女性がもつミソジニーについてゆる考察
昔(10年くらい前)、女性アイドルが好きだった。ももいろクローバーZやでんぱ組.inc、モー娘。のようなメジャーなアイドルから地下アイドルまで、幅広く推していて、土日はほぼ推し活、当時の友達も彼氏もオタクで、どっぷりアイドルにまみれた数年間を過ごしていた。
アイドルの魅力はここでは語り尽くせないが、私は「女の子と女の子が仲良くしている姿」を見るのが好きだった。
ライブの途中で、歌い踊っている女の子同士の目があって、にっこりとほほえみあう。
それはファンへのアピールのための笑顔ではなく、真の友情や同じ目標を共有する戦友同士のそれであると思った。なんと尊いのだろう。
結婚や子育てを経て、推し活からは離れてしまったのだが、2年ほど前に子どもをつれて、元推しとそのお姉さんが営む本屋さんへ訪れた。
本のチョイス、お二人の人柄が素晴らしく楽しい時間を過ごした。
お会計のときに、現金のみの支払いということで、手持ちがなかった私はATMでお金を下ろし、急いで、お店に戻ると。
本当に楽しそうにおしゃべりをする姉妹の姿があった。
聞こえてきたのは、あそこのあれ美味しいよねー、みたいなたわいもない話だったが、誰に見せるためでもない心からの笑顔で、この2人は本当に仲のいい姉妹なんだな…。と思った。なんだか、美しい景色すぎて、ずっと見ていたく、戻りましたと声をかけたくないとも思った。
私には妹がいるのだが、子どもの頃から、親の愛情を巡ってのライバル関係があったり、能力・容姿を比較され育ったことで、あまり良い関係性ではない。
また、仲のいい女友達ができても一方的にライバル視されたり、もしくは周囲から容姿等を比較されることでわたしの方が劣等感を抱いてしまい、葛藤を抱く関係になることも多かった。
今まで何人も「女が苦手」という女性たちに会ってきた。「女はどろどろしている、陰湿だ、男といる方が楽だ」と彼女たちは口を揃えて言っていた。
皆、見た目がとても女性らしく、容姿磨きなどにも熱心で、美しく可愛らしく、男性から人気のあるひとたちであった。
彼女たちは、私のことを話しやすい、と言ってくれた。どうやら「女は苦手」という「女」のうちに私は入っていないようなのだった。
今になって多少理解できたのだが、彼女達は、女性をライバル(もっというと敵)と見なしており、自分より明らかに格下の私は敵意を刺激しないので話しやすかったのだろうなと思う。
また、彼女達自信も同性達からライバル視される経験を経て、このような意識になったともいえる。
同性をライバル視してしまうのは、男性的なミソジニーの目線を内面化してしまったからだと思う。
例えば、仲のいい女友達との楽しい時間。
そこに急に男がやってきて、勝手にどっちの方が可愛いだのジャッジし始める。
私は、20代の頃これを何回も経験した。
(道を歩いていても、学校にいても店にいても、職場にいてもジャッジされた。当時職場の男同士が、職場の女子のランキングを作成するとかが普通だった)
彼らは自分のことは棚にあげ、自分が女性をジャッジできる立場だと信じている。結果、女同士が競わされ、序列をつけられる。男性から評価さられる「女性」が序列が高いとすりこまれ、女同士がライバルという意識が芽生える。
「女はどろどろしている、陰湿だ、男といる方が楽」というのは事実ではなく、そう思わされているだけなのだ。
女性アイドルにはまるくらいなのだから、私は基本的に女性が好きで、女性と仲良くしたい。キャッキャと楽しんでいたい。もう35歳になったが世間でいわれるような「若い女性」への嫉妬なども皆無である。(これも男性社会が、作り出した対立構造だろう)
人生後半、もっと女性同士の友情を楽しみたい。そのために自分のなかのミソジニーと向き合っていく。