換えれば良いのか。いくつか選択肢があるので、ルキナを例に挙げていきます。
○引き空N
バナム先生御用達の択です。絶対身に付けて下さい。実戦では、ダッシュガード→ガーキャン引き空Nという動きが多くなるかと思います。前に来る相手には空Nが当たり、引きステップほどラインを失うこともありません。ダッシュガード→ガーキャン引き空Nを繰り返していくだけでライン詰めができ、相手を崖端に追い詰めた有利状況を作り出すことができたりします。低リスクでリターンが高い、ルキナの代表的な強行動です。より詳しく知りたい人は以下の動画を見ると良いと思います。内容を一言で言うと、「引きステップは弱いからやめて引き空Nにしろ」です。
〇引き歩き→横強
ルキナはステップの距離が長く、大きく引きすぎてしまうので、それを歩きに置き換え、必要以上にラインを失わないように調整する動きです。相手が前に出る動きを読むのは変わりません。ただ、歩きを立ち回りに組み込むのはかなり難易度が高いので、未VIPのうちは後回しで良いと思います。先に引き空Nや垂直ジャンプ様子見を身につけましょう。
○垂直ジャンプ
引く代わりに垂直ジャンプをします。「垂直」ジャンプです。前に出ません。下に潜り込まれると着地狩りの不利状況となりますが、相手がそこまで近づけない距離感の場合、ジャンプの着地際に空Nを置いておくとローリスクに相手の様子を見ることができます。前方向全体をカバーしたい場合は空前を置いても良いですが、ガードされると反確を貰うリスクがあるので、ガードされても不利にならない空Nの置きがかなり強いです。
○立ち&相手ガン見
引く代わりにその場に留まり、相手をガン見します。長時間棒立ちはできませんが、択を散らす上での1つの選択肢となります。反応できない差し込みを食らう距離感では使えない選択肢ですが、相手が前に来る読みで反確を狙う構えです。ルキナはガーキャンが優秀なので、下手な下り空中攻撃には反確を取れます。基本的にガードの準備だけしておけば良いですが、掴みの可能性があるなら相手の接近にジャンプやその場回避で反応する準備をしておきましょう。小ジャンプで掴みをスカし、下り空上を入れられたりするとその後の展開が非常に良いです。
とにもかくにも「引き空N」です。引きステップの代わりに引き空N、これを立ち回りになるべく早く取り入れてください。これだけを意識して10試合やってみてください。引きステップの悪癖がある人は、これだけで試合内容がかなり改善されると思います。
要点をまとめます。
〇引きステップの功罪
・逆VIP帯最下層においては相手が前に出る動きが多いため、引きステップからの反撃が通るが、戦闘力が300万を超えたあたりから相手が前に出る動きが減り、引きステップのデメリットが際立つシーンが多くなる。
・「ライン管理」の適切な知識を身に着け、引きステップのデメリットを把握した上で戦う必要がある。
・ルキナはライン詰めと間合い管理の重要性が高いキャラ。ラインを詰める目的から逆行し、適切な間合い管理にもならない消極的な手癖の引きステップは減らさなければならない。
・密着を恐れて逃げの行動ばかり取ってはいけない。密着状況で引かず、積極的に読み合いを仕掛ける戦い方をすることで、ギリギリの状況を捌く力が身に着く。
〇引きステップの代替行動
・引き空N:最重要。とにかく早く身に着けるべし。
・垂直ジャンプ:フェイントをかけ、単調な攻めを避ける意味でも重要。
・様子見:相手の差し込みが見える間合いをキープした上での選択肢。ステージ中央の陣取りを譲らない意識を持つ。
・引き歩き:できると強い行動だがかなり難しいので後回しで良い。
以上です。ルキナはどこまでも立ち回りを改善できるキャラなので、戦えば戦う程に色々なものが見えてきてたいへん面白いですね。「ルキナでの密着時の戦い方」についても触れておきたいところですが、長くなりすぎるので別の記事に回します。