ミカリンバ@ビルボードライブ大阪
まさか、リアルでスティーブ・ガッドとエディ・ゴメスのライブを聴くことが出来るとは!
「ミカリンバ」は、天草出身のマリンバ奏者、ミカ・ストルツマン(吉田ミカ)を中心としたユニット。既に15年継続しているという。
夫君のクラリネット奏者、リチャード・ストルツマンと、日本のジャズピアニスト塩谷哲も出演。
ユニットの肝は、なんといってもスティーブ・ガッドとエディ・ゴメス。
スティーブ・ガッドは、いうまでもなく「ドラムの神様」
チック・コリア、スタッフ、スティーリー・ダン、ポール・サイモン、エリック・クラプトン・・・
名演にスティーブあり!という唯一無二の凄腕である。
エディ・ゴメスは、ビル・エヴァンス・トリオのベーシストとして知った。お城のジャケットで有名な『モントゥルー・ジャズ・フェスティヴァルのビル・エヴァンス』など、中期から後期のビル・エヴァンスを支えた。
スティーブ・ガッドとは、チック・コリアやマイケル・ブレッカーと共演を重ね、スティーブのバンド”The Gadd Gang”でも知られる、いわば盟友である。
ミカさんのマリンバは、時にしっとりと、時に激しく。
すごい演奏だ。小学生の木琴とは異なり、相当体力を消耗する超絶技巧だと感じた。
ミカさんとも親しく共演したチック・コリアやキース・ジャレットらの曲を中心に、ミカさんのマリンバを、スティーブとエディのリズム隊が、がっちりと支える。
正確無比なリズム。ミカさんのマリンバを支えるいぶし銀のような渋い音色に、これが「かの」スティーブとエディの演奏か?と驚いた。
しかし、である。聴いているうちに、スティーブ「らしさ」やエディ「らしさ」が、じわじわと滲み出てくる不思議さ。
いぶし銀と思っていたら、知らず知らずのうちに、まんまと2人の醸し出すグルーヴに酔わされていた。
スティーブもエディも、御年79歳。恐るべき老練である。
そこに82歳のリチャードのクラリネットが!
温かみがあって、メロディアスで。老剣客の一撃は必殺の響きだったのである。
ピアニストの塩谷哲の自作曲「あこがれのリオデジャネイロ」を、塩谷さんとスティーブとエディのピアノ・トリオで演奏、という企画も。
「少年の頃からのヒーロー達との共演。でも今日だけは憧れるのをやめよう」という、塩谷さんのコメントには、少し胸が熱くなった。
スティーブのリズムパターンが、エディのベースと絡み合い、なんとも心地よく。
スティーブは時折塩谷さんとアイコンタクトを取りながら、演奏。そっか。スティーブはバカテクだけがウリなんじゃなくて、演奏の全体を見渡すことができる、プロデューサー気質の持ち主なのか、と妄想してしまった。
次第にグルーヴが熱を帯び、往年のガッドを彷彿とさせる熱気に満ちた大団円に、会場は超興奮。僕を含め、スタンディングオベーションする観客も多かった。
大ベテランたちのサポートで、音楽という豊穣の海を果敢に泳ぎ切るミカさんの努力と勇気に乾杯🥂
塩谷さんの挑戦にも胸が熱くなった。
本当に、素晴らしいライブだった。行きたいと思うライブには、万難を排して行くべきだと再認識した、至福のひとときだった。
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