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2020年4月の記事一覧
創作はダメ出しされてもうまくなりません|海猫沢めろん
お世話になっております。海猫沢です。みなさんお元気ですか?
私はなんとか去年からの体調不良地獄から帰還しつつありますが、花粉というさらなる敵の襲来におびえております。殺してくれ……地球が合ってない。
それはともかく、作家生活が長くなるとだんだんと人前に出る機会も増えて、服装とか美容に気をつけるようになるわけですが、中身はヒキオタニートの素晴らしきクソ野郎なのでぶっちゃけ面倒くさいんですよ。
ここ
日常系から大冒険まで ほっこり/ほのぼのファンタジー|三村 美衣
これまでは設定やガジェット(道具立て)に関するテーマが主だったが、今回は「ほっこり/ほのぼの」という物語や文章の雰囲気でくくってみた。温かみがありくすりとできるような作品、かわいらしく愛嬌のある、どこかのんびりした牧歌的なファンタジー作品をお待ちしています。
さて、その「ほっこり/ほのぼの」の王道といえば、ちょっと不思議な要素が入り込んだ日々の暮らしを描く日常系だ。まずはこの日常系のアプローチ
ファンタジー書きの新学期:魔法学園への入学|三村 美衣
学園というのは、この世界の中にありながら、外の社会とは少し違うルールで動いている。どの時代のどの国でも、異世界であっても、種族がなんであっても、学び舎を描けばそこで行われることは自ずと似通ってくる。一方で、教室の中を社会の縮図として描くこともできれば、聖域と考えて自由で公平な空気を満たすこともできるし、学校の門を閉ざせば社会との物理的な接触をも遮断した密室にもなる。
まずは志望校選びから 学校
旅に出よう! ファンタジーの神髄|三村 美衣
ファンタジーの根底には、「懐かしいどこかに帰りたい」という望郷の念と、見たことのない異国の風景や文化への憧れとが同居している。日常から離れ、未知の場所へと向かう旅や探求の物語は、そういう意味でファンタジーの真髄と言えるかもしれない。というわけで、今回のテーマは「旅」なのです。
旅立ちの動機と目的 農耕社会においては、生まれた土地を耕して暮らし、家族や縁者に見守られながら生涯をとじる人生こそが真
これだけ押さえればOK! 和風ファンタジー設定の肝|三村 美衣
今回のテーマは人気の「和風ファンタジー」。
わかるようでわかりにくい漠然としたお題だが、今回は広めにとって日本の神話や伝承や習俗など和の要素を取り入れたファンタジー作品というくくりでアプローチを考えてみたい。
時代を選ぶ 同じ日本が舞台でも、時代が変わればまったく別の物語になる。
たとえば古代であれば、『古事記』をベースにした神々の世界や、ヤマトタケルのような英雄伝説を描くことができる。社
物語に深みを与える、魔法の過去・現在・未来|三村 美衣
「魔法」というのは普通では考えられない何かを起こす力だが、メカニズムが見えないだけに、便利で万能なご都合主義的なツールになりやすい。他の作品で見かけたものを安易に持ち込むとリアリティのない薄っぺらいものになり、考えずに連発すれば整合性を壊すことにもなる。
このファンタジー最大の飛び道具、そのままメインのテーマにもなりうる「魔法」にリアリティを持たせ、テンプレから脱出するためにできることを探って
世界を創るには、モデルとなる国・時代を決める|三村 美衣
ファンタジー小説の自由度は高い。物語の舞台がこの地球上にある必要もないし、主人公に羽があっても角があってもいい。場所も、時代も、その世界を貫く法則も、何もかも好きなように設定できることがファンタジーの楽しさだ。
しかし、現代社会ほどではないにしても、剣と魔法の世界だってそんなに単純ではない。『指輪物語』(映画『ロード・オブ・ザ・リング』の原作)のトールキンは、世界が誕生した時からの長大な年表