物に当たる自分を辞めたい②
私の母はとても感情的な人だった。
機嫌がいい時は歌って踊って家庭を盛り上げ、
学校の成績がいいと笑顔で褒めてくれて、
冗談もよく言った。
「子供たちは私の宝物。大好きだから、例えお父さんとは別の人と結婚してもあなたたちを産む自信がある。」
と少し反応に困る冗談か本気かわからないようなことを言ったりもした。
反面、
気に入らないことがあったら声を荒げ、
自分の主張が通らないと物に当たり、
気分が乗らない時はブスくれて覚めた目ではしゃぐ子供や旦那を見ていた。
正直、母の機嫌で自分の気持ちが左右されていて、そんな母のようにはなりたくないと子供の頃から思っていた。
それがどうだろう。今となっては立派な母2号。
そんな私を物心ついた息子はどう思うだろう。
旦那は今どう思っているのだろう。
子供の頃の私は今の自分を見てどう思うのだろう。
きっと、心底軽蔑することだろう。
最低な妻だ。最低な母親だ。
そんなことを思えば思うほど、自分が抑えられなくなる。
どんどん物を投げたくなる。叩きつけたくなる。
「普通じゃない」
旦那のその言葉と、その顔が脳裏から離れなかった。
辞めなければ。
ずっとずっとそう思っていた私が、出会ったのが無意識というものだった。
「無意識が思考、行動を作る」
これが私が物に当たるのをやめる糸口かもしれない。