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ホストファミリーの弟の家が燃えた話

アメリカ(テキサス)でホームステイを始めてから3か月、突然ホストママに話があると呼び出された。

聞くと、ニューヨークに住むホストママ(エクアドル人)の弟の住むアパートが火事で全焼。幸い一家に怪我はなかったが、なんと彼らは銀行を信用しておらず、全ての財産(紙幣)を家に置いてあったという。(つまり全財産も全焼)住むところも財産も無くなったので、はるばるテキサスまで南下してきて、うちで一緒に住むとの事。
ふんふん、それはお気の毒でしたね、と話を聞いていると、

「そういうことで、お前の住む部屋無いから。」

は?

「弟一家が住むから、お前の居る場所無いから。」

へ?

とりあえず、交換留学をアレンジしている団体に電話。
経緯を伝えた後、今後の対応を相談。3か月経って人見知りの私にもやっと、ちらほらと友達ができ始め、学校の授業にも慣れてきた時だった為、できるだけ学校は変わりたくない旨を主張。回答は以下。

1.団体の方でアレンジした新しいホストファミリーのところに移る。尚、学校は同じ州の別の都市にある学校に転校。

2. 自力でホストファミリーを探す。ホストファミリーが送るでも、通学バスでもどちらでもいいが、通えるのであれば今の学校にステイ。

全然希望反映されてないwwww
与えられた猶予は2週間。それまでに自力でホストファミリーを見つけられなければ転校。そもそも人見知りな上に友達もでき始めたばかりという私には無理ゲーすぎる。

しかし自分でやらねば誰も助けてくれないのは分かっていたので、諦めて手あたり次第知り合いに声をかけまくる。スクールカウンセラーに同じ授業のクラスメイト、ランチを一緒に食べる友達、授業の先生。ちなみに、ホストファミリーの弟の家と全財産が焼けた話は申し訳ないがとてもキャッチーだった為、掴みとしてはばっちりだった。

でも突然、素性がわからんアジア人の小娘を引き取ってくれる人など出てこない。しかもホストファミリーはボランティアだったから無償+食費や光熱費はホストファミリー持ち。更に当時の友達は台湾人が多く、家のルールがめちゃめちゃ厳しいから無理…という感じの子が多かった。今思うと、拾ってきた捨て犬の里親探しって感じだなw

1週間ほど経ち、ホストファミリーになってくれませんかの声かけは大分慣れたが、一向に肝心のホストファミリーが捕まらず、若干諦めかけた頃。
美術の授業中にもうアカンかなーという話をしていた所、なんと先生がホストファミリーに名乗りを上げてくれた。旦那さんが中国系アメリカ人との事で、アジアの文化にも興味がある。家は学校から遠いが、通勤で一緒に学校に来るので無問題。家も引っ越したばかりで、部屋は空いているとの事。

神か!と思いながら、ありがたく申し出を受け入れて留学団体に連絡。なんとか転校は免れる。正直、これから始まる新生活に胸を膨らませるよりも、間に合った…という安堵の方が大きかった。やっと仲良くなった友達とも離れなくて済むし、自己紹介も一からやらなくて済むし、授業もこのまま受けられる。こうして高校1年生の、初めての自力でのホストファミリー探しは成功に終わる。

しかし、これまた別の波乱の幕開けだったりする。

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