岡本よりたかさんのメッセージ
「悪者にされがちな小麦を救う」
今日は、雑草に覆われそうな小麦畑を、小麦の会のメンバーで草刈りしてもらった。
ここでは、ライ麦、ユメカオリと、古代小麦のエンマー小麦、カムット小麦、スペルト小麦を栽培している。
ライ麦は小麦の間に雑草のように勝手に育ってくる強者。
ユメカオリは現代の「普通小麦」に分類される小麦で、自家採種10年目の小麦。普通小麦は染色体は42。
それに対して、古代小麦のスペルト小麦は普通小麦の中でも、品種改良されていない貴重な小麦。小麦アレルギーが出にくいと言われている。
エンマー小麦は、古代小麦の中でも珍しい「フタツブコムギ」に分類され、染色体は28。Dゲノムを持たないため、小麦アレルギー、グルテン過敏症の人でも食べられると言われている小麦。
カムット小麦は、パスタ用のデュラム小麦の原種という古代小麦で、同じく「フタツブコムギ」。栽培している人は日本ではほとんど見かけない。
他にアインコーンという「ヒトツブコムギ」に分類される珍しい小麦の種を蒔いたが、残念ながら今年は失敗。染色体14という貴重な小麦なので、秋に再挑戦。
小麦アレルギーやグルテン過敏症、あるいはセリアック病などで悪者にされがちな小麦だけど、古代小麦や自家採種小麦なら、問題が起きにくい。
いつも言うのだけど、作物そのものを悪者にするのは絶対に間違い。人間と小麦の歴史は長いのだから。
食べられない人が出てきたのは現代の話。つまり現代の品種改良や栽培方法に問題があると考えるべき。
古代小麦で問題が起きるならば、とっくの昔に淘汰されているはずだからね。
無農薬、無肥料の小麦栽培は、東京でやっていたパン屋を辞めてからも、作り続けている。
悪者にされがちな小麦のいわれのない罪を晴らすためにね(笑)。
久しぶりの畑作業で疲れた。では、おやすみなさい。