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エイミー・ビーチ 前奏曲 作品104の1
「エイミー・ビーチ 前奏曲 作品104の1」
今回弾いたのは、エイミー・ビーチさんの、4曲で構成される作品104の第1曲。タイトルは「前奏曲」となっている。
作品104の組曲のタイトルは、こうだ。
「古いアイルランドの旋律に基づく2台ピアノのための組曲」
Suite for Two Pianos Founded upon Old Irish Melodies
各曲には標題がついていて、次の通りとなっている。
1 前奏曲(Prelude)
2 昔の農民の踊り(Old-Time Peasant-Danse)
3 いにしえの小屋(The Ancient Cabin)
4 終曲(Finale)
初出版は1924年となっているようだ。
今回は、この第1曲の「前奏曲」を弾いた。
エイミーさんの、渾身の力作、と言っていい。管弦楽曲、それも、三管編成に現代的なパーカッションを多数加えた大編成のオーケストラ曲を思わせる、すごい曲だ。
映画で使われる音楽を、ぎゅっと詰め込んだような曲。
冒頭は、実におどろおどろしい幻想的な雰囲気を醸し出す。どろどろどろ〜ん、と鳴る。まるで、アイルランド神話の神々か、アイルランドの恐ろしい妖精が出てきそうだ。
抒情的な旋律、ロマンティックな響き、大地を揺るがすような低音の強打、大軍が侵攻するかのような大合奏、馬で駆け抜けるようなリズミカルな連打、苦悩に満ちたような近代的な和音進行。多くの魅力が、この短い一曲に詰め込まれている。
楽譜は、いちおう調号が書かれているが、ほぼ無調。難しいリズムに難しい音が連続して、演奏は、難しかった。しかも2台ピアノ。この1曲に4日かかった。
冒頭の、どろどろどろ〜ん、が、なかなかうまく鳴らなくて、実は、二週間くらい前に、冒頭部分でストップしていた。
音源が、ちいさなホールで録音していること、それに、良いエフェクタを持っていないことがあって、どろどろどろ〜ん、が、うまく響かない。
100%の100点の演奏では、もちろんなくて、試聴を重ねると、あそこも直したい、ここも直したい、ということになっているが、まあ、この時点でしか弾けない、今だけの、この瞬間の演奏、ということだ。
と、日記には書いておこう。
エイミー・ビーチ 前奏曲 作品104の1