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アニメーションのデューレーション
「デューレーション」とは、duration。
辞書を引くと、継続、継続時間とか出てくる。
DTMの世界では、durationは、音が鳴っている時間を表すパラメータ。
アニメーションの世界では、僕だけが使っているか、あるいは、業界標準ではない使い方をしているか、そこはわからないけれど、僕は、一連の動きを作る長さ、としている。
アニメーションの「カット」とよく似た意味だ。
ただ、アニメーションの「カット」は、映画の「カット」に似ていて、絵コンテの1コマ、あるいは複数コマの場合もあるが、ひとつのカメラのカット、を言う。
そして、アニメーションの「カット」の場合は、絵が動いていない部分も含まれる。
「デューレーション」は、絵が動いている部分を指す。
とはいえ、動きのない絵を含めて、デューレーションと言う場合もある。
商業アニメの、アニメーションの「デューレーション」は、一般的に、1秒とか、数秒とか、ということになっていると思う。
1秒よりも短い場合も多い。
その短いデューレーションを含むカットを繋げて長尺にするわけだ。
僕が作っているアニメーションのデューレーションは、というと、数分以上、となることが多い。
クラシックの楽曲の一曲の長さで、ワンカットとなることが多くて、しかも、止まっている絵は、基本的にないので、ワンカット=ワン・デューレーション、となる。
ずーっと動いている。
ことが多い。
というか、ほとんどそうだ。
ウォルト・ディズニーの時代も、カットはそれなりに長かった。
よく知られているように、日本のテレビアニメで、止め絵の技術が花開き、そして、短いカットを繋ぐ作り方が確立されていった。
さて、短いカットに慣れている人が、長いカットの絵を見ると、どう感じるだろう?。
たぶん、退屈になってしまうだろうと思う。
集中力が続かない。
眠くなる。
嫌になる。
そんなことになるだろうと思う。
僕は、小さな頃から、動くものを、じーっと見ていて飽きない人だった。
汽車や電車に乗れば、車窓から外の景色を眺めていて、それだけで終着駅まで行ける。
客車内で、パソコン仕事をしたり、本を読んだりすることは、しない。
ずーっと外を眺めている。
水が勢いよく流れて作る渦を、じーっと眺めていて、飽きない。
これって、やはり、一種の精神疾患だと思う。
精神障害というか。
発達障害のひとつ。
だからだと思うけれど、自分が作った、長尺のワンカットを、長尺のワン・デューレーションを、クラシック音楽を聴きながら、じーっと眺めていて、飽きないんだよね。
だから、そういう作り方になる。
のかもしれない。
さてさて、というわけで、精神障害者、言ってみれば狂人の僕が作ったアニメーションを見て、楽しんでくれ、とは、口が裂けても言えないのである。