カレワラ記念像_トリミング

Kalevala

Kalevala(カレワラ、カレヴァラ)という文学作品がある。エリオス・リョンロットという人が、フィンランド東部の民謡を蒐集して、一連の長編物語となるように辻褄を合わせたものだ。民族叙事詩と言われ、世界中の言語に翻訳されている。アイヌのユーカラ(ユカル、神謡)のようなものだ。

僕はこの文学に興味を持って、文庫本を買った。分厚い文庫本が2冊。訳者は、森本覺丹先生。上梓されたのは大正時代じゃなかったかと思う。文語体の格調高い文章で綴られていた。僕は森本覺丹先生の文章を、平易な現代日本語に訳そうと思った。時に1996年。

少しずつ書きながら、2000年当時の僕のホームページで公開した。そして、2002年頃に一通り書き上げた。そして、2014年頃に、全面的に書き直す作業を始めた。その作業は、2015年に終了した。

出版のことを考えたのだが、残念ながら訳者の森本覺丹先生の相続人の行方が分からず、著作権の処理ができなかったので、ひとまず諦めた。森本覺丹先生が創設された山口県宇部市文化創造財団に問い合わせて、とりあえず献本した。A4で印刷して約630枚になった。

Kalevalaは、英雄譚とも読めるが、いろんな教訓を含んだ知恵の書となっている。もともとが村や家庭で歌われた民謡だ。民族の歴史や、そして生活の知恵を、はるかな昔から延々と歌い継いできた、民族の宝物だ。

Kalevalaにインスパイアされた音楽も多く創作されている。フィンランドの作曲家Sibelius、Klami、エストニアの作曲家Tormis、ロシアの作曲家Glazunovなどが、Kalevalaをテーマにした曲を書いている。

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