絹の魅力
絹の仕事に就いてから絹のことを知ろうとして読んだ一冊の本。
「絹の魅力」〜いま、シルクを知りたいあなたへ〜金澤昭三郎 川村一男
昭和62年発行の古い本ですがシルクについての興味深い内容がぎっしり詰まっていました。
科学的な難しい項目は頭の中に入ってきませんでしたが、歴史の中の絹にまつわるエピソードや、人々の生活の中に絹がどのように関わってきたのかなど、この本に出会わなかったら知らなかっただろう「へえ〜」なお話がいくつもありました。
その中からnoteの中で少しずつご紹介していきたいと思います。
敗戦後の混乱の時代に進駐軍から女性たちの間に広まったのは「ナイロンストッキング」でした。それまで破れやすい木綿の靴下や人絹(今のレーヨン、人造繊維)しか知らなかった時代だったので、進駐軍の破れにくいナイロンストッキングは奇跡の靴下ともてはやされたそうです。
日本の産業界が立ち直るにつれて、ナイロン、ポリエステルなどの石炭、石油を原料とする合成繊維が日本の衣料業界を席捲します。
「戦後、強くなったものは、女性と靴下である」という有名な言葉もありますね。
合成繊維は安価で、天然繊維のように変色することも少なく、自由な色使いやプリントの発色が美しく目にも鮮やか。
女性たちの心をウキウキさせたに違いありません。
こうして終戦後の衣料生活は合成繊維が主流となった時代がありました。
ところが、合成繊維が広がる一方でおしゃれに敏感なセンスの良い女性の間から、しきりに合成繊維に対する苦情が聞かれるようになったそうです。
「肌がむれて気持ちが悪い。」「静電気がパチパチ火花が飛ぶ。」「夏などベタベタとして気持ち悪い。」などです。
実際に身に着けて今まで感じたことのない「心地悪さ」に体が「NO」と声を上げたのかもしれません。
人間の肌は呼吸していて常に水分を蒸発しています。肌着がこの水分を吸収してくれなかったらどうなるのでしょうか。
肌が湿ると細胞が水ぶくれになってふくらみ、抵抗力が弱まります。
合成繊維は素材としては水分を吸収せず、吸湿性はゼロに近いのです。合成繊維の肌着は大きな欠点があったのです。
一方、綿、麻、絹、毛などの天然繊維は吸湿性、放湿性に優れています。
汗を吸い取り、水分を放出し、お肌を良い状態に保ってくれます。
天然繊維の中でも最も吸放湿性に優れているのがシルクです。
シルクはお肌をいつも良い状態に保ってくれる、肌着に最適な素材なのです。
心地よいものを身につけていると、毎日がしあわせで気分よく過ごせます💕
他にもシルクの魅力はたくさんありますので、次回に続きます。
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