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研究費コンシェルジュの視座_#3/自分で払う・研究で稼ぐ

 ポンヌフです。平均的なアカデミア以上の研究費を扱えている一般人です。このNoteマガジン(シリーズ)では、研究費のやりくりに関する裏技(方法論のレビュー)や知られていない真実を扱っています。#3では、自分で払うこと、ならびに研究で稼ぐ仕組みについて、ご紹介します。

自分で払う

 研究費がとれたかどうかに一喜一憂するよりも、自分でお金を稼いで、それを研究につぎ込んだらどうでしょうか?

 もし、「えっ?何を馬鹿なことを」と思った方がいらっしゃったら、その理由を教えてください。①自分のお金を使うのがもったいないからですか?それとも、②そんなの無理という意見ですか?まず、前者(①)なら、研究費などの公的資金がない時代、研究というものは資材をなげうってでも進めようとしたものです。年収を100万円アップする仕組みを作るだけで、その上げた分を研究費につぎ込めば、ずっと競合的研究費を通しているのと同じです。

 たまに、数万円の試薬が買えなくて、苦しんでいるという話を聞きますが、考え方の転換で楽になる場合もあるのかなと思います。3回しか使わない5万円のキットを買えないからと、3日で終わる実験を30日かけて実施したとしましょう。1日1万円の仕事を15日して、稼いだお金でキットを買って3日で実験を終わらせたら、計18日で12日も余ります。さらに、研究をしてお金を稼げたら、働いていた15日で研究も進められます。現状を柔軟に捉えて、時間とお金を最適化するアプローチが有効です。

研究で稼ぐ、研究で節税する

 そうはいっても、自分で払うといってもね…というコメントはありますよね。それでも、両輪となるお金を稼ぐ仕組みを作っていければ、より現実的なアプローチになります。その方法が、研究の対価として得られる場合は、研究成果をつくりながら必要な研究費を得ることができます。

①起業する(研究所をつくる)

 給料とは別に研究をすることでお金を貰うこと、研究費を使うことで節税することは、とても相性が良いです。つまり、研究自体を業種にして会社を興し、研究で稼いで、そして使用した研究費を経費として落とせば良いのです。研究をすればするほどお金も手に入り、稼いだ分を研究費に充てることができ、さらに使用した研究費を経費として落とすことで節税に繋げ、浮いた分をさらに研究費にあて、それを経費で落とすという、夢のようなサイクルを回すことができるようになります。

 特に株式会社をつくろうなんて思わずに、自分の得意なスキル(例えば統計解析やプログラム作成)で研究を支援することを研究支援サイトなどで始めて、少しまとまったお金が入ったら個人事業主として登録するのがお勧めです。

 他の人の研究を手伝うことで、著者に入れて貰えるような関係が気づけたら、研究者のネットワークも広がりますし、研究成果を享受することができます。その研究に使われた経費を間接的に使用させて頂けたような恩恵が得られるとも言えます。

②マネタイズ

 研究をネタにして、お金に換える取り組みを考えてみましょう。Youtubeなどでのサイエンスネタの発信、メールマガジンの発信、ツイッターによるサイエンス情報の発信、アフィリエイトや書籍化、サイエンスグッズの通販など、サイエンスをお金に換える方法論は多くあります。簡単ではありませんが、候補の一つとして考えてみてはいかがでしょうか?

私の実体験

 私の場合は、まず技術士(生物工学)を取得したことがきっかけで、生物工学部会の例会に参加するようになったことがきっかけでした。

 例会では、個人事業主として技術コンサルをしているエキスパートや、会社の経営者と交流を持つようになりました。また、転職を重ねることによって広い視野を獲得した専門家の言葉は、ときに自分の無知さを浮き彫りしました。このままじゃいけないという気持ちを強くし、次第に意識が少しずつ変わっていきました。その中で、副業として自分の望む価値(楽しいと思える研究を進める時間を増やすこと)のために、技術士事務所の代わりに、”技術士ラボ”を構えることにしました。最初はただの箱だった技術士ラボですが、自ずと広く技術や研究に接点ができるようになり、コンサルとして様々な提案を心がけるようになりました。(中略)そうすると、「これを頼みたい、あれを頼みたい」という依頼を頂けるようになっていき、気がついたら、まとまった収入が得られるようになっていました。そして、個人事業主としてラボを登録しました。今では、研究で稼ぎ、節税することができるようになりました。今後は研究のマネタイズを検討したいと思っています。

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