研究費コンシェルジュの視座_#4/誰かから貰う・協力者を増やす

寄付を受ける

「公的な研究費に申請するより、誰かから貰えば良くないですか?寄付して貰えば良いですよ。」

 えっ?そんな簡単に言わないで!と仰られる方は、視野が狭くなっているかもしれません。他国ではほぼ完全に公募に依存している日本の状況は必ずしも常識ではありません。アメリカでは、寄付で動いている研究が日本と比べて非常に多いというデータがあります。日本の常識にとらわれず、寄付による研究費取得を選択肢として考えるようにすると良いかもしれません。ただし、日本では非常識な寄付をどのように取得すれば良いかは課題になっています。着手しやすいところとしては、次項のクラウドファンディングを考えるのが良いでしょう。

支援プログラム

 寄付に近い要素がありますが、若手研究者が研究活動を継続するための資金援助として、研究費全体を支援する以外にも、セミナー参加費や奨学金の援助などに関連するプログラムがあります。

JAPAN-IMF スカラシップ・プログラム(JIST)
世界銀行奨学金プログラム(World Bank Scholarships Program)
外国人特別研究員
若手研究者海外挑戦プログラム
大学の世界展開力強化事業
世界トップレベル研究拠点プログラム
文部科学省 ヤング・リーダーズ・プログラム
国連大学フェローシップ(日本学術振興会(JSPS)と国連大学によるポスドクプログラム)

クラウドファンディング

 最近はクラウドファンディングなどを利用することで、大衆からお金を調達する仕組みが試みられるようになっています。最近iPS関連の研究について、ノーベル賞を受賞した有名な研究者も募金を呼びかけています。学術系のクラウドファンディングサイトとしては、academistがあります。科研費などで落ちても、柔軟に研究費を入手する手段を考えていきましょう。

ゲーミフィケーション

 調査に必要な労働力を確保すると同時に、広く協力者を呼びかける仕組みとして、ゲーミフィケーションは知っておいて損はない方法です。ゲーミフィケーションとは、ゲームが本来の目的ではないサービスなどにおいて、プライヤーを楽しませる要素を加えることで、参加者の動機付けを行う仕組みのことです。例えば、生物の生態調査を行うことをモンスターハントや宝探しのような要素と組み合わせ、貢献度に応じて著者に加えたり、表彰したりという要素を加えるなどの方法が考えられます。ゲーミフィケーションを使うことによって、安価に労働力を確保し、さらに参加者を介した宣伝を行うことができ効果的です。

参考文献

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