人生は二毛作(リタイアメントプランを考えてみる)
先日、外山滋比古氏の著書『50代から始める知的生活術 「人生二毛作」の生き方』(大和書房)を読みました。
リタイアメントプランの参考となるものが得られるかもしれないという期待感から手にしたのですが、読み始めると予想以上に面白かったです。
リタイアメントプランは、退職後や老後の生活に関するライフプランのことですが、いつぐらいから具体的に考え出すものでしょうか。
老後に備えて若いうちから貯蓄をする人はいます。ですが、具体的にリタイアメントプランを考えるようになるのは、退職する日を意識するようになってからであることが多いようです。
最近では定年が60歳であったり65歳であったり70歳であったりと年齢も様々です。定年の10年前から意識する人もいれば、5年前、3年前、1年前など、退職の日を意識する時期も人によって異なります。
外山氏は著書の中で、60歳を過ぎ、70歳に達し、80歳をとうに超えてきて感じることとして、
『かつての同僚、知人たちには、会うたびに元気をなくしていたり、どんどん小さくなっていくように感じる人もいます。それに比べて、自分のほうは、年をとればとるほど、不思議なくらい、内からみなぎる力を感じるようになりました。』
と述べています。退職後に一気に老け込んでしまうよりも、前向きに生き生きと生活できるほうが楽しく過ごせるに違いありません。
外山氏は、健康のために毎朝皇居の周りを1時間半ほど散歩するそうですが、そのために定期券を購入しているとのことです。午前5:46発の電車に乗るのが日課とのことで、定期券を購入するというアイデアは素晴らしいと思いました。購入した以上は使用しなくてはもったいないですからね。それが継続の原動力となるのであれば、無駄な出費にはならないと思います。
リタイアメントプランを考える上では健康が第一ですが、老後の生活に欠かせない資金はどのようにすればいいのでしょうか。
外山氏は「資金づくりは三十代から」と説いています。
著書には『三十代にして、老後も安心できる財を成すなど、常識的にはできるはずがありません。しかし、その心構えをすることはできます。』と書かれています。
つまり、早いうちから老後を意識した心の準備が大切だということです。
定年退職をしてから、その先30年、40年、50年ものセカンドステージが待っているので、その長期戦に備えるためにも早くから準備をしておかなければならないという意見には、私も賛成です。
30代や40代の働き盛りのうちから老後の生活を意識することは、なかなか現実的ではないかもしれません。
しかし、実際に準備を進めている人と退職してからさあどうしようかと考える人とでは、明らかに退職後の生活が異なります。時間や余裕ができてからスタートするのではなく、今のうちから一生楽しめる趣味を見つけておいたり、知的な生活を送るための土台を作っておくことも大切です。
例えば、本を読む力や集中力も年齢と共に衰えていきますから、衰えてから読書しようと思っても思うようにはいきません。そのような意味からも、調べたり思考したり研究したり書物と向き合ったりすることも若いうちから継続しておくことべきだと学びました。
頭も体も健康で、年齢を重ねても日々前向きでいられるような生活は理想だと思い、改めて現在の生活を見直そうという刺激を受けた一冊です。
細かなことまで考えなくても、ざっくりと希望する将来像をイメージしてみて、必要なものは何だろうと前向きにプランを立ててみることも大事だと思います。プラスのイメージで、ワクワクしながら考えてみることがコツだと思います。